Letter to ME

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ノート

悲しみなんて自分ひとりで癒すものさ

友人の中でもわりかし親密な友人の誕生日があったことをうっかり忘れていて、急いでメッセージだけを送った。私はもうすでに三十路の洗礼を受けて身体がボロボロです、と文字を打って、なんだか本当にその通りすぎてちょっと悲しくなってしまったので送るのを少し思いとどまった。
最近は病院ばっかりかかっていて、毎朝昼晩と薬を飲んでいる。食前と食後。しかも塗り薬もあるし、歯科にもかかっているので今日は麻酔を打ったので

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理解の及ばぬ天啓

この時間になると決まって隣家が少し騒がしい。
ドアを開けたり閉めたり、家具を動かしたり、歩き回ってみたり。本当にそんなことをしているのかは知らないが、ドタドタ、ガタガタ、何かしら音を立てている。

何度か見かけた隣家も、私たちと同じような若いカップルだった。夫婦かもしれないが、特筆することのない二人だった。
その前の入居者は私たちよりも先に入居していて、夫婦と子供の3人ぐらいだったようだけど、冬の

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苦しみなんかどうでもいい

背中が痛い。夫が帰ってこない。疲れた。もうみんなうるさい。どうしたって報われない世界で、どうしてこんなに何かを求めたいと思っているのか、それすらも本当は嘘なのか自己暗示なのか、毎日迷子になって苦しんでいて、でも、そういうこともすぐ忘れる。だって背中が痛いし夫は帰ってこないし疲れているしみんなうるさいし。

世の中陰鬱でみんな晴れ晴れとしないで、晴れ晴れとしないということをまたみんなが言い募って、私

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ランクヘッドとわたし

中学生のころからずっと好きだったランクヘッドというバンドがいる。
初めて聞いたのは中学二年生のとき、スペースシャワーだかでたまたま「体温」が流れていた。ぞわっと鳥肌が立って、あ、これだ、と思った。

いつの時代もその流れに乗っていればそう思うのかもしれないけれど、私が中学二年のときは、いろんな邦楽ロックのバンドが出始めていた。BUMP OF CHIKENとかロードオブメジャーとかBaseBallB

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あせも

小さなころからあせもがよくできる子どもだった。背中がいつもかゆくて、汗をかくたびにかゆくて、お風呂に入るとよくしみた。母には、お風呂にしっかりはいればあせもはよくなるんだ、と言われて、もともとお風呂が嫌いだったから、お風呂につかるという行為がもっと憎々しく思えた。お風呂につかるとまた汗をかいて、また背中がかゆい。いい加減にしろ、と思いながら、扇風機にあたっていた。寝汗もすごいから、といって、私が寝

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カレンダーをめくる

二度寝して昼頃に起きてくると外がひどく騒がしくて、道路を挟んで向かい側にある小学校から子供の歓声や大人の応援の声が、大きなざわめきとなって聞こえてくるのだった。次は、徒競走です、という声と聴き馴染みのある「ギャロップ」が流れて、ピストルの音が青い空に吸い込まれていった。夫はテレビゲームをしながら流れ聞こえてくる曲に合わせて鼻歌を歌う。びっくりするほど夏の気色が動いている。洗濯物を干しながら鼻のあた

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春などこなくていい

洗濯物を干していると、先日まではすぐに足先が氷のように冷えていたのに今はもうその億劫さがない。南向きの物干し場は、一日中よく日が当たる。雲一つない。快晴の陽を浴びていると、汗すらにじむような気がする。じわり、と、内臓の裏の方が暑さを感じで、それが、にじむ感じ。きっともっと暖かくなったら、その暑さは本当に汗として私の分泌腺から表面に現れる。そういうことが、ひどく恐ろしくて、春は嫌いだ。汗をかく前の、

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使えない錬金術

朝、起きることができない。
朝、起きて、洗濯ができない。
少し早く起きて、洗濯をして干さないと洗濯物がたまる一方だ。
そのことを理解した上で、朝、起きることができない。
朝、起きることができないときは、仕事から帰ってきて夕飯を作る間に洗濯機を回し、作り終えるころには洗い終わっているから、カゴに詰めてコインランドリーに持っていく。二日でたまった二人分の洗濯物はわりと重いが、自分ひとりで運ぶので鍵を閉

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僅かな祈り

高校の同級生が亡くなったのだそうだ。こんな文章を書いておきながら、私にとっても、この文章だけの情報しかない。理解も、この文章だけを理解している。そんな感じだ。そんな感じの関係の、同級生だった。
就業時間中にメッセージアプリに通知がともり、見ると社会人になってから顔を合わせてたまに話をする高校の同級生からで、文面は、また、別の同級生から、そのまた別の同級生が亡くなった旨のメッセージが来たので転送する

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逃亡者

数年前まで同じ課の同じグループで同じ仕事をしていた先輩と後輩と三人で焼肉を食べに行った。このメンバーでは大体半年に一回ぐらいのペースで、お肉を食べる会をやっていて、毎度おいしそうなお店を後輩が見つけてくるので私も先輩も二つ返事で決定する。
今日のお店も大変においしくて、牛タンは冷蔵庫に入れないで保存するらしく、そのためなのか分厚いのに柔らかく、三人で革命だとわいわい騒ぎながら食した。
今、三人とも

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