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鬼哭|Xのシャドウバンとアカウントパワーの呪われた結びつき

こんにちは、ロコテックの中の人でXオタクちゃんといいます!

普段はXのアルゴリズム解析や、海外のXコミュニティのモデレーター業務などを通じてX情報を収集しております

また、自分でもXに関する情報交換グループ「LTX」を立ち上げ、最近ではチームでXに関するニュースなどを発信しています_φ(・_・

本業はXの運用代行サービスを運営しています!

さて、本noteでは【シャドウバンとアカウントパワー】について詳しく解説しつつ、両者の”関連性”にも触れていこうと思います

【お知らせ】Xのマネタイズと”伸ばすためのアルゴリズム”にも興味があるという方は「白刃」もおすすめです!

https://note.com/loco_technology/n/ndfb12ed5e337

それでは、まずはシャドウバンの仕組みから解説していきます!

シャドウバンの存在が暴かれた日

いわゆる【シャドウバン】の存在が完全に明らかになったのは、2022年12月9日に公開された【Twitterファイル:パート2】です

【Twitterファイル:パート2】とは下記のポストです_φ(・_・

新しい#TwitterFiles調査により、Twitter 従業員のチームがブラックリストを作成し、不快なツイートがトレンドになるのを防ぎ、アカウント全体やトレンドのトピックの公開を積極的に制限していることが明らかになりました。これらはすべてユーザーに知らせることなく秘密裏に行われています。

https://twitter.com/bariweiss/status/1601008766861815808

このように解説されており、続くリプライでは、

多くの人が「シャドウバン」と呼ぶものを、Twitterの幹部や従業員は「可視性フィルタリング」または「VF」と呼んでいる

https://twitter.com/bariweiss/status/1601014175366402048

と述べられています

Twitterはそれまで”シャドウバンはありません”というスタンスだったのですが、イーロン・マスク買収後にその存在を暴かれた感じです

要するに、シャドウバンの仕組みは古くから存在していましたがTwitterはその存在をずっとひた隠しにしていたということです

続いて、そんなシャドウバンの種類について見ていきたいと思います

シャドウバンの種類【今は6つあります】

これまでシャドウバンは下記【4つの種類】であることが通説とされてました

  1. Serch Suggestion Ban(検索候補BAN)

  2. Seach Ban(サーチBAN)

  3. Ghost Ban(ゴーストBAN)

  4. Reply Deboosting(リプライデブースティング)

が、今は少し状況が変わってきております。実際に上記4項目のチェックができるシャドウバンチェッカーで調べてもアカウントの異常が検知されない『新型シャドウバン』も存在しています

この状態でもリプが非表示になり、ポストが検索結果に表示されていなかった

『症状』としては上記で挙げた以前の4つを含みつつ、具体的に分類すると【計6パターン】のシャドウバンが存在しています

  1. リプ非表示シャドウバン(段階あり)

  2. 検索結果でアカウントが表示されないシャドウバン

  3. 検索結果でポストが話題に表示されないシャドウバン

  4. センシティブラベルシャドウバン

  5. 新型シャドウバン

  6. アカウント立ち上げ時のシャドウバン

1:リプ非表示シャドウバン(段階あり)

リプ非表示シャドウバンは、リプが「返信をさらに表示する」などで隠されるものです。お馴染み?のやつです

これには【段階】があるのが特徴です_φ(・_・

第1段階(すぐに解除される可能性が高い)
第2段階(一般的にはこれ、解除方法については後述します)
第3段階(完全に表示されなくなることも…)

自分のアカウントから見るとシャドウバン中でも表示されるので、サブ垢など他のアカウントからチェックする必要があります

2と3:検索結果に非表示系シャドウバン

2と3のシャドウバンについては検索結果に表示されなくなるタイプです

こちらも他のアカウントを使ってチェックする必要があります

このようにアカウントやポストが表示されていたら大丈夫です

また、自分の”ポストだけ”に絞って検索するには、サブ垢など他のアカウントから「from:自分のユーザーID」を入力してください。もし下記のようにポストが表示されなければシャドウバン中ということになります

ポストが表示されなければシャドウバン中

4:センシティブラベルシャドウバン

あまり知られていないシャドウバンの種類です

センシティブラベルシャドウバンの説明に入る前に、まずは一般的な『センシティブラベル』について解説していきます_φ(・_・

『センシティブラベル』とは下記のようなラベルのことを指します

(ユーザーの設定によっては)ポストが非表示になりリーチが減少する

ポスト単体でラベルが付与される場合はあくまでそのポスト自体に問題があることが多いため、それを防いでいけばOKです

また、あなたのアカウントやポストの内容がそもそもセンシティブなものメインである場合はラベル付与はなかなか避けられず、場合によっては下記のようにアカウント自体がセンシティブ判定されることもあります

なお、センシティブラベルが付与されるパターンは確認できる部分だけでも数多く存在しています

NSFWコンテンツ(アダルトな内容、暴力的な映像、残酷な表現を含む画像や動画)をはじめ、著作権侵害や攻撃的な内容であったりとその原因は多岐にわたります

もしも、あなたのポストにラベルが付与されたらその内容を確認し、繰り返さないことをおすすめします

なお、このラベルのチェックについてもサブ垢など他のアカウントを使用します
※事前にチェックするアカウント側で下記の設定が必要です

  1. ブラウザ版から設定とサポート→設定とプライバシーを選択

  2. プライバシーと安全を選択

  3. 表示するコンテンツを選択

  4. センシティブな内容を含む可能性のあるメディアを表示するのチェックを外す

ここまでがセンシティブラベルの説明です_φ(・_・

一般的には『なにかしらセンシティブな内容が含まれるから』ラベルがつくのですが【センシティブラベルシャドウバン】は違います

センシティブラベルシャドウバンは『なにも問題がないようなポスト』でもこのラベルがバシバシ付与されるんです・・

実例です。「おはよう!」のような内容でした

そして、これこそがシャドウバンとアカウントパワーとの結びつきであるとロコテックは睨んでおり、本noteの主題でもあります

詳しいことは後述いたしますが、このセンシティブラベルシャドウバンも含め、シャドウバンの発症は『アカウントによって差がある』ことも上記の仕組みがあると仮定すれば全て辻褄が合ってしまうんです・・

シャドウバンに関するソースコードは(2024/3時点では)公開されていないので断言はできませんが、実際にxAIのGrokからは『Yes』と回答が返ってきます

【tweepcred】とはXのアカウントパワーに関するアルゴリズムです

続きが気になるところだと思いますが、このあたりは後ほどじっくり書いていきますので、一旦飛ばしてシャドウバンの種類の解説に戻ります!

5:新型シャドウバン

症状としては、1のリプ非表示シャドウバンと同じ、もしくは2・3の検索結果に非表示系シャドウバンも併発するような感じです

新型はシャドウバンチェッカーでは検知できませんので、先ほどご紹介した方法で手動チェックしていくしかありません

Grokも「ソフトシャドウバン」という新たなシャドウバンがあると回答

原因についても後述しますが、一定時間内の過度なフォロー・いいね・リポスト・リプ(リプ返)などがトリガーのひとつです

6:アカウント立ち上げ時のシャドウバン

現在は、Xで新規アカウントを作ると必ずシャドウバン状態からスタートします

実際に複数のアカウントを作って確認したところ、どれも同じように下記の通知が表示されました_φ(・_・

症状としては新型シャドウバン同様、1のリプ非表示シャドウバンと、2・3の検索結果に非表示系シャドウバンが併発するような感じです

また、上記の通知の中に、

  • タイムラインのポストにエンゲージせよ

  • 他の利用者との交流せよ

みたいに書いてありますが、それをやっても20日、完全放置でも20日でシャドウバンが解除されましたので目安にしていただければと思います

シャドウバンが解除されると、下記のような通知も飛んできます_φ(・_・


シャドウバンの種類については以上です

続いてシャドウバンの代表的な原因と対策jについてまとめていきます_φ(・_・

シャドウバンの原因と対策

アカウント立ち上げ時のシャドウバンを除くと、
各シャドウバンの原因は下記の3つに分類されると考えています

  1. ポストの内容

  2. 行動パターン

  3. ユーザーからのネガティブアクション

そして、各アカウントのパワーにより判定の厳しさが異なるという考え方が海外ではメジャーです(アカウントパワーが低いとすぐにシャドウバンになるイメージ)

参考までにGrokの回答も載せておきます

では、それぞれ原因となるものを見ていきましょう

1:ポストの内容

まずはシンプルにポストの内容です

ご存じの方も多いと思いますが、Xにはブラックリストが存在しており特定のキーワードをアカウント名やポストに使用すると危ないと言われています

ブラックリストの中身はオープンになっていないので何とも言えないのですが、海外では『競合系やクリプト系は該当するのでは?』とよく言及されています(諸説あり)

該当しそうなものとして、YouTube、Discord、LinkedIn、Facebook、Instagram、Threads、Bluesky、Mastodon、Truth Social、Tribel、Nostr、Web3、NFT、Blockchain、Cryptoなど

※実際に競合SNSの宣伝を禁止していた時期があります

なお、上記のキーワードは直接規制されてないにしてもBOTが反応しやすいものですので、わたしは使用するのをできるだけ避けています

また、テキストなしやリンクのみなど、明らかに質の低いポストも避けるべきです

これらのポストはデブーストされる

その他、触れるべきではない内容を示すようなコードが(シャドウバンのコードとは別に)数多く存在しております

ソースコードの一部:これは氷山の一角です
ソースコードの一部:これは「メディア」に関するもの

このルールの多さを見ると『具体的にどんな文章・画像・動画が危ないか』はケース・バイ・ケースと言わざるを得ませんが、ポストの内容でダメージを受けることは意外と多いのかも知れませんね

少なくとも、

  • 著作権侵害の可能性があるもの

  • NSFWに該当する(と判定されそうな)もの

  • テキストなしやリンクのみ

  • 攻撃的な内容

  • 危険なURL

などのポストは控えるのが賢明です

ポストの内容でシャドウバンにならないための対策としては、抽象的ですが『ユーザーが役立つ質の高い内容をポストする』に限ります

また、センシティブなアカウントでないのにも関わらずポストにセンシティブラベルがついているのに気付かないまま運用を続けてしまうと、シャドウバンや場合によっては永久凍結のリスクが高まります

センシティブなメディア(画像・動画)については2024/1にポリシーの変更があり、以前よりも厳しくなっていますので要注意です(聞くところによると広告主の圧力とか)

で、対策としてはやはり『手動チェック』に限ります

先ほどご紹介したとおり、下記のセンシティブな内容を含む可能性のあるメディアを表示するのチェックを外したアカウントから確認していきます

万が一ラベルが貼られていたら、そのポストの内容は繰り返さないことをおすすめします(わたしならそのポストは念のため削除します)

2:行動パターン

一定時間内の過度なフォロー・いいね・リポスト・リプ(リプ返)などもシャドウバンの原因です

シャドウバンになる原因の多くがこれによるものだと思います

たとえば、「プロフ見てね」といったリプがくることがありますが、あれは自動化されたBOTです。大量に同じ内容のリプを送るBOTはほとんどがシャドウバンになっています

これを開くと「プロフ見てね」のことが多いですよね

で、言わずもがな『BOTと似た行動』が良くないという話になってきます

”定型文”でリプ(リプ返)をしすぎるのも危険です。(わたしは「ありがとうございます!」の高速リプ返でシャドウバンになったことがあります)

『交流が大切』と言われる裏にこのような落とし穴があるので注意してください。時間をおいてアクションすることをおすすめします

ご参考までに

3:ユーザーからのネガティブアクション

ネガティブアクション(報告・ブロック・ミュート数)が増えるとシャドウバンに繋がる可能性が高いです。Grokの回答は下記の通りです

無闇に炎上を狙ったりトレンドキーワードを乱用することは(ネガティブアクションを増やす危険がある)諸刃の剣ですので控えましょう

また、報告に関しては【種類】によってもペナルティの重さが変わってくると思われます

中でも注意しなければいけないのが『あらゆる個人情報保護漏洩』です

これはイーロン・マスクも「アカウント停止に繋がる」と言及しています
十分に注意してください

「プライバシー」についての報告は重いペナルティを受けそう

イベント時の写真など、悪意がなくてもそれが『あらゆる個人情報保護漏洩』に繋がるものではないかを慎重に確認していくことが大切です

また、逆の視点から、こちらが報告・ブロック・ミュートを大量におこなっても【迷惑行為】として捉えられてしまう危険があります

わたしもしばしばBOTをブロックしていますが、一度にブロックするのは5件までに抑えるようにしています

シャドウバンを解除する方法【仮ラベルについて】

2024/2頃からXに【仮ラベル】の仕組みが新しく実装されました_φ(・_・

シャドウバンになると「ご利用のアカウントには、リーチに影響を与える可能性がある仮ラベルが追加されました。」という通知が飛んでくる
【仮ラベル】が追加された通知

この仮ラベルが貼られたら広義で【シャドウバン状態】ということになります

余談ですが、ユーザーがシャドウバン状態を認識しやすくする計画というのは前々からありました。Xのデザイナーさんから情報が公開されましたが、この機能が最近になり実装されたという感じです

では、そのシャドウバン状態を解除するには?という話になると思いますが、それは『審査を依頼』ボタンを押下します

無事に審査が通れば仮ラベルが削除(シャドウバンが解除)される流れです

「数時間ほどで解除された」という声もありました

しかし、アカウントによっては『審査を依頼』ボタンが出てこないケースがあると報告されています。X Premiumに加入していないと出てこないという声が多いです(これはX Premiumに入っていてもシャドウバンになるということでもあります)

また一方で、仮ラベルの通知が来ていないのにシャドウバンになっているケースもまだあります。思い当たる理由としては次のとおりです

私たちは、リーチに影響を与えるフラグをアカウント所有者に明確に認識させるという目標に向けて前進しています。

このコードベースには非常に多くの層があります。 2000万行以上。

上記【イーロン・マスク】のリプライの翻訳

関連コードは2000万行以上あるとのことで、まだ仮ラベルの『機能』として不完全な可能性があることや、それが完全に機能していたとしてもユーザーによってケース・バイ・ケースであることを示唆しているように見えます

では、仮ラベルの『審査を依頼』から解除ができない場合はどうすればよいか?という話になりますが、実体験ベースで効果があったのは【放置】だけでした・・

  • トピックのフォローを外す

  • 興味関心のチェックを外す

  • アカウント名を変更

  • 問い合わせ(異議申し立て)

などもおこないましたが、全て解除には繋がりませんでした

なお、今は問い合わせフォーム(サイト)からではなくX上の@premiumのアカウントにDMで問い合わせることも可能です

https://twitter.com/premium

話を戻しますと、シャドウバンの種類としてリプ非表示の第2段階目や、検索結果に非表示系のものであれば新型シャドウバンも含めて7日放置で解除されるケースが多いようです(アカウント立ち上げ時は解除まで約20日)

一方で、アカウントを動かしていても解除されるケースも多く報告されていますので、正確には『放置』というよりも『シャドウバンになった原因を繰り返さないこと』が解除のコツだと言えます

ただし、どちらにしても解除まで長引くケースもあり、その辺りはアカウントパワーを高めることが必要になってくると思います

Grokの回答

アカウントパワーを高めてシャドウバンを解除・防止する

『各アカウントのパワーにより判定の厳しさが異なる』という考え方に基づくと、アカウントパワーを上げてしまうのが手っ取り早い対策になります

シャドウバンが病気だとすると、アカウントパワーは免疫力といったイメージです

実際、無課金かつアカウントパワーが低いとすぐにシャドウバンになる(そして長引くこともある)ため、Xを運用する上でアカウントパワーを上げるということは非常に重要な考え方です

また、それだけではなくアカウントパワーを上げるとおすすめアルゴリズムにおける『インプレッション増加』にも影響します

このように『様々なところに結びついている可能性』があるのがアカウントパワーです。つまり、この仕組みを知らずにX運用を続けるのはリスクを背負うことになります

それでは、具体的なアカウントパワーの解説に入っていきます!

Xのアカウントパワーとは一体「何なのか?」

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