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既読をつけたら君との楽しかった時間が終わりそうで

君と一緒に過ごした日の夜。

寝ようとしたところで、君からのLINEがきた。

通知画面でメッセージを読む。

前のメッセージへのただの返答だった。

既読を付けてもよかった。


既読を付けてもよかったし、適当なスタンプを送ってもよかったかもしれない。

まさか、ここから新たな話を始めるのは流石に迷惑だ。私も寝落ちしてしまうかもしれない。挨拶程度の返信でもしたらいいんだろうな。

話の本編は終わっているから、ここで既読を付けても、「既読無視」のような感じにはならない。きっと、既読を付けても、君は怒ったりはしない。寝たんだな、と思うだけだろうな。


しかし、既読を付けたくもなかった。

既読をつけたら君との楽しかった時間が終わりそうで、

翌日までこの想いを持ち越したくなった。


結局、既読は付けず、LINEを開くことはせずに、朝を迎えた。

「おはよう!」

と返信する。昨日のことと「今日も良い一日になるといいね」を添えて。


勘違いかもしれないが、君とまだつながっている気がした。


朝の支度をしていると、君からの返信がくる。

「おはよう!」


嫌いな朝も好きになれそうだった。


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