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#ロゴススタジオ まとめ

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#ロゴススタジオ がついた記事や、その他作詞に関する内容の記事をまとめています。
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#言葉

作詞解説短期連載 第五回 SHE IS SUMMER「待ち合わせは君のいる神泉で」

SHE IS SUMMER「待ち合わせは君のいる神泉で」 作詞:ヤマモトショウ 作曲・編曲:ひろせひろせ  SHE IS SUMMERとの縁は深い。ふぇのたすとして僕と一緒にバンドをやっていたMICOのソロプロジェクトなのだから、それはまあ当たり前だろうという気もするが、デビュー曲である「とびきりのおしゃれして別れ話を」など、ところどころ一緒に作詞をしていたりこの数年の彼女のソロ活動をずっと見てきた。  ところで、この「待ち合わせは君のいる神泉で」という楽曲は、そのなかで生

作詞解説短期連載 第四回 寺嶋由芙「ぜんぜん」

寺嶋由芙「ぜんぜん」 作詞・作曲:ヤマモトショウ  編曲:rionos  世の中にある歌詞やタイトルの分析をするのが好きだ。作詞家なのだからまあ当たり前のことだと思うかもしれないのだけれど、例えば「タイトル」の単語や文章が歌詞の中でどの部分に出てくるのか、という点で曲を分類するのがなかなか面白い。  定番はやはり、サビの頭とか、サビのおわりだろうか。前回テーマにした拙作「メイクキュート」もサビの最初に「メイクキュート」と言っている。日本のシングル売上歴代トップ30あた

作詞解説短期連載 第三回 MINT mate box「メイクキュート」

MINT mate box「メイクキュート」 作詞・作曲・編曲:ヤマモトショウ  歌詞解説連載、三曲目はMINT mate boxの「メイクキュート」。MINT mate boxとの関わりは、僕がサウンドプロデューサということなのだが、プロデューサというのも実に色々な関わり方がある名称である。一言口だけ出してもプロデューサーだし、楽曲の作詞・作曲・アレンジや演奏などを行なっている場合もある。MINT mate boxの場合は、僕は考えうる限りのサウンドプロデューサ業のほとん

作詞解説短期連載 第二回 ふぇのたす「かわいいだけじゃダメみたい」

ふぇのたす「かわいいだけじゃダメみたい」 作詞・作曲・編曲:ヤマモトショウ  ふぇのたすのデビュー盤「2013ねん、なつ」に収録されている楽曲。当時、この楽曲はリード曲というわけではなかったが(僕自身はこの曲がリードでもいいのではないかと思っていた)、その後紆余曲折あって、解散した今ではYoutubeでの再生数や、コメント数がいまだに伸び続けている曲になっている。    つくった当時のことを少し振りかえってみる。今回はあくまで作詞の解説なのだが、この曲は作詞・作曲・編曲と

作詞解説短期連載 第一回 フィロソフィーのダンス「シスター」

フィロソフィーのダンス「シスター」 作詞:ヤマモトショウ 作曲・編曲:宮野弦士 (ちなみに「シスター」の歌詞はこちらのYoutube動画の本文でご覧頂けます)  フィロソフィーのダンスの現時点での最新曲「シスター」、これまでと同様に作詞は僕、作曲と編曲を宮野弦士という組み合わせで、これもフィロのスの曲ではもっともよくあることだが、宮野くんの仮歌入りのデモ(この時点では歌詞は入っていない)がまず僕のところに届いた。音色はともかく、アレンジの方向性もかなり見えていたデモだった

1/24 トークイベントの質問と答え

1/24 #ロゴススタジオトークイベントにご来場いただきありがとうございました。 当日の質問の中から時間内に答えられなかったものの中からピックアップしてお答えします。 Q.歌詞をかいている途中で感じていることが変化してきたとき、元の考えとどちらを優先しますか? A.「感じていること」を歌詞にするだけではないので、変化したら変化したことそれ自体を書きます。でもほとんど変化しないです。こういうことを書こう、と決めて書き始めるまでが長いのでその変化がおきないようなテーマを選ん

11/21 #ロゴススタジオ 作詞ワークショップ

次回の #ロゴススタジオ ワークショップは11/21に開催します。 内容はみなさんに提出していただいた詞の講評です。 作詞課題についてはこちらの記事からどうぞ。 提出されない方でも、参加は可能です。 参加申し込みはこちらから https://peatix.com/event/1360485/view

#ロゴススタジオ 作詞ワークショップ2/22,3/19について

#ロゴススタジオ 作詞ワークショップ 第4回、第5回のお知らせです。 今回は2回連続での内容となりますので、お時間がある方はぜひ連続でご参加下さい。 これまでいくつかの内容で議論してきましたが、ついに今回は「実際の作詞」をしていただきます。 しかも、ヤマモトショウがプロデュースしている現在活動中の実際のアーティストの楽曲として制作します。クオリティの高いものはリリース、ライブでの披露などそのアーティストの楽曲として使用させていただくことになります。 作詞とは何か、という

歌詞とタイトルの関連について

1/23の #ロゴススタジオ 作詞ワークショップのテーマである「歌詞とタイトル」に関して、論点になりそうなものをまとめています。ワークショップに参加される方はもちろん、作詞に興味のある方はぜひ読んでみてください。 さてではまず歌詞に対して、「タイトル」がどのような立ち位置にあるのか、で場合分けをしてみましょう。 「導入型」 このあと書かれるべき歌詞がタイトルの「説明」になっているというパターンです。タイトルは語られるべきことに対する導入部分ということになり、「おそらくこう

音楽プロデューサとして振り返る2018年

2018年も音楽プロデューサとして、様々なアーティスト、楽曲に関わることができました。 ところでnoteでは「#ロゴススタジオ」として「言葉から音楽を考える」というテーマがあるので、それに即していえば「音楽プロデューサ」というのは実に内容が不明瞭な仕事です。僕もこの名前で、色々な仕事をしていますが(僕の仕事は音楽プロデューサだけではありませんが、重要なひとつだとは思います)、同じように音楽プロデューサと名乗っていても、案件ごとにやっていることは随分違うように思います。僕1人の

#ロゴススタジオ として振り返る2018年

#ロゴススタジオ 言葉から音楽を考える場として2018年夏頃にこのnoteを舞台にスタートしました。去年くらいから、高校生とワークショップをやったり、また作詞についての話をいくつかの媒体でしたり、また若い(僕もまだ作詞家としてのキャリアはじめたばかりですが)ミュージシャンからも色々と聞かれるようになり、単純に僕のスキルをお話するだけではなくみんなで作詞について議論しながら、現代の作詞家像をつくっていくことができたらいいなと考えはじめていました。 いわゆる「オンラインサロン」

フィロソフィーのダンス「ヒューリスティック・シティ」

Twitterでも書いた通り、この曲を解釈するポイントは 「思い出の不可逆性」「平成のおわり」「自動運転の街」 です。 曲調やリリース時期から、「別れ」をテーマにした曲にしたい、という話が最初にあがりました。概ね、曲のオーダーというのはこの程度の内容なのでそれ以上は作詞家の領分です(もちろん、内容がかなり細かく指定されるようなタイアップものなども存在します) さて、別れといえばマイナスなイメージもあります、そしてそれは「想定外」のものとしてやってくるものとして描かれが

MINT mate box 「beside」(全5曲)

MiNT mate boxの2018年2月にリリースしたミニアルバム「beside」収録の、全5曲を作詞しています。(全楽曲の「作曲」「編曲」もしています) アルバムタイトル「beside」はメンバーが決めたもので、もちろん楽曲はそのコンセプトのもとに作られたものではないので、コンセプトアルバムではありません。 収録曲は 「メイクキュート」「青春っていつも何かがたりない」「ラブラブファイヤー」「ストリート」「アシンメトリー」 でした。 「メイクキュート」についてはこ

メリーゴーラウンドがまわせない

先日の #ロゴススタジオ 作詞ワークショップではかなり多くの話題が出ました。 この日のテーマは、「替え歌」であり、その題材として 岡本真夜さんの「TOMMORROW」という楽曲を話題に出しました。 冒頭サビの一行目 「涙の数だけ強くなれるよ」 これを変更できるかどうか、という話です。 「替え歌」に関しては様々な意見がでて、それ自体も面白かったのですが(該当記事があるのでそちらを見てみてください) やはり、この冒頭以上のフレーズはないのではないか、という文脈で僕はこの