主治医と「目的」「目標」を共有すること

このnoteは2019年4月23日にアップしましたが少し難しかったために再編集しました。

あなたの治療の不安はどこからきているのでしょう?

私が卵巣がんの患者会代表を務めていた2006年9月から2019年3月までの12年半で個別に受けた患者さんの相談は6000件あまり。

その多くは治療に対しての小さな疑問から生まれる漠然とした不安でした。

「どうして手術で卵巣がんを取り切れたというのに抗がん剤をするの?」
「主治医は再発をしたら卵巣がんは治らないというのにどうして抗がん剤を提案をするの?」
「卵巣がんは怖いし抗がん剤をすればいいこともあるんだろうけど、そのいいことってなに?」

主治医は忙しいから聞きづらい。

「今更こんなことを聞いたら失礼かもしれない。」
「主治医は忙しいのだから質問で時間を取りづらい。」
そんな言葉を患者さんはいいます。
きっとそれが医療現場で患者さんが感じている事実だと思います。
その不安を私に聞いてほしいというならば聞きます。
でも、不安を解決してほしいのであれば医師ではない私に尋ねても本当のところはわからず不安は解決しません。

治療をはじめるにあたりこれだけは確認をしましょう。

手術や抗がん剤治療を行う際には以下のことを必ず確認をしましょう。
1)手術や抗がん剤治療の「目的」
たとえば初回の手術であれば卵巣がんなのかどうかを確かめるために腫れている卵巣を切除することや、そのほかの場所にがんがあるのかどうか確認し必要ならば切除して取り除くことが目的になると思います。
抗がん剤であれば「目に見えているがん細胞は取り除けたのにどうして抗がん剤をするのか」など手術や治療を行う目的を確認しておくことで治療の必要性を納得できます。
手術の目的がわからないで子宮や卵巣が失われるなんていやじゃないですか。
こういう目的(理由)で取りましたと理解して治療を行いましょう。

2)抗がん剤治療や放射線治療の「目標」
治療を行うにあたっては「どういう状態を目指すのか」ということを確認しましょう。
がんになったとき、これを確認するのはすごく怖いことです。
なぜならば「治らない」とか厳しい言葉を聞くかもしれないからです。
多かれ少なかれ治療には副作用があります。
治療をすることで「どういう状態を目指すのか」進むべき道を主治医と共有しなければ、あなたは右の道へ進みたいのに主治医は左の道に進む治療をしていることで結果に不満を覚えたり、これじゃないという思いが強くなり治療に意欲が湧かなくなるのはとても残念です。
根治を目指して治療をするのか。
再発を繰り返したときには、がんを完全に消すことは難しくてもこれ以上悪くならないよう生活の質を保ちながら暮らせるよう治療をするのか。
例えば「春になったら山に登りたいのでそいう体調が保てるように治療をする」など短期的な目標でも大丈夫です。
主治医と話し合い同じ方向を目標にして治療を進めることが大切です。
(もちろんその治療が目標を達成できない場合もあります)


一部卵巣がんのコミュニティサイトで「卵巣がんには放射線治療はできない」という参加者の書き込みがあるという情報をいただきました。
「局所再発」「放射線で治療ができる箇所」であることや「骨転移などの疼痛緩和」に放射線治療を用いることがあります
https://ganjoho.jp/public/cancer/ovary/treatment.html

患者さんの希望通りにいかないこともあります

例えば患者さんが「卵巣がんを根治させたい」と願ってもそれが難しい場合もあります。
例えば患者さんが「生きる希望を捨てたくないから何が何でも治療をしてほしい」と願ってもそれが難しい場合もあります。
その場合は主治医にその理由を尋ねましょう。
もしかしたら腎臓や肝臓の機能が低下して治療をする方が命の危険がある場合もあります。
そうした納得のできる治療があるのか確認することはとても大切です。
その主治医の回答に不満や疑問があり納得ができない場合はセカンドオピニオンを利用し本当に主治医の提案は妥当か確認することもできます。
また抗がん剤治療や放射線治療だけが患者さんにとって良い治療ではありません。
痛みがあったり、治療をすることが難しい体の不調(例えばがん性腹膜炎など)が生じたときにはその治療を優先して体調が戻ったら、またこれからどうするかを考えていきましょう。
辛い症状を取り体力を取り戻すことも大切な治療です。

まとめ

患者さんの相談の多くは主治医と「目的」や「目標」が共有できておらず「なにを目指しているのか」わからないまま治療を行い、不安になっているなぁと感じることが多いのです。
主治医はどういう状態を期待して治療をするかきちんとわかっているのに患者さんがそれを理解し「いっしょにがんばろう」と合意をしていないために結局どこを目指しているのかわからなくて本当に今の状態が正しいのかわからなくて不安で患者会に相談をされます。
卵巣がんはあなたにとって人生で大きなできごとだと思います。
だからこそしっかり治療をどうして行う必要があるのか、そしてどういう状態を期待して行うのか確認をすることで少し不安が軽くなるのではないでしょうか。

この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?気軽にクリエイターを支援できます。

スキボタン押してくださりありがとうございます!
14

片木 美穂

コメントを投稿するには、 ログイン または 会員登録 をする必要があります。