シロワタドリ

シロワタドリノキの花の種子。全長十センチ程度の鳥のかたちになり、ポプラの種子に似た綿毛の羽で飛びたつ。クチバシはガクの変形であり、声はない。聴覚もない。銀色の眼紋はあるが視覚器官ではなく、視覚もない。たいへん軽く、全身がまっしろな柔毛に覆われている。着地すると動かなくなり、やがて湿り、綿毛を縮ませ、かたちをなくしてしまう。季節風に乗り、飛びたって一帯を白くそめる様子は春先の風物詩となっている。

色違いで、ウスベニワタドリやムラサキワタドリなどもいる。

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