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グルーミングの恐ろしさ

 母がのめり込んでいた新興宗教は若くて年頃の女の子はイベントのお手伝いをさせられる。売り子さんしたり、特に綺麗なお姉さんは芸能人や政治家など来賓の案内や接待したりで、熱心な信者は子供の学校を休ませて参加させていた。

 私は当時そこに2つ年上の好きな人がいて、後に旧帝大に行くぐらい頭も顔も良くて更に身長も高くて非の打ち所がない人だった。彼には少し歳の離れたお姉さんがいてそのお姉さんもその辺の芸能人なんかより全然綺麗で優しくて素敵な人だった。
姉弟と言われなければ美男美女のカップルにしか見えなかったぐらいに仲良かった。
勉強を教えてもらったり手紙を交換したり、互いに遠いのと私がその宗教施設に行くのは彼に会いに行く為だった。彼も特別熱心な信者ではなく姉の付き添いで、お姉さんも体調を崩した会社経営者で信者だった両親の代わりに来ていたようだった。

教祖が急死してから新体制の教団とは反りが合わなくなり両親は離れてしまったけれど、少し後から美男美女の姉弟も来なくなったと聞いた。
 それでも護摩をすると全国がら1000人以上が集まり教団がある市の市長も挨拶に地元のメディアも賑わいをラジオやテレビで放映して勢いはあった。

更に1.2年が過ぎた頃、2代目教祖に助けてくれと言われた人が完全に教団とは縁が切れ久しぶりに互いの家族を連れ食事会した時だった。モデルか女優か??ぐらい綺麗なお姉さんが何人もいてその数人がお手付きでね…と言う話を聞いてゾーーっとした。
結果将軍が側室を部下に当てがうように手放し、彼女は結局教団内で男を転々としてそれが何人もいて見るに耐えられず辞めてしまったのだ。

私は教祖や幹部周辺はちょっと警戒していて、それでもなんかよく話しかけられたり
褒められたりすると母親は喜んで周りの人たちもチヤホヤしてくれるのだけれどそれが
ちょっと怖かった。でもその感覚は間違いでは無かった。

幹部の1人と結婚する事になったお姉さんの結婚式に何故か呼ばれた事があった。
年は離れているけれど音楽の趣味が同じで仲が良かったけれど、私はまだ高校生で初めての友人の結婚式だった。生前の教祖も来ていた。スピーチもあって(覚えてないけれど)式が終わった後とりあえず
「結婚式に教祖様が来てくれて良かったね。」と言うと
「あんなの来なくても良かったわ。」と。
結婚をずーっと反対されてたらしい、その理由はめでたい席だったので
あえて聞かなかった。

両親が教団を離れた頃から私は大学生になり疎遠になってどうなったのか聞くと
彼女も教祖が死んで数年後幹部とは離婚したと聞いた…。

あからさまにヒエラルキーのあるとこにはこう言う話がある。
教祖が女でもそういうのがあるし、むしろヒエラルキーの高位の人間に可愛がってもらうという事がステータスだし、おかしなぐらいみんなテンションが上がっていた。
正直私がもしそういう立場になってたらその時の母は
私を差し出していたかもしれない…と思う程のめり込んでいたから。

昨今「ジャニーさんがグルーミングしてた」「卑劣」とか言うけれど
大人は沢山いたのにそれについて「おかしいぞ!!」って言えなくするような世界だったのだと思う。教団のアレコレ見てて思ったのは、教祖が悪いわけじゃなく
それを見て見ぬふりしていた大人が1番悪い。性的搾取や虐待は心が死ぬ。
何度も何度も見殺しにしてきたのは1番分別がないとダメな大人たちなんだ。
ジャニーズの問題はどうしてもジャニーさんだけの問題に思えないのは
自分の経験からである。



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