大学デビューとアサリの酒蒸し

話し相手がいないわけではなかったけど、クラスでは少し浮いていた。自分のことをそう感じる人は案外多いのかもしれません。

スクールカースト低めな私の高校生活は勉強漬けでした。自分でそう選択していたことなので、不満があるわけではありません。勉強も好きでしたしね。

でも、今思うと、中学高校時代に同級生と馴染めなかった自分の特性はずっと深く今も根を張っているように感じます。

まぁ、黙々と勉強していた甲斐もあり、それなりに希望の大学へと進学。その進学先で私は無事に(?)大学デビューを果たしました。

お化粧にも気を使い、流行りの服を買って、声がかかればすぐに飲み会にも飛んで行き……若さを撒き散らしながら、その場限りの楽しさに夢中になっていました。

と、いくら過去を振り返ったところで、お腹のたしにもなりゃしない。

日々の生活のために仕事をし、家事をこなし、明日に備えて早めに就寝。

でも、そんな現実的な日々を送っていると、ついつい、ふとした瞬間に学生時代の泡のような生活がちらつくんです。

昨日はスーパーでアサリを買って、砂抜きをしっかりやって晩御飯に酒蒸しを作りました。

火を通してお酒を加えても、一匹だけ頑なに口を開けないアサリがいて。きっともう死んでいたんでしょうね。

砂も吐けずにダメになっていたアサリ。成仏できない私の大学時代と一緒に、天国に行ってくれたらいいなぁとふと考えるなど。

すべての主婦が黙々と料理を作っていると考えるのは大間違い。こんな根暗な妄想をしながらフライパンを揺すっていることもあるんです。

明日はどんな料理を作ろうかな。

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