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雑記:GMⅡファミリー『Z20LExシリーズ』

ヨーロッパSに搭載されているのはGMオペル製エンジン『Z20LER』エンジンです。

お し ま い


今まで日本の記事って、大体こんな感じで終わってたんですよね。それだけ????いやいや、そのエンジンが何なの?みたいな。ちったぁマシなこと書けやって話なんですが、書いている人間居ないんですよね…
まぁ誰も興味無いんで仕方ない。(´・ω・`)
しかしここに至って、ようやくこのエンジンを、ひいては『Z20LEx』シリーズについて解説していきたいと思います。良かったですね、私が代価を要求して物を書く人間でなくて。

『Z20LExシリーズ』
『Z20LExシリーズ』はZ20LETより始まった、GM製エンジンのEcotecシリーズの中にあった、DOHC2Lターボシリーズの総称になります。種類は4つあり、「Z20LET」「Z20LEL」「Z20LER」「Z20LEH」となり、これらのエンジンはそれぞれで部品の互換性があります。つまり、「Z20LET」に「Z20LER」のウォーターポンプは付きますし、「Z20LER」に「Z20LEH」のターボを付けることも可能です。お互いにお互いの部品で保守する事が出来るため、エンジントラブルにおけるリカバリーのしやすさは「部品単体で見るならば」エリーゼとヴィッツGRMNしか使われてない2ZRや、日本仕様とは違う英国仕様の1ZRを搭載したS3エリーゼよりはメンテナンスし易い、という事になります。

Z20LET:4気筒DOHC2Lターボエンジン。圧縮比は8.8:1。今で言うダウンサイジングターボの考えで設計されており、小さいK03ターボを搭載しピークパワーよりも低回転でのフラットトルクを重視したエンジン。F23 5速トランスミッションと組合わされ、オペルスピードスターターボ等に搭載されました。

それぞれのエンジンの違いですが、基準は「Z20LET」であり、それぞれで以下の部分が違います。

Z20LEL:LETの200馬力から、燃費・環境性能に特化したECUを装着。結果170馬力までデチューン。F23ミッションも含め、他はほぼ同じ。

Z20LER:馬力はそのまま、ECU、ウォーターポンプ、フライホイール、バランサーシャフト、オルタネーター、カムベルトテンショナー等を変更。エアインジェクションポンプを削除し、より高出力に耐えうる様に設計。基本的には出力強化モデルとして位置するエンジン。Z20LET、Z20LELと違いM32ミッションを装備。

Z20LEH:K03タービンをハイフロー化させたK04タービンを搭載し240馬力に強化。鍛造ピストン、コンロッドに変更され、バランサーシャフトを最初から除外。その分クランクシャフトの位置を下げた専用設計のエンジンブロックとなっており、文字通り「Z20LExシリーズ最強のエンジン」となっています。勿論ECUマッピングも更に変更されており、アストラHのVXRモデルに搭載されていたエンジンです。搭載ミッションはLERと同じくM32ミッション。

なお「Z20LExシリーズ」は『Z20LE〜』までの文字まででシリーズ化を図っており、例えばスピードスターのZ22SEとは互換性はありませんし、Z20〜から始まるZ20NETエンジンとも互換性はありません。
(「Z20NET」「B207R」といった「Z22シリーズ」は「Z20LEx」より需要無さそうなので書く予定無し。)

難しいのが制御ECUが混在していること。
エンジン同士の部品の互換性はまだ分かるのですが、制御ECUも互換性があるのか…
兎に角エンジンによってはBosh Motronic「ME1.5.5」「ME7.6.2」が混在している状態です。(ちなみにヨーロッパSは7.6.2)
トランスミッションをM32化しているスピードスターオーナーも居たり、案外GM製エンジンは互換性の幅が広いようです。

そ の 寛 容 性 を 何 故 E C U に 活 か せ な か っ た の か


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