予想屋よっちゃん80歳 園田競馬「死ぬまでやるで」


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最終コーナーへさしかかった馬群が、砂を巻き上げて駆け抜ける。「行け、させっ!」。観客の声援は大きくなり、ゴールの瞬間、歓声とため息が交じり合う。兵庫県尼崎市にある園田競馬場。その一角で予想屋歴62年の田中義彦さん(80)=同市=がしゃがれ声で叫ぶ。「はいこのレース、さも一番勝負!」。決めぜりふがスタンド裏に響き、レース目当ての客が集まってきた。(山脇未菜美)

 園田競馬場にはかつて45人の予想屋がいたが今は2人だけ。田中さんは、18歳から園田一筋の予想屋として生計を立て、4人の子を育て上げた。「3人が大卒で1人が料理人。孫は7人や」と誇らしげに笑う。

 愛称はよっちゃん。1936年、大阪市大正区生まれ。幼いころから足が不自由で、小学校は松葉づえで登校し、よく同級生にからかわれた。落ち込んだよっちゃんを外へ連れ出したのが、予想屋の父、豊さん。姫路などの競馬場を巡り、馬を一緒に見た。

 園田競馬場も父の仕事場の一つ。よっちゃんは他の予想屋とも親しくなり、18歳の時に依頼を受けた。「うちの予想、やってくれへんか」。戦争のため、小学3年までしか学校に通っていない。不自由な足で他の仕事ができるかどうか分からない。返事は即答だった。「やる」

 ベテランがいる中、よっちゃんが客の心をつかんだのは、地道な分析。1週間のレースが終わると、成績と競馬新聞を持って、自宅の勉強机へ。馬のタイムやクラス、騎手との相性、調教具合、天候…。数値化が難しい情報を元に、次のレースを予想する。

 「1着の馬でも、余裕なんか、苦しまぎれなんか。勝ち方で意味が違うねん。馬は生き物。今でも分からん」。全力で頭をひねる。

 情報料は1レース100円。勝ち馬を書いた紙片を客に販売する。予想通り当たった日はうれしいが、当たらない日はつらい。マークシートの裏に「金返せ」と書いて渡されたこともある。負けた日は客に申し訳なく、布団に入って2、3時間は寝られない。

 最盛期の1980年代、競馬場は盛り上がったが、現在の売り上げは当時の10分の1以下。よっちゃんも歳を重ね、52歳のときに脳梗塞、5年前には大腸がんを患った。少し歩くと息が上がるが、園田を支える人や常連の顔を思い出すと、働かずにはいられない。

 午前10時、競馬場が開門すると、よっちゃんの元に常連客が集まる。「今日も寒いなあ。ありがとう」。客に手渡すのは、休みの日に購入したキャラメルやまんじゅう。

 「お客さんは命の次に大事や。引退? 死ぬまでやるで」

 【予想屋】競馬の勝ち馬を予想し、その情報を売る人。日本中央競馬会(JRA)にはない地方競馬独特の存在。主催者から営業許可をもらっている。


引用:https://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/201703/0009967667.shtml


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