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同人誌を作っているときのわたしと作った後のわたし

同人誌を作ってるとき、いつも逃げたくなっている。

わたしはマンガの同人誌を作っていて、多分そろそろ21年目くらいになる。マジかよと思ったけどどうもマジなのであった。ニートをしてた7ヶ月間くらいの間、本を作る物理的なお金と元気が無くて休んでたけど、まあほぼだいたい、休みなく続けていると思う。

わたしはマンガ描くのは別にそんなにうまくないし、多分そんな好きでもない。
20年以上続けてみたけどまったくモノにならなかったから、10年やってみてから文句言えみたいな世の中の言説には余裕で文句言えるし、10年やっても才能のないやつは何をしても無駄、実らない努力は確実に存在すると自分の経験から胸を張って言える。(悲しい)

でも、うまくはないけど、とりあえず締切に合わせてある程度作品の体裁に整えて本の形にまとめることは全然できる。
これは自分ではできて当たり前と思ってるけど、やりたくてもできない人もいるだろうと思う。(締切がないと全くできないので、インターネットお絵描きマンにはなれない。今はそっちのほうが断然良いと思うので、できない自分が悲しい。)

さて、そんな感じなので、本当に漫画を描くのが苦手なのだ。
迫り来る締切と、仕事の折り合いをつけて、睡眠不足と戦いながら、こんなもん誰が読むんだよ!!ってずっと思っているし、その気持ちに潰されそうになって、そこから裸足で逃げ出したくなってる。

正直疲れる。今、もう諦めて同人誌作るのやめたら、思う存分寝られる。好きなゲームも我慢しないで遊べる。明日の仕事も寝不足の頭で行かなくていい。面白くもない妄想の塊を形にして血を吐き、安くもない数万円のお金を出して印刷して、三万円くらいのお金を出して東京に行って、誰にも読まれないで帰ってくる。とかこういう妄想にさいなまれる。死ぬほどつらい。
これが描いてる間、特に修羅場になればなるほどずっとつきまとってくるのだ。
心の健康に良くないため、長期間作業に当たることができない。

でも、数年前にタイバニで、長い同人人生の中で初めての再録本を出したんだけど、それを出したのは多分もう5年くらい前になると思うけど、それを今読み直すと、あれ?けっこういいな。って思った。

また、つい最近断捨離してた時に、前のジャンルであるガンスリンガーストラトスの本も見つけて読んだけど、どれもなかなかよかった。内容は全く覚えてないので自分が描いた感じはない。これ描いたの誰や?わたしだ!

長く同人やってて、描いてる最中に、この話最高!面白い!と思って描いてることは絶対ない。悲しいけど、間違いなく、無い。

早く寝たい、間に合わないかもという強迫観念から逃げ出したい。間に合わせるしかないから今手持ちのこの面白いと到底思えない材料で料理するしかない。もはやそれのみしかないのです。

とにかく本を出したいから描いてるけど、自分の考えたものだから面白いものになってるとは到底思えていない。

で、多分それは当然いわゆる部数とかそのへんの結果に出てるんだとは思うけど、でもどの本も数年後に読み直すと、あっなんかいいな…って自分では思うんです、萌えるところもあって。

この現象なんなんだろうなと思っている。
なので、作品を描いてるときに、つらい気持ちになったら、この日記を読み直して、元気をもらいたいと思います…
お前の本、未来のお前が読んで萌えるで。がんばれー!って。

ここまでの話の補足をすると、弊サークルの本を手にとってくれる人は皆無では無く、ありがたいことにわざわざ見知らぬサークルなのに気になったと言って買いに来てくださる方や、以前から見ていたと、なんと10年越しとかに言ってくれる人もいたり、同人がきっかけでわたしを知りジャンルが変わり続けた今も緩やかに繋がってサークル活動を応援してくれてる人もいる。ほんとうに嬉しい。

常々このような気持ちで本を作っていることを知り気を害した方も、もしかしたらいるかもしれない。ごめんなさい。
わざわざ声をかけてくれること、本当に感謝しています。元気をもらっていますし、おかげさまで続けることができています。ありがとうございます!!

これからもまた、自分を呪いながら本を作り続けていくのでしょう。楽しみです。次のイベント参加は7月1日東京の予定です。あっというまやぞ!

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