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『私とこわれた吸血鬼』が大好きです!【ネタバレあり】

「女児アニメ研究家(になりたい)」なんて言いながらティーンズ向け漫画を語ります!笑 吸血鬼ものは漫画やアニメ、映画と形式を問わず大好きでいろいろとみているですが、かなりハマっている作品です。

(ヘッダーは掲載元の無料マンガアプリ「パルシィ」のバナーからです。)

以下のキーワードに少しでも関心がある方ならぜひ読んでみて欲しいです!

精神的、身体的共依存・(ちょい)エログロ・ヤンデレ・溺愛・ピュア・被虐願望・お姫様願望

溺愛とピュアが並ぶのがポイントですね!

あらすじ

「親が蒸発して、弟と妹と3人、必死に暮らしてきた女子大生の樹。そんな彼女が突然身の回りの世話をすることになったのは、吸血鬼であることから虐待を受け続けてきた初恋の人「ようちゃん」だった。「いつきちゃん、僕のお姫様になってくれるんでしょう」。食事は口移し!? 恋人すらいたことないのに……。貧乏JDと吸血鬼の倒錯ホラーお世話生活スタート!」

著者紹介

著:厘の ミキ(リンノ ミキ)
『冥界落語』『光』『美しい人々と美しくない東雲くん』(一迅社)、『鬼舞』(原作/瀬川 貴次、集英社)、『骸シャンデリア』『ミザントロープな彼女』(講談社)など

https://kc.kodansha.co.jp/title?code=1000037624  より引用。)

作品の掲載元はこちらです↓

毎日朝7時と夜7時にそれぞれ4枚、無料チケットが配布されます!現在、『私とこわれた吸血鬼』は1話-3までとおまけが無料で、それ以外は上記の無料チケットを消費して最新話まで読めちゃいます!

1・2巻が電子と紙で特典違い(おまけマンガの内容が違います)で発売中なので単行本派の方もぜひ!

登場人物

山景樹(やまかげいつき)•••22歳の女子大学生。親は蒸発し、血の繋がらない弟・妹と生活をしています。生計を立てるためアルバイトに奔走しているのですが、家政婦としての働き先はなんと初恋のようちゃん。思いがけない再会を果たします。

本記事では「いつきちゃん」と呼びます。

雨森夜毎(あめもりよごと)•••20歳。製薬会社を営む家系の子で吸血鬼。幼少期にいつきちゃんと出会ったのち、不老の妙薬として高値で売られるために血を抜かれ!10年以上を屋敷の地下牢で監禁されていました。

本記事では「ようちゃん」と呼びます。

搾取される吸血鬼

ようちゃんは製薬会社を営む雨森家の御曹司で、一族に稀に生まれるという吸血鬼です。そして、吸血鬼の血液は不老の薬として高値で取引されるので、吸血鬼の子はその血を得るために一生監禁されて血を抜かれ続けます。ようちゃんといつきちゃんの再会場面においても、ようちゃんは地下牢の中で手足を鎖で繋げられ、身体には点滴のために至る所にカテーテルが埋め込まれているという痛々しい姿をしています。ようちゃんはそのような生い立ちや生育環境のためか、自分の身体を傷付けることを躊躇しないところがあり、いつきちゃんにはとっても甘えん坊です。

まずこの設定が個性的で大好きです!吸血鬼というと、人間を凌駕する力を持つ者とされて人間とは一線を画されたり、人間を支配する特権階級とされたり、と搾取する側であることが多くあります。吸血行為においても、吸血鬼の唾液に催淫作用があるために、被吸血者を身体的に依存させられることでの優位性もあります。

したがって、ようちゃんは人間の血を奪う支配者と奪われる被支配者と、両方の役を担うことになります。また、血への渇望という本能と凄惨な生い立ちによる孤独は、溺愛をかなり重いものにしているのではないかなと思います。この、吸血鬼としての二面性と溺愛の2点がとても好きなところです。

吸血行為に伴う苦しみ

本作においても吸血行為に催淫作用があります。そのため、いつきちゃんは身体的に依存していかざるをえないのですが、一方でようちゃんがいつきちゃんの血に依存することも重く描かれます。ようちゃんの食事については、吸血鬼にとって人間の血は依存性が高いということで、人工血液が用いられています。人間を吸血した場合には、血を吸った人物に依存し、その状態は人間でいう薬物依存に近いと説明されています。ようちゃんは監禁されて血を抜き取られていたとしても、日に当たる場所で生活しようとも、苦しみがあり続けます。

吸血鬼という特殊性がマイナスになるというのがすごく面白いと思いました。こうした残酷な生い立ちと吸血行為への苦しみが刺さる人はいるのではないでしょうか…こういったようちゃんの痛々しい姿は、ぜひぜひ漫画で楽しんでください!

2人を生かす幼少期の思い出

このような生い立ちのようちゃんとネグレクト家庭で育ったいつきちゃんにとって、お互いが生きる上での一縷の望みでした。2人が幼い頃、両親に自宅に置いてけぼりにされてお腹を空かせていたいつきちゃんの前に、ようちゃんが現れます。ようちゃんはお上品で美しくて、自分だけを見ていてくれる、まさに「王子様」でした。

ようちゃんにとっても大切な思い出で、いつきちゃんと会えなくなったのちも、お城のようなお屋敷の地下牢でずっといつきちゃんに想いを寄せていました。ようちゃんはバラの棘で怪我をした樹ちゃんの指を舐めて血の味を知ったので、すでにいつきちゃんの血への渇望があったと考えられます。その抗えない欲望が、2人の淡い恋を掻き乱すので、ようちゃんが吸血鬼であることはやはり物語の重要な要素です。

そんな孤独を抱えたいつきちゃんにとってはようちゃんが美しい「王子様」であること、ようちゃんは自分が「王子様」であっていつきちゃんという「お姫様」がそばにいてくれること、これが一番の望みです。

「いつきちゃん、僕のお姫様になってくれるんでしょう」

これだけ、純粋で切実な「お姫様」という縛りはようちゃんにしか生み出せないと思われて大好きな言葉です。

今後の展開

現在も、無料マンガアプリ「パルシィ」にて連載中で、毎週水曜日に更新です!

ようちゃんはもう完全にいつきちゃんの血に中毒状態で、いつきちゃんも催淫作用により依存状態です。着実に血生臭く!そしてエロく!なっています!!

さらに、弟の藤はいつきちゃんへ恋心を行動に移し、とっても入り組んできています…

当初告げられたいつきちゃんの家政婦としての役目は、家督を継ぐことになったようちゃんを人間らしくさせることでしたが、果たしてそれは叶うのでしょうか。

厘の先生曰く、「まだまだプラトニックな関係」らしいです…これ以上どのように過激な描写が増えるのか、とても楽しみです!!

ゆるい感想 〜ようちゃんがかわいすぎる〜

ようちゃんが大好きなので、これまでようちゃん寄りな視点で書いてきてしまいました笑 懲りずに、最後にようちゃんのかわいいところをあげます笑

ようちゃんはなんの躊躇いもなく自身を傷つけたり、本能のままに吸血した結果、血塗れになっていたり…本作はちょいエログロなところが印象に残りますが、対照的にようちゃんのシーンはかわいい音が多いということも触れたいです!

例えば、いつきちゃんに縋り付くように抱きついている場面は「ふんふん」や「すんすん」、いつきちゃんから口移しで食事をする際は「きゅぴきゅぴ」という表現があって、とにかくかわいいです。ぜひ、音の表現も気にしてみてください!


「吸血鬼という異形の特権性と、マイノリティとしての排他」「無垢ゆえの執着」といった、対照的といえる特徴を併せ持っている要素が多いから本作は不安定で面白いのかな、なんて考えています。

また違う視点で書くかもしれないです。

とりあえず本記事はここまで!最後までお読みいただきありがとうございました!

#私吸  これからも楽しみです!!




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