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人 間 の 視 野 と レ ン ズ の 画 角

昨日投稿した自分の画像記事コメント欄に
人間の視野とカメラのレンズ画角についてボクの認識を書き込みました。
文章化に際し、多少は裏付けとなる情報が必要と判断し
ネット検索したところ
余りにも驚くべき検索結果だっため
急遽、限界数500文字分の文章を追加しました。

とは言えコメント欄まで読んでいただける方は少いでしょう…
そこで独立した1つのテキスト記事として
新たに投稿することにしました。

人間の視野、視界の角度はとても広く
標準と称される50mmレンズのもつ視野の角度とは
まったく異なるものなのです。

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ほ と ん ど が 誤 解 し て い る

昨日、ボクの投稿した記事の中に広角のレンズについて「視野に近い画角」と書かせていただきました。広角レンズが1本あれば色々と賄えるという内容で、画像記事のキャプションの1つとして記したものです。画像メインの記事なので文章的にはサラリと流してもらって構わないのですが、間違った内容とあっては気が引けますので、裏を取るため正誤の確認できる情報をネット検索してみました。
すると、いきなり間違った内容の文章がトップに表示されるのです。鍵カッコ内をそのまま検索してもその文章が表示されますが、悲しいかなこれは間違った認識なのです。
その文章だと『焦点距離50mmというのは、人間の視野角にもっとも近いと言われている標準の画角』となっています。因みに「人間の視野角」で検索すると『片目につき上方に60度、下方に75度、鼻側に60度、耳側に100度』との文章がトップに表示されます。

50mmレンズの視野角は「47度」で
人間の視野角は「200度」程と言われているようです。

確かに一般的な50mmのレンズは「フィルムサイズが35ミリのカメラ」を基準とした場合「標準レンズ」と呼ばれています。デジタルの場合、フルサイズ規格のカメラだけがこの「35ミリのカメラ」に該当します。そしてこの「標準」は人間の視野角とはまったく関係ないものなのです。あえて擁護した表現をするなら「遠近感の付き方」が「人間の視覚に近い画角」といったところでしょう。

どう考えても『人間の視野角は50mmレンズとは完全に異なる』の方が正解なのです。それにも関わらず、驚くべきことに検索結果の上位に配列されるサイトの殆どが、この間違った認識の文章になっているのです。
パッと見なのですが正解について言及するサイトは存在しません、それでもボクと同じ様に疑問を抱くサイトなら複数ありました。

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正 し い 認 識 に つ い て

50mmは標準レンズとは呼ばれるものの、人間の視野を基準とした場合は標準的な視界の角度とは言い難いのです。以下に一眼レフ用の一般的な単焦点レンズの該当する視野角度を記載させていただきました。

28 mm:75度
35 mm:63度
50 mm:47度
85 mm:29度
105mm:24度

それに比べ、人間が両目で見た場合の視野角度は左右方向に「200度」以上あるようです。一体全体どのようにして、人間の視野に近い画角が50mmになってしまうのでしょう? ボクの頭ではこの状況が理解できません。
コメント欄にも記してるように、人間の視野は普段だと35mm程度の視野で、物体を意識して注視するとき、まるでレンズをズームするかの如く50mm程度になると勉強したような記憶があります。記憶違いの可能性もありますが自分の経験からすると、それほど間違いでもないでしょう。目にした一瞬の視界を網膜に焼き付け、作品としての完成度を想像して納得した後ファインダーを覗きます。これがもし50mmの狭い視界では広角の撮影が成り立たないのです。両手の指をL技型にして長方形を作る、あの行為も必要ないでしょう。
写真の撮影は最初から注視した状態で被写体と対峙するものではありません。どちらかと言うと、リラックスした状態のニュートラルな視界の方が創造的な感性を活性化させやすく、切っ掛けを得るには適している気がするのです。

他に、視野角が具体的に問題とされるのは、自動車の運転が挙げられます。ボクは運転しませんからゴールドですが、同じような人でも運転免許を取得するときにしっかり習ってるはずです。JAFのサイトに文章で記載されてたので、その内容を抜き出してみました。アバウトですが50mmレンズの場合は、自動車を100km/ hで運転する程度の視野になるのではないでしょうか。

40 km/ h:100度
130km/ h: 30度

以下、各レンズの対角画角が示されているサイトになります。

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或 い は 遠 近 感 の こ と

視野は視界のことですから、目で確認可能な範囲のことであり、先述してるように人間の視野は思いのほか広いのです。50mmは明らかに違いますが、昨日の記事で書いたように28mmを人間の視野に近いと表現するのすら語弊があるかも知れません。ただ、50mmレンズの遠近感、パースのつき方に関しては人間の肉眼で見ている状態に近いのです。
おそらく、この一点があるからこそ多くの方々に勘違いを誘発させるのだろうと考えられます。それでも「視野」と「遠近感」とでは全く内容が異なりますので、そこに「標準」の言葉を付け加えたとしても誤解すべきではないでしょう。
この季節にはそぐいませんが、多少はイメージしやすくなる画像があったので以下に配置してみました。数年前に撮った駒沢公園の写真です。

CANON EF50mm F1.4 USM:CANON EOS 5D Mark II 
CANON EF28mm F1.8 USM:CANON EOS 5D Mark II 

上が標準レンズの50mmで、下が広角レンズの28mm。比較する目的で撮ってはいませんから、カメラの立ち位置が違いますし大きさ関係もチグハグですがご容赦ください。
50mmなら違和感なく適度にパースが付くところ、28mmでは極端になってしまいます。要塞のようにそびえ立つ正面の高級マンション群「深沢ハウス」がちっぽけな印象になってしまいました。
結局のところ、人間の視覚は双方のレンズどちらとも違います。あえて言うのなら50mmレンズで撮影した画像の周囲にぐるりと8枚並べたような状態なのでしょう、9枚の中心にこの画像を配置するイメージです。

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広 角 を 標 準 と す る 考 え

50mmはかつて標準レンズと呼ばれていましたが、35mmレンズこそ標準という考え方もありました。ズーム機能のない一般的なカメラは殆どその画角でしたから標準と目されるのも当然でしょう。コニカ・C35など、昭和の時代に大ヒットした大衆カメラもその後押しとなったようです。50mmレンズでは集合での記念写真なんて撮れませんからね。
結局のところ、1本で色々と賄えるレンズというのが「標準」と呼ぶに相応しいと思うのです。昨日ボクが投稿したのも画角云々より、小さくて色々な撮影のできる安価なレンズがあることを画像を使って紹介する記事で、実のところ標準かどうかすら関係ありません。
安価にも関わらず高スペックが得られる所以か、50mmレンズは写真を趣味とする人々には広く好まれる存在で、かくいう自分も嫌いではありません。ただ、自分の経験からすると使いこなすのは意外なほど難しいと思うのです。何を撮影しても中途半端な雰囲気に支配されてしまいます。
マニュアルでもピントが合わせ易く比較的コンパクトなため、開放にして撮る行為を楽しむには申し分ないでしょう。トップの写真はフルサイズで使用した50mmレンズの画像で、自転車に無駄なパースが付かないよう道路の反対側で壁に背を付けて撮影。これ以上は引きがないため上下の調節はできず、白い壁面にはパースが付いてしまいました。下に配置したノラ猫さんの写真は、18年前に買って間もない頃の同じ50mmで撮影した画像。フルサイズではなくAPSーCのため、35ミリカメラに換算すると75mmの画角になります。どちらかと言うと、75mmレンズの方が活躍しました。この春にフルサイズで撮影した同じ50mmレンズの画像もあったので、それも追加しておきましょう。
たしか、両方とも絞りを開放にしてマニュアルでの撮影です。

CANON EF50mm F1.4 USM:CANON EOS Kiss Digital N
CANON EF50mm F1.4 USM:CANON EOS 5D Mark II 

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