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元摂食障害患者が思う、“完全食”に見る寂しさ。

最近はやりの完全食。この記事では、元々食べることにストレスを感じていた私がふと思う、完全食に対する意見を書いてみたいと思います。
結論、これさえ食べればOK!な食事はちょっこし寂しい。
自分の体と心が欲しがるものを、自分で選んで食べる食事をなるべくしたいなあ…というお話です。

完全食に保障されたら、それだけで“大丈夫”なの?

最近、各所で完全食というコンセプトを見つけます。

日清食品 All-in-pasta とか、
BASE FOOD とか。

忙しい人も、1日に必要なビタミン、ミネラルを含む様々な栄養素の多くを一食で簡単に摂取できる。
まさに“あったらいいのに”を実現した画期的な商品。私も上記2つは既に購入してお世話になってます。ありがたや。
でも、「これだけ食べればOK」のコンセプトに、少し危機感を感じることもあるのです。

昔私は、ダイエットから始まった摂食障害の中で、「自分は何をどのタイミングでどれだけ食べれば、痩せたまま健康でいられるのか?」を常に考えストレスを感じてました。しかも、結果として誤った情報に捕らわれて、うまく栄養が取れなくなってしまった身です。
なので、「これだけ食べていれば大丈夫だよ!」と誰か教えてくれ~って、その当時は常に思ってました。摂食障害真っただ中の時は、そんな栄養もカロリーも“大丈夫”と保障された対外的なアドバイスを求めていました。

でもねえ、治りかけてる今は「これを食べれば十分だよ!」と言ってもらいたくない、と思うのですよ。

なぜなら、体が欲しがるものと心が欲しがるものは、動物である以上本来的には連動しているはずで、そうあってほしいなと思うから

お肉しばらく食べてなかったら食べたいな、と思う。
人間がその季節に不足しがちな栄養を持っているから、旬の野菜は特に美味しいな、と感じる。
そういう気持ちで自分が食べたいものを、気張らず選んで、体も喜ぶ、って自然と一連の流れが出来ることが一番幸せだよな、と思うから。

もちろん忙しくて菓子パンだけでランチを済ませ、夜もおにぎりとお菓子だけ、なんて日もあります。
そういう時は 完全食様ー!!(拝) ってなるんだけど、
完全食パスタや完全食パンをもっさもっさ食べているとき、ふと昔の自分を思い出すんですよね。
「これだけ食べてれば安心なはず」に捕らわれていて、
自分の心と体が何を食べたいって言ってるか?耳を傾けることを放棄した、思考停止状態だった私。

そんな自分を思い出して、
「明日は、これだけ食べてれば大丈夫、ではなくて
何となくでもいいから、自分が選んだこれとこれとこれを入れた食事を食べたいな」

と思うのです。

完全食が、忙しくて栄養がうまく取れない人の助けになって、もっともっと健康的で元気な人が増えたらいいな、と思う。
でもその反面、食事が簡易化・パッケージ化され  過ぎちゃったら  寂しいな、と思う。

簡単にしたい気持ちと、楽しさを保ちたい気持ちのせめぎあい by 現代人

これって多分、いろんな現代の発明にも通ずるところがあると思うのです。
例えば、自動運転をどれだけの人が受け入れるか?

①便利だし、簡単だから、自動運転を取り入れたほうがいい。
②運転の楽しみがなくなっちゃうのは悲しいから、自分の手で運転できる余地を残したい。
⇒じゃあ、“楽しさを求める運転=友達や家族とのドライブ”と、“別に楽しくなくていい運転=一人で乗るタクシー”を分ければ良くない?

なんて議論と同じように、

①手軽に、迷わずに、確実に栄養を摂りたい。
②食事の楽しみがなくなっちゃうのは悲しいから、自分の手で食事を選ぶ・作る余地を残したい。
⇒じゃあ、“楽しさを求める食事=友達や家族との食事”と、“別に楽しくなくていい食事=一人で済ませるオフィスランチ”を分ければ良くない?
ってなる。

これはいたって自然な発想なんだけど、これが一部極端化して、
⇒じゃあ、全部「これだけやってれば大丈夫」なものに統一すればいい。
となってしまうこともある、よね。

今摂食障害や、食事に対するストレスに接している人たちが、この極端な選択肢を取って、食事から楽しさを全部排除しちゃったとしたら、それはちょっこしやっぱり寂しいです。

そうならないためにも、消費者側は自分の食事を大切にしなくちゃいけないし、企業側も、マーケティングを工夫して、変な栄養神話を作らないアクションが必要なのかな、とも思ったりします。

プロポーズで「俺さえいれば万事順調!オールオッケー!」って言われるよりも、「俺もお前のこと支えるから、一緒に頑張ろうな」って言われたほうが長期的になんか安心できるよね。(少なくとも私はそう)

同じように、「これだけ食べてれば大丈夫!」ではなく、「食事における栄養部分は完全食でサポートできるんで、心の栄養部分も大切にね」というマーケティングを企業からも発信してほしいなあ、なんて思ったり。します。

まとめ

これさえ食べればOK!は寂しい。
自分の体と心が欲しがるものを、自分で選んで食べるのは楽しい。

そう思えるように、上手に完全食を取り入れたいなあ。と思います。

ちなみに、私が最近ハマっているのはBASE Food

パン好きスープ好きの私としては、BASE Breadは非常に非常に画期的な商品なので、これからもオフィスの一人ランチのお供として末永くお付き合いする所存です!!(笑)

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