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デジタルゴールドとしての位置情報/Location Data as Digital Oil

みなさんこんにちは。LocationMind CEOの桐谷直毅です。今回のタイトルは最近色んなところでお話ししてウケるな(いける!)と思った名前を付けてみました。

Digital Oil / Digital Gold

正直、お会いする人によって、『デジタルオイルですよ!デジタルゴールドですよ!』といった具合にちょっと使い分けています。要するに、高い価値のある天然資源のようなアナロジーが伝われば意図として十分なわけでございます。

このアナロジーでお伝えしたいイメージは:

  • 位置情報には価値があると思って頂けること(ありますよ!)

  • 位置情報は金鉱脈や油田のようにビッグデータとして、たくさん埋蔵している可能性があること(ありますよ!)

  • 位置情報がどこにありそうなのかは、石油や金よりも想像つきやすそうだということ

  • 金や油と違うのは、『どこの国にも必ず存在すること』

  • 金や油と違うのは、『実はまだ全然採掘されていなさそう』『加工されていなさそう』

ということです。これから急成長していく市場として、より成熟した市場のアナロジーを求めてみると、わかりやすいことがあるなと感じます。今回の例は皆様のイメージ想起に役に立っているでしょうか?

図:Big Dataはどんな国にも存在する。これがチャンスに見える。

Business Implications?

こんなことを考えてみるのは、どんなビジネスとしての示唆があるかなと、考えてみたいからです。たとえば、こんな感じかもしれません:

  1. 中東は石油が発見されてからは急激に世界で最も裕福な国の一つになりました。それに対し、日本には石油の産出がほとんどありません。金も、あまり、ありません。資源国としてのビジネスチャンスは少ない国です。

  2. しかし、日本では毎日位置情報ビッグデータがたくさん蓄積しています。様々なデジタルデバイスの巨大市場になっていて、自動車もたくさんあるし、スマートフォンの普及率も高い。人口も大きい国ですから、日常的に生活するだけで位置情報ビッグデータが生まれます。産油国や金産出国と同様の状況とも言えます。多くの天然資源産業よりも、データ産出国とは平等に世界中にチャンスがあるということなのではないかと思います。

  3. 油や金と違うのは、かなり多くの資源(データ)が埋蔵されたままということです。位置情報の使いかたを想像しきれていなかったり、それを処理できるデータサイエンティストが希少であったり、色んな理由があります。こうお話しすると企業の役員や政府高官がそうだと口をそろえることが多いと気づいたのです。下手するとこのデータを蓄積しなかったり、捨ててたりします。勿体ない・・・

  4. さらに、油や金と違うのは、金鉱山を掘削する巨大建機や、石油の精製プラントのようにこれを大規模に処理する施設がまだまだ途上だということです。位置情報ビッグデータのポテンシャルを感じても、ビッグデータの処理技術やAI技術を作れる技術者が本当に少ないなと感じます。日本では、かなり簡単でレガシーなことしかされていなくて、欧米や中国に進んだ技術者が多いイメージがあります。日本が世界に遅れてしまわないように、次世代技術への投資を重ねる必要があります。

  5. Digital Oil / Digital Goldの処理能力が低い国はどうなっていくでしょうか。国の産業が立ち上がり損ねるかも知れません。データを用いた意思決定能力が不足するということは、いろんな産業での発展が遅れることにもつながりかねません。元より資源がない国として仕方がない、というロジックはDigital Oil / Digital Goldには当てはまりませんので、こうなると悔しいですね。

図:人の営みだけデータは生まれる。これを上手く活用して、毎年、より効果的な意思決定が出来るようになることを目指したい

Privacy

位置情報と、金や石油との最大の違いはプライバシーの観点だと思います。金や石油を分析するのは個人のプライバシーに関係しづらいですが、位置情報は皆さんがどういう風に生活したり仕事したりしているか、個人情報とみなされるデータです。個人のプライバシーを侵害しないように適切に扱う必要がありますし、それがゆえにビッグデータにアクセスのある人も少ないものが位置情報ビッグデータの特長かと思います。

LocationMindでは、世界中でこのようなデータを適切に扱い、分析をしてきた実績が豊富です。データの分析能力・事業化能力だけでなく、繊細な情報の取り扱い能力まで求められるので、少し事業化のハードルが高いビジネスと言えるかも知れません。

 世界中のデジタルオイル・デジタルゴールドが活用されていないことは勿体なくて、日本にもまだまだ沢山眠っています。この状況の改善に少しでも貢献できたらなと考えています。

今日はこのあたりで筆を置きます。また次の記事でお会いしましょう。

LocationMind
桐谷直毅


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