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アイドルこそ信用をお金に換える

少し視点の違う話を。まぁ、昨今の自己啓発本にありがちな「信用=お金」の話。あまりこの観点でアイドルというのを見ることはないと思うのだが、アイドルこそ信用をお金に換えるのではないかと考えてみる。

ライブが楽しい、顔がかわいい、愛想がいい、接触が出来る、好みの髪型である、いい匂いがする、期待を裏切らないetc………アイドルにおける信用というのは、そんなところではないだろうか。

今までの観点で言えば、ライブを見るのにチケットをお金で買うだったりとか、チェキを買う、グッズを買うというパフォーマンスや物質にお金を払っていた、ということになる。原価計算から利益率が出て、適正価格が導き出される。資本主義的な基本的な経済理念に基づくものである。

ライブに足を運ぶ、グッズを買うというのは、よくよく分解してみると、ただそれを物質的に欲しいから購入しているのではなく、そこにある付加価値としての信用に納得をしているから、お金と交換をしているのではないか。逆に言えば、離脱をしてしまう、購入してもらえない、見てもらえないというものは、信用を得てないからお金と交換をしてもらえてないのではないか、と考えたのだ。

 

では、信用を得るためには、何をすべきか。重要なポイントは『ギブし続けること』と『嘘をつかない』ことだ。今までの社会では、何かを得るためには同等の何かを与えていた、それをお金という共通の概念に置き換えることで異なる様々なものの価値と定義していたわけである。例えば、金の値段というのは相場が変動する。しかし、紙幣の価値は様々な経済状況により大きく変わる場合がある。お金をベースに、金の価値というものを定義しているわけである。だが、信用というのは、概念の話であり、ストレートにお金に交換出来るものではない。概念だからこそ、重要なポイントというのは、エモーショナルであることに帰結するといえる。


【ギブし続けることで何を得るか】

まず、"特異性信用"という概念がある。これはある集団が求める言動から、どの程度逸脱しても良いかという許容範囲になるが、例えば、何かを進言したとしても、特異性信用が高ければ受け入れてもらえる。これは、仲間や相手にどれだけ貢献してきたかで枠が広がっていくものである。

例えば、アイドルのグループ内であれば、ダンスが苦手な子に練習を付き合ってくれた子は彼女に対して特異性信用が高まっただろうし、このエピソードを聞いたファンも同じである。この価値を高めていく事で、自分が何かを求めた時に大きく返ってくるという概念となる。

次に”返報性の法則”という概念。簡単に言えば、人は何かを与えてもらうと、お返しをしようとする、というものである。例えば、グッズTシャツをもらったとしたら、次のライブの時にそのグループの時に着ていこうかなと思うなんていうものも、この概念だ。

ギブをする上で大事なことは、相手の想像を超えたギブをする、というところにある。ペンを持っていない相手にペンを渡すというギブは非常に小さい、というのは分かるだろう。物質の量、質が多かったり、高いというのも1つの価値観として相手の想像を超えるだろう。ここに工夫を加えるためには、相手がどんな人なのか、どんなものを求めているのか、というマーケティングが必要となるだろう。

【ギブとは何をするのか】

そもそもギブとは何をするのか、ということになる。自分が何か出来ることなんて何もないと思わずに見てほしい。

1.教える

最初にダンスの苦手な子に付き合ってあげる、と話したのはまさにこれ。知識はお金とは異なり、減ることがない。

歌ってる曲の歌詞解説をしたりするのだって、自分しか持っていない知識を披露することになる。ファンからすれば、それだけ楽曲の事を考えてくれているという信頼へと繋がるのだ。

2.申し出る

誰かが助けを求めていたり、困っている時に手伝いを申し出るというのも1つだ。

物販の際に他のグループが困っているのを見て、率先して列整理の声がけをする子なんていたら、他人のことを考えられる子なんだなと思うのではないだろうか。ライブ中に迷惑行為があったら、それを指摘出来るのはイベンターや借りてる劇場のスタッフからは信用を得れるはずだ。

3.発信する

今はどんな立場の人でも発信する事が出来る時代になった。自分がこうやってnoteを書いているのもそうだ。みんなが出来る簡単なギブということになる。

だからこそ、工夫したギブの必要がある。自撮りを載せるにしてもみんながやってることだからどんな工夫をするのか、ということが大きな信用に繋がっていく。

4.反応する

発信と同時に、それに反応するというのもギブだ。SHOWROOMなどでアイテムを送ってもらったものに対して名前を呼ぶなんていうのも、この1つと言えるだろう。

反応をしたことに喜んでもらって、さらに繋がっていく事の繰り返しが、どんどん信用へと繋がっていく事となる。


【嘘をつかない奴が信用を得る】

ギブに関する記事を見ると、この”嘘をつかない”という話で、SNSでプロモーション記事を書くことの嘘や、食べ物の感想など、様々な話が出てくる。

アイドルにおいて嘘をつかないというのは、メンバーの陰口を言うとか裏でヲタクと繋がってるのは言語道断だとして、思っている事をきちんと口に出すということは信用を得る上で非常に重要なのではないか。

例えば、歌が苦手であるということを口に出したとして、それを改善しようとする姿もまた信用となりえる、というわけだ。ここには様々な考え方があり、ネガティブな情報は出さずにポジティブな話題に対して誠実な反応をするという人もいる。ネガティブな情報を出し過ぎると、構ってほしい人に見えたり、そこを乗り越える姿勢が見えないとギブが出来ていないように見えるという状況も発生する。

 

【価値を積み重ねる→信用を得る=仲間を増やす】

つまり、言い換えるならば、ギブをしていったり、誠実な対応をしていくことで、自分の価値そのものを積み重ねていく、ということが信用を得るということへと繋がっていくことになる。

信用を得るというのは、言わば仲間を得るということであり、それはメンバーやスタッフだけではなく、ファンも巻き込んだ共同体という形になっていくのだ。

信用を得た仲間が例えばMVを作りたいと言った時に、今までなら様々な運営費などを集めて作成していたが、クラウドファンディングなどの方法も取りうるのが今の状況だ。

過去の事例で言えば、アイドキュレーションが無料配布CD作成のために50万円のファンドを始めたら、90人から250万円の資金を調達出来た。単純にグッズの売り上げだけを50万円利益から出そうとすると規模に酔ってはかなり大変だが、信用を得て仲間を増やす事でこういう大きなテイクへと繋がっていくという事になる。

 

これはアイドル本人だけではなく、運営においても同じことが言える。客であるファンから信用されているかもそうだし、メンバーから信用されているかも非常に重要である。アイドルビジネスを考えると、信用というものは常についてくるものだということを、今一度考えるべきなのではないだろうか。

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lods

アイドルノススメ ~分断の時代~

アイドル冬の時代からグループアイドルの時代、日本の音楽史の変遷の中でアイドルというものが確立されていきます。様々な視点からアイドルという事象を掘り下げます。
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