マスクという存在

皆さん、マスク被りたいと思いませんか?
正直、自作のマスクを何度か作ったことがあるぴょん吉です。

マスク被ったら視界が悪くなるし、呼吸がしにくくなるというのは有名な話で、タイガーマスクが初めて登場した時に作られたマスクはあまりの呼吸のしにくさにハサミで口を広げたし、獣神サンダーライガーのマスクも最初は前面が覆われてたのが、開口マスクに変わりましたしね。(ライガーさんは元々の永井豪原作のライガーが最初は覆われてるデザインだから仕方ないんですけど)

なんで戦うのに、苦しくなるマスク被ってんだって話じゃないですか。いやありますよ、悪の結社から逃れたため正体がバレてはいけないとか。それでも、名指しで平田呼ばわりされても、ついぞ引退する時もマスク被ったまま、奥さんへの感謝叫ぶとか色々あるわけですよ。

まぁ、最初にマスクを被り始めた諸々は各大陸で色々あると思うので、現代的な話をしていきましょう。

マスクマンといえば、やはりメキシコ。向こうでは、ルチャリブレと呼ばれています。毎日のように様々な場所で試合が行われ、選手によっては移動しながら一日三試合とかもザラのようです。またレスリングスクールも盛んで、アマチュアクラスやプロクラスなど自分のレベルに合わせて、本物のルチャドールからレッスンを受けることが出来ますし、ファイトマネー以外にもそういうところで稼ぎを得てる選手もいます。

じゃぁ、なぜマスクを被るのか。普段はそれ以外でお金を得てるマスクマンがいるからです!!

さっきまで会場の外で応援用のマスクやグッズを売ってたおじさんかマスク被って試合をするとかザラですし、さっき乗ってきたタクシー運転手さんがマスク被って試合とかもあります。数学教師がマスクを被ると、数字仮面になるとかもあります。

つまり、日常と非日常を分けるためのマスクなわけです。戦いやすいかどうかではなく、リングに上がる華やかなルチャドール、プロレスラーを演出するための術だと思ってください。

ザ・グレート・サスケはこれが素顔だって言ってた?あの人は恒之戦場というタイプなので、あれが素顔です。楽天の試合会場で見てもそっとしておいてあげてください!

ライガーはかつて、変身ヒーローに憧れていたからマスクマンになれて嬉しかったと話していました。日本人の感覚としては、仮面ライダーやウルトラマン、セーラームーンやプリキュアになれる感覚というのが一番近いのかもしれません。

つまり、ただ勝つことだけを目的とするなら、マスクに意味はないのかもしれないけど、リングの上の非日常と憧れの対象というエンターテイメントにおいて、マスクマンはプロレスの記号であると言えるのです。

マスクマンにとってマスクを剥がれることは屈辱だと言われています。負けたらマスクを脱がなければいけない、マスカラコントラマスカラというルールでは、マスクを剥がれた側が本名や出身、血縁関係まで明らかにされます。マスクは文字通り、その選手の顔であり、受け入れやすいキャラクターを表してるわけですから、それを剥がれると、マスクマンとしての人気を失う危険性もあるわけです。(脱いだら、めっちゃイケメンで王子みたいな人気が出るパターンも数年に一度ありますけど) 

メキシコでは、カベジェラコントラカベジェラというルールもあります。これは負けた側が髪の毛を切り、剃り上げなければいけないというルールです。別に野球部が悪さしたとかではなく、メキシコではかつて囚人はすべて髪の毛を剃り上げられ投獄されたという歴史があり、髪の毛を失うことは恥辱という意識が強い訳です。当然、マスクと髪の毛をかけた試合というのもあり、これは年間最大のビックマッチのメインの試合で行われたりする重要なルールになったりします。

マスクマンにとっては同じだけの意味合いを持つものということがお分かりいただけたでしょうか。

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