見出し画像

ずぶの日

今日は朝からえげつない暴風雨で、数日前に予約してしまっていた美容院に行く日でもあった。

出かける準備をしている時も家が強風で揺れており、既に心は折れている。
家出たくない〜
歩くの絶対しんどい〜
何着ていこう、濡れてもいい服…
んなもんねぇよ…
とりあえず全身黒で固めて被害を最小限に食い止める努力はした。

雨合羽なんて持ってないので、一応傘をさして出発!!
家を出て数歩、傘が「ダバッ!!!」と勇ましい雄叫びを上げて裏側にひっくり返った。
えぇ…早いて…
これは先が思いやられる。

最寄り駅までの10分間、暴風雨との戦いは続いた。
何とかこの風をモノにしてやろうと、傘の持ち手の先端を浅く握り、敢えて風に吹かれるまま傘を揺らしてやる作戦に出た。「これぞ柔よく剛を制すだ…!」と心の中で呟いた次の瞬間、
トラック「ブアァッッ」ズババッ
僕「ぶアッ!?」
膝から下がダメになった。

あああ〜〜〜もう…ホンマにもう…

しかし、強風に吹かれ続けた事による過剰なアドレナリン分泌によって、僕の足は怯むこと無く駅へと向かう。

今思い返すともうここで帰っても良かった気がする。
よく頑張ったよ。
今週末、出かける予定あるからね、今日を逃したら髪整えるタイミング無くなりそうって思ったんよね。
偉いと思うよ。

何とか歩き続けて駅に着き、目的の美容院がある駅までは無事到着した。

そこからまた10分ほど歩かねばならない。
駅を出て傘を差す。

傘「ダバッ!!!」

………………

僕は傘を閉じ、下を向いたまま走り出す。
幸いさっきよりも雨はおさまってきているので、走れば何とかずぶ濡れにならないと思った。

美容院に到着すると、カットをしてくれる担当の方はいつもの感じで「お荷物ロッカーにどうぞ」と僕を促す。

僕は「外大丈夫でしたか!?」みたいな心配の声掛けや、そこから何ターンかの会話を勝手にシミュレーションしてしまっていたが、その余りにもいつも通りな対応に、過剰分泌されたアドレナリンがサーっと薄れていくのを感じた。
僕はこの人のこういう接客をしてくれる所が気に入っている。

カットはあっという間に終わり、また外へ。

僕は予定を無事に終えた達成感から、傘は閉じたまま駅まで走った。
そして電車に乗って最寄り駅に到着すると、こちらは自宅を出た時よりも雨足が強くなっていた。
ああああ〜〜どうしよ〜〜
雨の勢い強すぎて景色が真っ白だわ

ここで諦めて全部濡れそぼってしまおう!とはならないのが僕のいい所。
今日はいつもの小さいカバンを肩に掛けていて、それを僕はかなり気に入っている。
これまでの道中は、風邪は強くとも雨はまだ許容範囲だった。
しかしこれは流石にあかん。逃れられん。
どんだけ走っても越えられない壁はある。
こんな雨の日にお気に入りのカバンなんか持っていくなよ。と、この日記を書いていて思うのだけど、僕の中でそれとこれとは話が別なんよ。
お出かけの日はなるべくこのカバンで行きたい!という僕の数少ないこだわりなんよ。
こういうややこしさをいくつも抱えて生きておる。

なので諦めて傘をさし、慎重に歩いて帰ることにした。
なんとか自宅まで来た。
自宅前は完全に道路が冠水してどこを踏んでも深い水溜まりになっていた。
こんなん強制負けイベントじゃん…
僕はしっかりとその水溜まりを踏みつけ、ようやく帰宅。

在宅ワークをしていたパートナーが心配してくれていた。
その後入ったお風呂まっっっじで気持ちよかった。

髪もちゃんと切れたし、トータルいい日だったかも( ・ㅂ・)و ̑̑

おわり〜

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?