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ビジネスモデル、数値化のススメ。

ビジネスモデルってなに?

みなさんが、普段使うビジネスモデルとは、プロダクトや商品・サービスの価値にどんな価格をつけて、商売・事業を成り立たせるか?を指すと思いますが、今現在私の提唱しているビジネスモデルはそうではありません。

より狭義に絞って、

売上 ー コスト = 利益

の構造を解像度を上げて、因数分解していき

客単価や、継続率(チャーンレート)、CACや変動原価率と言った要素を組み合わせて出来る方程式のことを”ビジネスモデル”と読んでいます。みなさんがKPIと呼んでいるモデルのことに近しいかもしれません。ここのところは後日追って解説します。

ビジネスモデル方程式の提唱始祖は、マイネット創業者の上原仁さんです。シンプルな中に本質が詰め込まれており、スタートアップに関わる皆さんの共有知になっていくといいなと思い、記事にさせていただいています。

所謂、KPIを設定することで生まれる誤謬。

多くの方々は、会社を経営していく上で予算を設定し、それに付随してKPIなどを設けている企業も多いと思います。ですが、そのKPI設定、本当に”意味のある”数字になっていますか?

これが、この記事で最も私の主張したいことです。

例えば、客数なんかをKPIにすることがよくあるケースだと思います。平均客単価1,000円の商品の売上を最大化したい。そんなときに、既存顧客数や新規顧客数なんかをKPI設定したりすると思います。

本当にこれ、正しいでしょうか?平均客単価は、1,000円でも顧客の内訳の解像度をあげたりしていくと実は5,000円以上の高単価客と数100円台の低単価客がいりまじっていたりなどします。その場合、5,000円以上の顧客を増やせれば、営業効率は同じコストを支払っていても5倍になりますし、雑にいえば利益も5倍になります。まずは、高単価客を追うべきでないでしょうか?

また、別のケースです。同じ客単価10万円の顧客でも、”定期購入契約”を結んで10万円いただいているお客様と、「定期購入契約を結んでいない」が毎月10万円いただく”継続発注のお客様”、どちらを増やすべきでしょうか?

そうです。

まさにこれがKPI設定することで生まれる誤謬です。特に、売上やスケーリングを追究するスタートアップでは、ついつい、売上拡大やアカウントの拡大に囚われて本質を見失ったKPIを設定してしまいがちになるのです。

ビジネスモデルで、バリュエーションが変わる。

私のいう、ビジネスモデルが見えているか見えていないかで大きく変わるのが、ビジネスのバリュエーションです。”えいや”の数字でバリュエーションされているのが、まだまだ多いのではないでしょうか。これは、スタートアップ側もVC側も、”なんとなく”バリュエーションがあるため、成立していることだと思います。

ですが、私はあえてこの風潮には否といいたいです。
なぜなら、再現性がないからです。
たまたまのラッキーパンチで上手くいった。
市場環境が良かったから。
色々理由はあるでしょう。

ですが、M&AやIPOなどではっきりと公開市場で評価されるタイミングになると、現実は市場によって企業価値評価は、”適正値”に収斂しているのが現実だと思います。なので、早い段階で、自社のビジネスモデル方程式を構築して、”根拠のある”数字の作り込みを学び、再現性高く価値の高いビジネスを構築できるエコシステムになったら良いと考えます。

もちろん、偶然は必要です。
ですが人間が努力しうるのは、必然の部分です。ビジネスモデル方程式を利用して、バリュエーションを導き出すと、過剰なバリュエーションによるリスクや、再現性の高いコントローラブル、(最近流行の言葉で言うとソリッド)なスタートアップを目指せます。事業計画、資金調達も、説得力の高い根拠がついてくることで劇的にスムーズになります。

現在、スタートアップエリアを代表されるような経営者の方は、軒並みこうした、数値化の能力が高いようにも思います。ラクスルの松本さん、LayerX福島さん・・・挙げれば枚挙に暇がないですが、経営科学が少しずつ進展してきた現代において、特段解像度高く数値化するをできることというのは非常に大事な要素になっているように思います。

諸先輩方の参考になる記事や動画あるのでご紹介します。

【本質】長期で稼げるビジネスモデルの自己診断の方法とは?

マイネット 会長の上原仁さん
元ネタ。ビジネスモデル方程式の因数分解まで語っていただいてます。
ピンポイントな動画。

福島良典(Layer X)さんの予実に関する記事。

こちらも、主旨は若干違いますが持っている概念は一緒だと感じます。解像度を上げて、「具体的に数値で」考えるが基本になっています。

自己紹介

1993年岐阜県生。アフリカ途上国からの帰国子女。立教大学経済科学部卒業後、大手商社に入社。投資業務、貿易業務、子会社のマネジメントを経験。現在、スタートアップ向けの経営アドバイザリに従事。シードラウンド以降企業の経営企画・KPIマネジメントを支援しています。お気軽にdm下さい!

株式会社Logic&Company
CEO 鈴木大雪
X(Twitter):@daisetsuuu


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