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【中級者向け】ワンピースカード応用講座【全文無料】

前書き

お初にお目にかかります、月うさぎ(@MdaTaePraty)と申します。
 この記事は「ある程度カードゲームには慣れてきてたけど、大会の決勝などでどうしても負けてしまう」や「上手い友達と同じデッキを使ってもなぜか同じように勝てない」といった方向けの記事となっています。
 ほとんどの内容がワンピースカードに限った話ではなく、カードゲーム及び対戦ゲームで流用できる内容となっていますので、上記の悩みを持っている方は読んでみてください。

悪いのは引きか、それともプレイングか

 「大会上位者と同じデッキを使っているけど引きが悪くて全然使えない」「自分は引きが悪いから○○デッキは使えない」こういった発言を聞いたこと、もしくは言ったことがあるでしょうか。もし言ったことや思ったことがあったら、その考えは改めるべきです。
 前提として、同じデッキから同じカードを引く確率というのは全プレイヤーで平等です。
 ※シャッフルの不備やイカサマは考慮しません
 このため「引きが悪い」というのは結果論であり、「引きが悪い人」というのは存在しないと考えています。
 
 とはいえ、「引きがいい人」を見たことがある人はもちろんいると思いますし、「自分の引きが悪い」と思う人は少なくないと思うため、そのメカニズムを分析していきましょう。
 「引きが悪い」という事象を言い換えると「特定のカードを引きたい時に引けない」「やりたい動きに必要なカードが揃わない」ということになるかと思います。
 上述したように、試合単位やドロー単位で「特定のカードを引きたい時に引けない」が引けないのは十分あり得ます。
 しかし、毎度毎度発生しているのなら問題は「特定のカードを引きたい時に引けない」ことではなく、「特定のカードが引けないと困る」という状況に陥っていること自体である場合が多いです。
 極端な例を挙げるとするならば、「ドンを盤面のキャラとリーダーにつけて攻撃すれば勝てる」という状況であれば「引かなければならないカード」も「引いたら困るカード」もありません。この状況であれば、どんなに弱いカードを引いても「引きが悪い」とは思わないはずですし、どんなに強いカードを引いても「引きがいい」とは思わないでしょう。
 上記の状況から「前のターン」、「その前のターン」と逆算していけば、「引きが悪い人」がプレイによって必要なカードが多い状況を作ってしまい、結果として「引きが悪い」という印象になってしまっていることがわかると思います。

 麻雀をやったことがある方ならわかるかと思いますが、カードゲームにおいても「待ちの広い手牌作り」こそがプレイングで、「引きの強さ」はその結果の上にある運要素と言えるでしょう。
 上級者と呼ばれるようなプレイヤーはプレイの中で選択肢が複数ある場合、「次のターンに欲しいカード」が少なくなるような動きをすることで「引いたら嬉しいカード」を増やしているため、結果として引きが良く見えるのです。

「大会優勝レシピ」の罠

 「大会上位入賞者と同じデッキを使っている」時にありがちなのが、「全然安定していなくて、引きがいい時は勝てるけど勝率は4割くらいしか出せない」というのがあります。
 「(同じレシピを使っている)大会優勝者は引きが悪くてもプレイングでひっくり返しているんだろう」と思っているのであれば、部分的に間違いであることが多いです。プレイングの問題だけではなく、そもそも構築がピーキーという可能性があるのです。
 
 まず、大型大会の優勝者などは前項で語った通り「プレイングで引きが悪い状況を出来るだけ作らないようにプレイする」ため、結果として「引きが強い」ように見えますが、これだけが全てではありません。
 ワンピースカードで「引きの強さ」がわかりやすいデッキとして、1弾環境における「紫単カイドウ」が挙げられます。
 「紫単カイドウ」は理想的な展開が出来た際にはとてもパワーが高いですが、キーカードとなる「鬼ヶ島」にも、状況によって使い分けたい「キング」・「カイドウ」などの高コストカードにもサーチカードがないのです。
 このため、「鬼ヶ島ばかり引いて強いキャラを出せないこと」や、「鬼ヶ島を一枚も引けずに速攻デッキに倒される」ことはどんな上級者にもあります。
 ではなぜ大会上位入賞者が勝てているか、というと極論では「ミスをせず」「運がいい」というだけです。上位入賞者はいつも「引きが強い」のではなく、「その日に引きが強かった人」が大会で上位入賞するのです。
 細かいドンの付け方やカウンターを切る順番など、細かな「ミス」の積み重ねで「運だけいい初心者」が脱落していったあとである大会の上位決定戦では、「運」が勝敗を分ける大きな要因となります。
 極端な例で言えば、「必ず鬼ヶ島を引く」、「速攻デッキと一回も対面しない」など決めつけて、予定通りにいかない場合は「(全力で戦って相手のミスは見逃さないが)負けても仕方ない」と決めて大会に挑むのも悪くないのです。
 100回大会に出てトータルの上位入賞率を求めるというのなら「安定感」は大事ですが、大会では5回〜10回ほど連勝をすることが出来れば優勝することが出来ます。
 表題に戻ると、あなたが使っていた「大会優勝レシピ」は「どんな初手でも安定して7割勝つデッキ」ではなく、「初手が良ければ9割勝てるデッキ」だったのかもしれませんし、優勝者は「マリガンで一切妥協せずに最高の手札を引きに行くこと」を前提にそのデッキを組んでいたのかもしれません。
 「大会で入賞したレシピ」というものを盲信せずどんな思考で作られたレシピなのか考え、自分がどういう目的でデッキを作っているのかと照らし合わせてデッキを作っていきましょう。
 

最後まで諦めない

 ワンピースカードをやっていて「あー、もうこの手札では何をやっても勝てないな」と考えたことはありますか? ちなみに僕はよくあります。
 アクティブのドンをキャラに付与できるこのカードゲームにおいてリーサルターンで手札から一枚もカードを使わないことは珍しくありません。そのため「直前の自分のターンで負けることが確定していることがわかる」と言えます。
 しかし、「手札にカウンターが一枚もないこと」や「デッキの中にトリガーが入っていないこと」を知っている自分が負けだと確信していても、相手が勝ちを確信できるとは限りません。
 自分から見れば「5枚もあるのにカウンター値が2000しかない」手札も、「トリガーを持つカードを一枚も採用していないため絶対にトリガーがない」ライフも、相手視点で見れば「5枚もあるから最大10000、悪くても5000くらいのカウンターはあるはず」な手札に見えますし、「トリガーからJET銃や火拳銃が飛んでくるかもしれない」ライフなのです。自分から見れば何も考えずに攻撃すれば勝ちというこの状況でも、相手からすれば返しのターンの守りにリソースを割くことを視野に入れなければなりません。
 この時、自分が諦めて投了したり投げやりなプレイをした場合は勝率が0%になりますが、諦めずに「相手が守りを選びたくなる」ようなプレイをした場合は勝率がわずかに復活します。
 どんなに絶望的な状況になっても、まずは相手側の視点に立って考えましょう。その中に少しでも負ける可能性が見えたのであれば、それはあなたが勝つ希望なのです。
 どんな状況でも「俺(私)はまだ諦めてないぜ」という顔をしていきましょう、そこから生まれる勝機は少なくないです。
 

”勝てないデッキ”をそれでも愛せるのか

 あなたが漫画「ONE PIECE」で好きなキャラは誰でしょうか、そのキャラはワンピースカードに登場しているキャラでしょうか?
 このカードゲームはTCGとしてはやや珍しく「原作に明確なストーリーがあり、全てのキャラが元のコンテンツに登場する」というカードゲームになっています。そのため「好きなキャラを活躍させたい」、「嫌いなキャラはデッキに入れたくない」という人は他のカードゲームに比べて圧倒的に多いかと思います。
 そういった感情はゲームをプレイするうえでモチベーションに繋がりますし、大事だと思います。しかしこの記事を読んでいるということは、初心者を抜け出して「勝つことを意識している」プレイヤーだと思うので、キャラ愛だけで勝てるほど甘くないことは十分認識されているでしょう。
 「好きなキャラを使っても全然勝てない」と感じた時に重要なのは、「諦めて別のデッキを使う」ことでも「勝てないデッキを闇雲に使い続ける」ことでもなく、「自分の好きなキャラを使ったデッキがなぜ勝てない」を考えることです。
 カードゲームには通称「メタ」と呼ばれる流行のようなものがあります。メタというのは「回っていく」ものであり、デッキAが流行ればそのデッキに大して有利なデッキBが流行り、更にデッキBに対して有利なデッキCが流行っていき…というように時間と共に流行っているデッキが変わっていきます。
 話を戻すと、「好きなキャラを使ったデッキ」が勝てない理由は「好きなカードが弱い」や「プレイングが下手」だけではなく、「メタに合っていない」という理由も存在しています。
 「好きなカードが弱い」場合は同じデッキを使っている人と情報共有をしたりネットで情報を集めることでなんとか出来る場合はありますが、厳しいことも多いです。現時点ではワンピカードのリーダーは(一部を除いて)バランスが取れているので、一部のリーダー以外で「カードが弱い」だけが勝てない理由というケースは少ないでしょう。
 「プレイングが下手」な場合、これはもう対戦回数を重ねるのが一番です。上手い友人に考え方を聞いたり、youtubeで解説動画を見たり、直近で流行し始めた「詰めワンピ」を解いたりして練習しましょう。
 最後に一番重要な「メタに合っていない」というものがあります。先ほどの例でいえば、デッキBは「デッキAが流行っている環境」では最強であり、大会入賞も頻繁にすると言えますが、「デッキCが流行っている環境」ではかなり弱く、大会で勝ち切るのはなかなか難しいでしょう。
 このように、デッキ自体は変わっていなくても「メタ」が変わっていくことによって「強いと思っていたデッキが全然勝てなくなった」や「連勝していたデッキが急に勝てなくなった」ようなことが発生します。
 「好きなデッキがメタに合っていない」と感じた場合は逆にチャンスでもあると言えて、あまり研究が進んでいなかったり対策がされていないことが多いです。そのため、自分の好きなデッキがどのような「メタ」で強いのか把握さえしておけば、「今のメタではこのデッキが強いから勝てないけど、その次に流行るあのデッキ対してはめっぽう強いはず…!」と他の人の一歩先を行ける可能性があります。
 「好きなカードはあるけど使っててなかなか勝てないからすぐにデッキを変える」、「好きだから勝てなくても使い続ける」というのも悪くないです。ただ、「なぜ勝てないのか」を考えたうえでデッキ選択をしていくと「好きなカードを使って勝つ」というとても気持ちのいい状況を作るチャンスが生まれるので、デッキを変える前に一歩立ち止まって考えてみてください。
 

あとがき

 ここまで読んでくださりありがとうございます、前回書いた「基礎講座」から一歩踏み込んだ内容を書いてみましたがいかがだったでしょうか。
 「基礎講座」と比べると、テクニックよりも考え方に重きを置いた記事にしてみました。
 読めばすぐ実践できる基礎講座に比べて、抽象的でわかりづらい部分も多かったかと思いますが、長くカードゲームを続けていくのであればいずれぶつかる壁を乗り越える一助となるかと思います。
 前回も書きましたが、書きたい内容はまだあるのですが、一つの記事で文章を書きすぎると読みづらくなるため、また次回に回したいと思います。
 
 最後に宣伝ですが、カードマウンテンさんのTwitter(@card_mountain)で「詰めワンピ」という企画に関わらせていただいています。
 初心者〜中級者の方が悩みがちな「試合の終わらせ方」の勉強にとても有用なのでぜひ問題を解いてみて頂ければと思います!

 今後もこのような記事やデッキ解説記事を書いていこうと思うので、この記事が気に入ったらいいね&Twitter(@MdaTaePraty)のフォローをお願いします!

では今回はこの辺りで!


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