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#2021年Vtuber楽曲10選 (下半期編) ナガイの場合

野良猫のユウさんの企画やります。

上半期はこっち。

未明の海の光、漣に導かれる儘 / ヒニチ

 ヒニチさん、上半期では『薫風 恋しくなって』というデカい曲をぶち上げて好きになったんですが、この『未明の海の光、漣に導かれる儘』も来ましたね。しっかりこの作品にフォーカスを当ててMVも作り込んでいる点も薫風で好きになったファンとしては嬉しい限りです。MV垂れ流し企画が今年はないのが本当に残念。みんなヒニチさんのMV見てくれ。次のデカ曲も楽しみにしてます、ほんとに。

Aporia / Ghost Town Orchestra

 バンド系のサウンドで今年一番聴いてます。これまでの曲も好きでしたが、ボーカルを含め文字通りの「最高」が来たなと思っています。もっとバンド音楽をやってる人はGhost Town Orchestraのこの会心の曲に喰らうべきだし、GTOと言ったら先生ではなくGrand Town Orchestraのことを指してるということにして欲しい。来年はこの先のGTOが聴けるのかと思うと今から楽しみで仕方がない。

【MV】サザンカ / カクレゴ

 やっぱ歌う人が作詞する曲は温度感が声のノリと合うので最高ですね。特に「まだ」や「何度」の繰り返し、ここが特にこの曲の好きポイントですね。カクレゴ楽曲、こういう「ここが好き」が明確にあっていい。
 あとカクレゴは自分たちで物語を作ろうとする力を感じて新鮮です。リアルライブ主催とか、自分達がシーンを創るんだという気概を感じそういったものも踏まえてこの楽曲を聴くとより、「いい……」になってしまいますね。来年のカクレゴの旅が素晴らしいものになることを祈っています。

あなたのおかげで/浮遊信号

 浮遊信号のやってること、エモ以外の語彙が無くなってしまいます。非常に危険です。実際この曲について何回もnoteを書こうとしたんですが、エモしか出んのよ、と筆を何度も投げました。
 まぁピアノソロはズルだし、ほんと作メロが良すぎる、つまるところメロディが素晴らしいことがこの作品全体の「エモ」を成立させている点だと思います。どんな素晴らしい漫画や作詞や活動遍歴があっても音楽が言葉に出来ないものを伝えるものであるなら、そこが一番大事だと思うので。
 その上でこの漫画は歌詞と並べて聴くと最高ですね。「僕らの日々は繋がって」で、二人が別れるところや、歌い方もがなったりするわけでもないのに、「そう 僕らはずっと表現者」に込められた熱さたるや。漫画は漫画のほうで、「傷みたいな焦がれを」なんて表現をしっかり出している。「あ、esora umaとあとり依和もこの作品の中でぶつけ合ってんだな」って分かりますよね。
 来年も二人して殴り合いながらやってほしい。大好きなので。

ピクトグラム・ラブ - sumeshiii a.k.a.バーチャルお寿司

 バーチャルお寿司さんには本当に日常を助けられました。上半期で言えば『ハッピーだけ歌ってたいよ』、下半期は『ピクトグラム・ラブ』を含む小旅行E.Pに何度心がささくれ立つのを止められたか分かりません。ありがとうございます。
 愛や恋の曲、沢山ありますがこれだけ大きい愛の歌、あんまり聴いたことなくて最初は呆然としていたんですが、「そっと触れることで 私が知るだけだ」の歌詞で、好きな曲を聴いて歩いているこの名前のない時間に湧くこの感情が愛なのだなと、感情が芽生えたAIのようなことを考えてしまいました。
最後に私が知る数少ない真理のうちの一つを伝えます。『TOKYO OSUSHI 2020』は2021にこそ聴くべき曲。

まんじゅう『ヒグラシ』

 哀しい気持ちになった時、人にやさしくなれなかった時、自分に優しくなれなかった時。好きな曲もいいけれど、自分では流せない涙を替わりに流してもらう選択肢ができたのはまんじゅうさんのおかげです。なんとなく聴いている内に「あぁ、私はそういうことが悲しかったのだな」と了解し、なんだかわからないような黒い塊が氷解するのを感じるのです。
 処方箋的な聴き方はもちろん、泣きのバリエーションが多彩なシンガーとしても素晴らしいです。ライブに行くと分かりますが、一言で世界に引き込む力があり「これがシンガーソングライターというものか」とまざまざと見せつけられます。来年もまた、その歌を聴きに足を運びたいとおもいます。

26. 恋しいよ

 どれだけ界隈が流動的で流行り廃りが目まぐるしいものであってもクスモトさんはこれからもこの部屋で弾き語ってくれているという信頼があります。地元に戻ったら必ず寄る店、みたいな立ち位置。
 エネルギーだけはあったけど具体性なんてなんにもなかったあの頃の無軌道な熱い気持ちを思い出させてくれる曲、最高ですね。初期衝動に忠実な創作はぶっ刺さる典型ですね。元旦に新年の抱負書きながら聴きます。

桜葉どらいぶ - 本能

 この曲から感じる桜葉どらいぶの優しさと諦めとそれでも残る熱が僕は大変に大好物です。僕がどれだけ言葉を送っても多分それは過去に彼女に送られた言葉の焼き増しでしかないんだろうなという一種の寂しさを感じます。それでも、こんな熱を持った音楽をやってくれることがめちゃくちゃ嬉しくてこの曲を聴くと目頭が熱くなります。書いてて思いますけど片思いこじらせたみたいになってますね。来年も見守りたい。

もし世界が終わるなら、僕らは選択する / 隣町本舗 & HACHI 【 #ADVENTUNE3

 HACHIさんの下半期の曲を挙げるならば『八月の蛍』かなと思うんですが、隣町本舗さんの曲で、ということになると途端に悩ましい。『seto』と悩みました。それでもプレミア公開で圧倒されたのはこちらで、聴き終えたあとの映画を見終わったようなある種の喪失感は唯一無二だと思います。
 HACHIさんの素晴らしさは歌が上手い、という点はもちろんですが音楽の質感を捉えて表現する力だと思います。それも含めての歌の巧さ7日もしれませんが。世界の終わり、という垂涎のシチュエーションを自分の楽曲として仕立てる隣町本舗さんが名監督ならば、HACHIさんは監督、脚本の意図を汲み取って演じる名女優でしょうか。二人の来年上映作、楽しみですね。

月の裏側 / 小宵

 ポエトリーが好き、世界観が好き、歌声が好きといろいろあるが一番この曲が刺さった理由はこの曲から一つの物語の終わりを感じたからだろう。ポエトリが終わり前奏が入った瞬間、それまでの全部が一気に終わりへと向かって盛大に雪崩込んでいく。小説のラスト10ページ、「なんて愉快な気分だろうか、でも終わってしまう。でも、私はこれを読み終えた時きっと幸せになれるだろう」というあの確信めいたものをこの曲で感じる。
 『月の裏側から来たんでしょう』という、世界の秘密を聴いたような、すべての伏線を回収するようなサビ入り。そして、事が全て終わったあとのモノローグがプロローグに重なるような構造をしていて、本当に、綺麗ですね。
 今年、いくつも物語を綴った小宵さんの、来年の書き出しが楽しみでなりません。


終わらない

 ナガイさんが10曲で終わるわけがなかろう。続きます。

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