ブラックビスケッツに思うこと

ポケットビスケッツがステージを飾ったと、後で聞いて
ブラックビスケッツじゃないんかい?と脊髄反射してしまった。

番組の企画で生まれたグループで、ボーカルは台湾出身のビビアン・スーちゃん、キャイ~ン天野ひでゆき氏、ウッチャンナンチャンの南原清隆氏。

シングル楽曲はわずか4曲、活動期間は実質2年あまり。鮮烈な記憶を残して消滅。番組の企画グループとして厳しい条件を突きつけられての活動開始。ある程度の売り上げ実績が見込めないと判断され、テコ入れの末、メンバーが離脱、事実上の解散といった経過をたどっている。

くたくたになったとき、私がクルマの中で聴くのはRelax、STAMINA、Timing、Bye-Bye。ブラックビスケッツの楽曲には現代を生き抜く知恵のようなものが詰まっていて、発表されて20年近く経つ今でも、この曲に勇気や元気を与え続けられている。

ビビアンと天野くんの声には圧倒的な包容力がある。声質が似ていて、声そのものが温かい。どちらかというと低音で、伸びがあり安定感がある。リラックスして歌っているので、聴き手も力が抜けて、安心して聴ける。ナンチャンの声はそのスパイスとして利いてくる。歌詞も程よい脱力具合。明日できることは明日でいいし、くよくよしないで風呂に入って寝ちゃおうとか、人生楽しまなきゃ損じゃない?スタミナがないと優しさも愛もだせなかったり、タイミングが大事だったり。
投げやりじゃなく、大丈夫だよ、頑張りすぎずに行こうよ、といった自己肯定感が溢れている。

現代を生きる我々は常にサバイバーであることを求められ、緊張していて、同調圧力の中で喘ぎ続けている。
疲れ切ると、ふっと彼らに会いたくなる。
そしてもう一度、今、発せられる3人の歌声を聴きたいと思う。


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