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男性の格好がしたい想いが抑えられなくなっていった私は、当時付き合ってた人と一緒に、紳士物のネクタイを買いに行きました。
いくつか選び、黒ネクタイを試着してみました。

結び方は全くわからなかったので、店員さんにしてもらいました。
ネクタイをした瞬間、言葉を超えた安心感が私の心を包みました。

守られている安心感、包み込まれている実感。
当時、白のYシャツと黒ズボンを着ていたからか、安心感は2倍3倍になりました。
Yシャツに黒ネクタイ、黒ズボンをした格好をした私を見て、パートナーは『あること』を直感で感じたそうです。それは「私が気になっている相手(アーティスト)と恰好が同じ・雰囲気が同じ」というものでした。
パートナーの直感は侮れないものでした。

男性の格好がしたい思いは満たされました。
残りは“パートナー”との今後”でした。

当時のパートナーは40代半ばで元アーティスト(絵描き・漫画家)でした。
マイノリティ属性が多い方で、パワーストーン・神社仏閣・自然をこよなく愛する人でした。
当時、パートナーのことは大好きでした。その人の過去も含めて支えたいと思っていました。
しかし、おつきあいを続けていた中で少しずつ“違和感”が芽生え始めていました。
スピリチュアルなところに傾倒しているのが分かり、どう接したらいいのかわからなくなってしまったのです。お相手もお相手で、「私が抱える障害(発達障がい)に対してどのように接したらいいのか分からなくなってしまっていたようです。
お互い、お互いが大事にしたいことになると衝突してしまう。
「衝突をしたくないパートナー」と「衝突してもいいから分かり合いたい姿勢」の当時の私は分かり合おうとする度に傷ついていきました。

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