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女優・小野莉奈「ダークヒーローのような嫌われる役にも挑戦してみたい」

#10 小野莉奈(後編)

旬まっ盛りな女優やタレントにアプローチする連載『focus on!ネクストガール』

小野莉奈(おの・りな)。事務所オーディションを経て、ドラマ『セシルのもくろみ』(フジテレビ/2017年)のスピンオフドラマ『セシルボーイズ』(フジテレビ/同年)で女優デビュー。その後、ドラマ『中学聖日記』(TBS/2018年)、映画『アンナとアンリの影送り』(2019年)などへ出演を重ね、話題を集めた高校演劇のリメイク作品『アルプススタンドのはしの方』では初舞台(2019年)を踏むとともに、同作の映画(2020年)への出演も果たした。記憶に新しいところでは、大河ドラマ『青天を衝け』(NHK/2021年)にて渋沢栄一の娘「うた」役を好演、現在はドラマ『部長と社畜の恋はもどかしい』(テレビ東京/2022年)へ出演している。“女優”としての歩みを中心に話を伺った「前編」、この「後編」では、プライベートを含めた“素”の彼女にフォーカスしてみた。

【前編】

YOASOBI・ikuraとの共演は夢のような時間だった

──たぶん今まですごく聞かれていると思うんですけど……同級生だったYOASOBIのikuraさんと、女優になりたいという話をしたりしていましたか?

小野 そうですね、話したりはしていました。

──ikuraさんと最初に会ったときのことは覚えています?

小野 中学校でクラスが一緒になって、中3のときかな? いつもふたりで行動していたという時期があったんです。そこでいろいろと話した記憶はありますね。

──ikuraさんの、音楽をやりたいというような話を聞いたりも……。

小野 はい。もともと彼女のほうが、私よりも先に(音楽)活動をしていたので。

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──YOASOBIが世に出てきたのを見て、どうでしたか?

小野 すごくがんばっている姿もずっと見てきたので、私もがんばらなきゃという気持ちになりました。

──実際に、YOASOBIの楽曲がテーマソングになっている映画『たぶん』(2020年)では、小野さんが役を演じたりも……。

小野 そうですね。でも「いつか一緒にお仕事できたらいいね」とも言っていたので(『たぶん』の撮影は)現実なのに、あり得ないくらい夢みたいな時間だったなと思います。

──同級生の、一方はミュージシャンとしてデビューをして、もう一方は女優としてデビューするというのはなかなかないですよね。

小野 そうですね。

自分にないものを持っている役を演じるのは楽しい

──最新のドラマ『部長と社畜の恋はもどかしい』について、お聞きします。小野さんは、中村ゆりかさんの、会社での後輩「三森さとみ」役を演じていますが、実際に演じてみてどうですか?

小野 OLという役は初めてなんです。今までは学生役が多かったので、役で自分の年齢をちょっと感じたというか。私も、もう大人の役をやるようになったんだという気持ちになって。役自体は、うらやましいなと思いながら演じていました。

──その場合のうらやましいは……。

小野 (私生活では“推し活”をしながら働いているという)役に対していいなって。自分じゃない人を応援しながら、それを生きがいに仕事をできるというのが。

──なるほど。

小野 すごくいいなって思う。なんだかすごく生き生きしていて。自分にはない何かを、この役のコは持っているのがいいなと思いながら、演じていましたね。

「雑誌を見るときも、必ずうしろにある占いのページを確認しちゃいます」

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──“推し活”がうらやましいということですが、小野さん自身、最近ハマっていることはないんですか?

小野 あー! ハマっていることか。そうだなあ……なんだろう。

──好きなもの。逆に嫌いなものでもいいですけど……(笑)。

小野 ちょっと待ってくださいね、いっぱいあるので(笑)。えー……「占い」! これはね、行きたいんです。すごく行きたいんだけど、家族に「占いに行ってきたんだ」と言うと心配されるんですよ(笑)。

以前は3カ月に1回くらい行っていたんですけど、当たりすぎてすごく興奮して、家族に占いに行ってきたことを話しちゃうんです。そうすると心配される……「大丈夫?」って言われるんですけど(笑)。単純にすごく好きなだけで。知らない人に自分のことを話すのも楽しいし、わからないけど、もしかしたら当たるかもしれないという未来の予想図を聞くのもすごく楽しい。

そういうときって、自分に都合のいいことしか回収していないから。だからすごく楽しいし、そのときの1時間って、本当に10分くらいに感じるんですよ。もうすっごく落ち込んだときは占いに行っちゃいます。助けを求めるというよりはアイデアをいただくというか。その感覚に近いのかな? 解決策というか。

──占いって、いろいろな占いがあるじゃないですか。占い師さんによっても違うと思うんですけど……。

小野 全部好きです! 占い番組があるじゃないですか。あれ、本当におもしろそうだなって。いつかゲッターズ飯田さんに占っていただきたいなと……というか今、占っていただきたいなと(笑)。本当に好きですね。人の占いを見るのも好きなんですよ。雑誌を見るときも、必ずうしろにある占いのページを確認しちゃいます。

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──ということは『突然ですが占ってもいいですか?』(フジテレビ)へも、いつか……。

小野 (笑)。でも公開されているとちょっと恥ずかしいですよね。当てられたときとか、全部が顔に出ちゃうから。

──『突然ですが占ってもいいですか?』に出演している占い師の星ひとみさん、いらっしゃるじゃないですか、僕も視てもらったことがあるんですけど、めちゃめちゃ当たりますよ。

小野 まじっすか!

──もう驚くほど当たりますよ。

(※このあと、小1時間、占いと占い師さんについての具体的なトークが、テンション高く繰り広げられ……)

──占いは、カウンセリングみたいなものですよね。

小野 そうなんですよ、楽しいんです、普通に。

──それを、今後の演技に活かせたら……占い師の役とか、あれば。

小野 それもいいですけど(笑)。普通に会いたいです、占い師さんに。

──きっといつかは、当たる占い師さんに……(笑)。

狂気的な役にも挑戦してみたい

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──ちょっと占いからは離れますが、今、憧れている女優さん、目標にしている役者さんはいますか?

小野 (目標になる)役者さんは本当にいっぱいいすぎて……各現場でやっぱり皆さんすごいなって思っちゃうんですよ。毎回、劣等感を感じるくらい……なんだろう? 憧れというよりは、ちょっと自分の実力の足りなさにショックを受けるくらいの感覚なんですよね。だから、あまりそういうことは考えないようにしていて。あと、ジャンルは違うんですけど、すごい!と感じた監督さんはいますね。

──どなたですか?

小野 大河ドラマで演出していただいた黒崎博監督です。人としても、仕事の向き合い方にしても、すごく尊敬していて、こういう熱量を持った人に私もなりたいと心から思った方で。

──もしかすると、小野さん自身、将来作り手側の方にも興味が出てきそうな感じもしますね。

小野 どうですかね……でも作品じゃなくても、わりと自分で作るという工程が好きなので。絵を描くとか、黙々とやる作業は好きですね。

──最後に、今後やってみたい役はあります? OL役のオファーを受けて初めて、そんな年齢になったのか……と、さっき言っていましたけど。

小野 なんか狂気的な役がやりたいです……なんだろう? 何かに取り憑かれているとか、私がそういう作品に出て、視聴者の方が私のことをバラエティで観たときに「あっ、怖い」って思わせるぐらいの役。嫌われてもいいから、人の感じる「怖い」とか、そういう印象に残る役をやってみたいですね。すごくヒステリックな役とか、物を投げつけるとか、急に壁に穴を開け始めるとか……。

──それ、見てみたいですね。

小野 たとえば挑戦的ではあるけど、ヒーローとは逆の、ダークな。そんな嫌われる役もやってみたいです。楽しいなだろうなと思います(笑)。

取材・文=鈴木さちひろ 撮影=時永大吾 ヘアメイク=寺沢ルミ 編集=龍見咲希、中野 潤

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小野莉奈(おの・りな)
2000年5月8日生まれ。東京都出身。スピンオフドラマ『セシルボーイズ』(フジテレビ/2017年)で女優デビュー。その後、ドラマ『中学聖日記』(TBS/2018年)、『コントが始まる』(日本テレビ/2021年)などへ出演を重ね、話題となった高校演劇のリメイク作品『アルプススタンドのはしの方』では初舞台(2019年)を踏むとともに、同作の映画(2020年)への出演も果たす。映画『POP!』(2021年)で、『MOOSIC LAB[JOINT]2020-2021』最優秀主演女優賞を受賞。OL役を演じているドラマ『部長と社畜の恋はもどかしい』(テレビ東京/2022年)が現在、放送中。

▼「占い」の話になったとたん、一気に目が輝き出した小野さんは、「メッチャ当たる占いありますか?」「ズバズバ言うみたいな感じですか?」「ええええ、めっちゃ行きたい!」と、しばらくの間、事細かに聞き出そうとするインタビュアーモードに。