【祝!プリメーラ昇格】CAオサスナ Osasuna 18-19最後までいた選手まとめ ①GK・DF編

まずはこれを見て欲しい。




間違えた。こっちだ。


We are the champion.

そう、オサスナはチャンピオンになった。セグンダで優勝し、堂々とプリメーラへの昇格を果たした。上の動画を見てもらったのは、2度もプリメーラからセグンダへの降格を経験したオサスナのキャプテンであるオイエル・サンフルホが"¡Campeones,Campeones,oe oe oe!"を歌い叫ぶ様を見て、感動を共有してほしかった為だ。決して一番上にある謎のMVに出演した後ほんの2、3ヶ月でクラブを離れたカメルーン人とか、このサイケな動画が投稿されたのはオサスナがたった1年でセグンダに出戻った2017年の5月である事とかを共有したかったからでは無い。誰だよスナって。ちなみにこの動画で流れてる曲はiTunesで200円なのでみんな買ってね。Osasunaって検索すれば出るよ。ちなみに私は買ってから3回くらいしか聞いてないが。

それはさて置き、今季のオサスナは4-4-2のソリッドな守備を基軸に、攻撃は組み立てもポジトラ時も前線やサイドへのロングパス中心、とりあえず中盤でボールを保持できたら後はドリブル突破の得意な人々(主にルベン・ガルシア)が頑張って前に運んだらサイドプレーヤーや流れてきたフォワードがクロス、たまに裏に抜け出すフォワードに合わせる、という全世界共通の鉄板!2部リーグ攻略法!みたいな戦い方でセグンダを制した。鉄板とは言っても何だかんだチャンスを作れてしかも走れる選手を何人も集めてくるのはなかなか難しいものだし、そういう点ではオサスナのスポーツディレクターとして2シーズン目を迎えたBraulio Vazquezの仕事を褒めるべきだろう。17-18シーズンには思考回路が全てドリブルに繋がっているジャンキーなアルゼンチン人をレンタルで連れてきたりもしたが、2部に落ちて主力も主力じゃない選手も揃って抜けた穴を埋める作業が最重要ミッションだった時期につかまされたのがレンタルのそいつ1人くらいだというのも逆に褒めるべきではないだろうか。

それはそうと、前置きをこれ以上長くしてブラウザバックされてしまうのも嫌なので、すぐ選手のこと書きますね。あとカッコ内の数字はこの記事投稿時の年齢を指す。


GK ゴールキーパー

13 Rubén Martinez ルベン・マルティネス (34)


加入一年目にして今シーズンの正GK。昨シーズンの正GKだったセルヒオ・エレーラが前十字靭帯をやってしまい、今年の一月まで試合に出られない事が確定していたので、復帰するまでの代わりとして獲った選手かと思ったらめっちゃ上手くて、セルヒオ・エレーラが復帰した後も殆どの試合に出ていた。なんせポジショニングが完璧なので、普通のシュートは難なく止めまくるし、相手FWとの一対一も圧倒的な精度を誇る間合いの取り方、ないし間合いの詰め方でほぼ完勝していた。ほんと年齢もちょっと行ってるしなぁ、とか思って正直すまんかった。チームの最後の砦として完璧な仕事をこなした彼は来シーズンのポジションをセルヒオ・エレーラと争う事になるのだろうか。そうなるなら将来は安泰である。


1 Sergio Herrera セルヒオ・エレーラ(26)


17-18シーズンの正GKは、前十字靭帯断裂という大怪我から見事に復活を果たした。復帰後も出場は4試合に留まったが、プレーはしっかりと昨シーズンと同水準に戻してきており、それだけでも素晴らしい功績であると賞賛したい。プレーの特徴はビッグセーブを連発できる超反応とそこそこ正確なキック、そして広い範囲を守れる機動力。ちなみに昨シーズンは前監督ディエゴ・マルティネスが異常なハイライン戦術の中でGKの代わりに採用した"ペナルティーエリア内なら手でボールを扱えるCB"という新しいポジションを任され、案の定背後に横たわる無人のゴールにボールを流し込まれるシーンも見られた。まあ普通にこの人のポジショニングがおかしかったのだが。つまるところ昨シーズンと同水準のプレーというのはネジが2本くらい飛んでる感じの前進ポジショニングも含まれているのだが、とはいえ今シーズンはルベン・マルティネスのプレーを長く見ているからなのかポジショニングも安定しており、もしかしたら以前の彼より進化しているのかもしれない。昨シーズンが色々おかしかっただけかもしれないが。


26 Juan Pérez ファン・ペレス(22)


オサスナの下部組織から出てきた若手。今シーズンは始めの方に2試合出場しているが、YouTube放送する前でプレーを見ていないので何とも言えない。上記2人のGKが来シーズンも残留なら第3GKのままである可能性が高い上に、下の世代では17歳のイバン・マルティネス君がスペインU-17代表の正GKとしてメキメキ力を付けているので、わりとオサスナでの未来は明るくないかもしれない。とにかく頑張れ。


CB センターバック


15 Unai Garcia ウナイ・ガルシア (26)


神懸かり的な守備で今シーズンのセグンダ優勝を助けたオサスナの下部組織出身者。スピードも当たりの強さもそこそこで、186cmという身長の割には空中戦の強さもまあそこそこだが、高いスペース管理能力と、そして納豆やオクラの如くしつこく粘り強いアタックで、一度振り切られそうになっても再び食らいついて最終的にボールを奪い切ってしまう不屈の闘志は、まさにディフェンダーの鑑であった。ボールを持っても綺麗なショートパスやスペースや味方の足元にピッタリ合わせる精度の高いロングパスを持っており、特に左サイドのキケ・バルハやイバニェス、またルベン・ガルシアへ向けたサイドチェンジは彼らのドリブル突破と噛み合わさって相当の破壊力を持っており、脅威のホットラインを形成していた。しかしオサスナの攻守の要はシーズン途中で前十字靭帯断裂という大怪我を負ってしまい、復帰は2020年の1月になる模様。2年連続で主力選手が前十字靭帯断裂なんて何かに呪われているとしか思えないが、とにかくウナイ・ガルシアには無事に復帰してもらいたい。


5 David garcia ダビド・ガルシア(25)


高い跳躍力を持ち、ロングボールやクロスを片っ端から跳ね返すオサスナの下部組織出身者。今シーズン前半はちょこちょこベンチに座っていたが、セグンダのYouTube配信が始まってからはほぼ全試合に出場しているので、日本在住のファンからするとシーズン通して全試合出場してる気がする。4年前からけっこう多くの試合に出ているが、去年は何故かレオネサにレンタルされていた。レオネサと言えば井手口、井手口のおかげでYouTube配信の無かったオサスナの試合も(1試合だけど)見られたので結構感謝してる。まあそれはいいや。出場した試合では空中戦マスターとして存在感を見せつけ、オサスナのDFラインに入れられたロングパスが綺麗な放物線を描いて跳ね返ったと思ったらだいたいこの人がクリアしていた。身体のぶつかり合い自体はそこまで強いわけでもなく、ポジショニングなど判断力はウナイほど安心して見ていられないが、足と出足はまあまあ速いので、ウナイとはけっこう補完しあう関係でいいコンビ。

ボールを持つと、基本的にはグラウンダーのパスを前線から降りてきたFWやサイドの選手に送る事が多かったが、前線の味方の頭や胸に落とすようなミドルパスが上手で、攻撃の最初の一手になる事もしょっちゅうで、それもいちおう両足で蹴れる。というかシーズン中に逆足上手くなってない?

来シーズンは久々のプリメーラ、ウナイ・ガルシア並みの判断力を身につけて、是非とも19位で終わった16-17シーズンのリベンジを果たして欲しい。

余談だが、ウナイ・ガルシアと血の繋がりは無い。以前はフラーニョ兄弟がいたから間違えやすいよね。ただウナイ・ガルシアとタラゴナにレンタルされてるイマノル・ガルシアは兄弟で、なんかよくわかんねえ。


23 Aridane Hernández アリダネ・エルナンデス(30)


昨シーズンから在籍、CBも出来るクラブのマスコット。髪がボンバーしており、シルエットは完全にロヒージョ君とロヒージャちゃんと同じで、とても愛らしいフォルムをしている。彼を見るとみんなほっこり笑顔になれる。またロヒージョ君とロヒージャちゃんとは違ってアウェーの試合でも居てくれるのが強み。

プレーの特徴としてはDFラインから飛び出してプレッシャーをかけるタイミングが良く、またプレッシャーの圧力も強い。プレスをかけられたら1人くらいはドリブルで抜いてしまう胆力も持ち合わせいる。ただ頭のシルエットが大きい割には空中戦にすごい強いわけではなく、DFラインから飛び出す以外の守備もちょこちょこ怪しかったので、今季はCBとしてはやっぱり3番手。プリメーラを戦う上でのファーストチョイスとしても正直心許ない。ただ1つ確実に言える事は、彼が出場している試合は途中から見てもメンバーの把握が1人分楽になる、という事だ。なんだかんだ永遠にオサスナにいてほしい人物NO.1かもしれない。もちろんマスコット枠で。


SB サイドバック


2 Nacho Vidal ナチョ・ビダル(24)


今シーズン始めにバレンシアからフリーで加入した右サイドバック。ゲームのあらゆる局面に対する貢献度が高く、リージョから主力の座を奪い取った。攻守にかなり効いており、特にボールを前進させる組み立てのうまさとゲームの主導権を握り続けるのに繋がる高いキープ力に良い軌道のクロス、そしてドリブル突破を引っさげて、外は内へとタイミング良く走り込んでオサスナの攻撃に厚みを加え続けた。というかこの人のドリブル、 オサスナでいうと、

イバニェス>>>>(ドリブルに人生を掛けてる男の壁)>>>>ルベン・ガルシア≧キケ・バルハ=クレルク≧ナチョ・ビダル=ロベルト・トーレス

くらいの序列にあると思うので、突破力はけっこう高い。実際この人が切り返しをすると、トップスピード状態はおろか殆ど静止している状態でも誰もついてこれなかった。アシスト数もチーム3位の5アシストを記録しており、ベストイレブンには絶対選ばれるべき選手。

ただ空中戦には不安があるので、来シーズンはこの人が右サイドハーフに入って安定重視の戦い方になるかもしれないが、それでもわりかし攻撃も上手くいくと思う。そんな未来があってもいいよな、と薄ぼんやり考えながら思わず顔をニヤつかせてしまうくらいには、今シーズンの出来が最高でした。5年はいなくならないでくれ。


16 Lillo Castellano リージョ・カステジャノ(30)


昨シーズンの主力だった右サイドバック。安定していて力強い守備とボールを持っても流れを切らずにちゃんと繋げるだけのテクニックを持っているが、さすがに突破力までは無かった。ただ主力の座をナチョ・ビダルに譲ったとはいえシーズンの半分は試合に出ており、出てる時のプレーも毎回良かったので、来シーズンもいてくれると凄く助かる。右サイドバックに穴が開いても左サイドバックやCBの補強が忙しくてそこにまで手を回せそうに無い、というのもあるが。でもホントに良い選手だと思ってるよ。


11 Carlos Clerk カルロス・クレルク(27)


16-17シーズンから左サイドバックとして在籍していた現人神。恐ろしく高いドリブル突破力、鬼のように正確なクロスとミドル・ロングパス、そんでもってゴール前で身体を当てられてもターンで交わしたり、DFラインでボール持ってる時に詰められても普通に交わしてしまうとんでもない足元の技術を持っていた。もちろん守備も完璧で、サイドは封殺、DFラインにいる時も守るゾーンに侵入する敵には容赦なくアタックを仕掛け潰しまくっていた。正直なんでセグンダ降格後もオサスナにいたのか全くわからない、確実にプリメーラレベルの選手。今シーズンでもルベン・ガルシアもイバニェスもいなくて他の攻撃陣があんまり通用しない時でもこの人は確実に突破してチャンスを作ってくれていた、つまるところ最後の希望。生まれてきてくれて本当にありがとう。

そんなオサスナの希望は、シーズン中にあった噂の通りに今シーズン終了後に退団。ビッグバン☆セオリーでシェルドンのセリフに「馬鹿な鳥め!戻って来いよ!愛してやるから!」というセリフがあったが、まあどっちかというと今までオサスナに居てくれた方が奇跡だ。半年後とかに戻って来ても存分に愛してあげるので、安心して新天地での生活にチャレンジして欲しい。

29 Endika Irigoien エンディカ・イリゴイエン(22)


今シーズン下部組織から上がってきた、オサスナの生え抜き左サイドバック。今シーズンは2試合しか出ていないが、出た試合ではサイドの守備でほぼ完勝、ボールを持った時もそこそこマトモにやれていたので、けっこう期待している。まだ未知数な所が多く、クレルクの後釜として左サイドバックのファーストチョイスにそのまま置いて良いかどうかは微妙。以前のSDが5、6年くらい前に「メッシは育てられなくてもメッシを止められる選手は育てられる」とかなんとか言ってたことはそこそこ有名だが、この左サイドバックこそがその「メッシを止められる選手」として育っているのか、またそのように育っていくのか、年代的にも彼の言葉の真偽を試す試金石にもなるだろう。試金石どころか黄金そのものであってほしい所だ。別にダイヤモンドでもいいよ。






















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