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Letter to ME

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自分へ贈る日々の備忘録
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2015年5月の記事一覧

Proud of YOU

朝起きると、母校である小学校から運動会のアナウンスが聞こえてきた。少し離れているけれど、音が風に乗って少し音の外れた音楽や声がひっきりなしに響いてくる。入場の曲はなんだったろう。聞きなれた曲だったが名前は知らない。知らないで大人になってしまった。

児童会の子が司会を務める開会式、校旗掲揚、国歌斉唱、校長先生のお話。国歌斉唱と校歌斉唱の違いがわからなかった頃、曲のでだしで判断していた気がする。

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誰かの劇場

自分の人生の主人公は自分だ、などと陳腐なセリフがあるけれど、嘘だよなと思ってしまう。いつまでもずっと脇役の人生だってある。自分の人生は自分のものだけだが、主人公はもっと別のところにいる。ような気がする。自分の人生を侵食されているような、自分の人生はいつもセピア色のような。

主人公然としている人は、きっと、誰の人生でもきっと主人公になるのだ。自分とは違う。セピア色の中で、カラフルな色でいる人こそ、

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へその緒

私はよく話しすぎてしまう。言わなくていいことも言ってしまう。自覚はあるのに、考えが足らないから、そういうのは口から出るまで気付かないで、ぱっと出始めるとあ、これは言わなくてもいいやつだし今言うことじゃない言う相手を間違えた死にたいと思いながら、でも、言葉は数珠つなぎに出て行くので最後の言葉が出終えるまで止まらない。
人を傷つけたと思って思いもよらないひびが、見えない場所に入っていく。
そういうとき

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ものぐるほしけれ総集編

noteを初めて半年以上経ち、色々な種類合わせて108という煩悩の数に到達したたため、自分で書いて自分で好きなnoteの紹介をします。よければ見てやってください。厳選12編です。

しあわせ https://note.mu/losmrn/n/na39448dae4a8

なにもないから https://note.mu/losmrn/n/ne3488ac460fe

何度でも https://not

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おとな

友人と出かけていて、ふとスマホの液晶を見ると午後五時を過ぎていた。子どもの頃の門限の時間だったのをふと思い出した。門限を遵守しなければならなかった子どもの私は、いち早く時計の読み方を覚え、遊び場から家までの最短の帰宅ルートを考え、所要時間を考え、遊んでいた。午後四時半になるとそわそわしだして、まだ公園で遊ぶ友人やプリクラに執心する友人を残し、一人そそくさと帰路についたのだった。でも、今は午後五時を

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おとしもの

あ、何か落とした気がする、と思って振り向いても別に落ちていない。落ちていないのかもしれないし、落としたことに気付いていないのかもしれない。なんだかそうやって自分自身を振り向いたとき、空っぽであることが怖くて私は私と向き合うことを、未だためらっている。

言葉がない。感情がない。景色がない。すべてがない。何がどうしてこんな風なのかわからないが、新緑がまぶしい季節はいつもからっぽになってしまう。美しく

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いのちは朝ひらく

出勤経路の途中、朝にいつもうつくしく咲く花がある。黄色い絵の具のようなまじりけのない黄色の花びらを目いっぱい開き、朝の黄金色の光を受ける花。車の中からちろりと覗くだけだが、その誇らしさがとてもかわいらしい。
夜には花びらが閉じ、くしゃりと丸めた質のよいシーツのように見える。その姿もまた可憐だ。
気になって調べてみたら、カタバミという花みたいだ。可憐なのに、強さがある。潔さがある。朝になればその花び

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