Surround me music, Feel Good #1

音楽を楽しむ時、その音楽の文脈や背景をがっつり知りたいと思い、作曲者や演奏者のインタビューなどで経緯を調べたりする。そうすることによってより味わい深く音楽を聴けると思うから。

ただ、「文脈や背景ありき」でないと音楽を聴かないかというと、もちろんそんなことはない。ただ「なんとなく聴く」というのも往々にしてありがちだし、全然それでいいと思う。なんとなくのふわっとした印象とか、いわば「衝動聴き」を楽しまないなんて、ある意味で人生損してるとさえ思う。

もともと自堕落な性格な自分が、「なんとなく好き」ではじまり(ポジティブな意味で)惰性で愛聴している音楽を、ゆるく、ぬるっとレビューしてみたい。とりあえずアルバムだったりシングルだったりで5曲。今後シリーズとして続けるかは謎。


クラシック音楽をなんとなく色々と聴いていた時期に好きだなと思ったアルバム。今でこそモーツァルトやニコラウス・アーノンクールについての予備知識はあるけど、そもそも、モーツァルトが何百年前の人物で、この曲がつくられた当時のヨーロッパの文明/文化がどの程度のものかすら知らなかった。そして生でオーケストラとか聴いたことなかったので、ピアノとかヴァイオリン以外はどんな(音が鳴る)楽器かすら知らなかった。そんな自分ですらただ純粋にピアノの旋律やオケが綺麗だと思ったし、今でもそう思っている。


『Singin' in the Rain』はL'Arc~en~Cielの曲の中でもアルバム「HEART」収録のみで、今のところライヴで日の目を見ていない曲だと思う。ホンキートンクピアノがジャズ風に奏されるBGMに、hydeの声が絶妙に妖艶で物憂げに、雨の降る光景を描写していく。kenのギターはヴィンテージ感も良いし、重ねられてるパターンは複雑でとても綺麗。90年代のJPOP/JROCKでも屈指のお洒落さだと思う。雨の日に引きこもって聴きたい、隠れた名曲。陰キャだけど。


LOUDNESSオリジナルメンバーでの再結成後の作品の一つ「BIOSHERE-新世界-」。その中の『Break My Mind」は従来のHR/HM感から距離をとったバラード的な趣がある。でもやっぱり野太いコーラスが入ってしまうとこに愛らしさがあるというか、「そういうとこだぞ!」とツッコミを入れるべきか…。実際には、昔からバラード調やウェット感ある曲もたくさんあるのだけれど、二井原実さんのヴォーカルが昔ほどハイキーでないことや、高崎晃さんのギターが超絶技巧を追及してない楽曲のコンセプトも含め、LOUDNESSっぽくないタイプの楽曲だけど、でもやっぱりLOUDNESSのバンドアンサンブルだからいいんだろうなぁと思う。


Deep Purpleの『Woman From Tokyo』は、日本の首都東京、そしてそこからやってきた女性がモチーフ。日本的な音楽が参照されているわけではなく、単純にそういう歌詞がハマったか、あるいはイメージとしての当時の「Tokyo」なのだろう。当時、メンバーにとっての東京の印象は実際に異国情緒だし新鮮極まりないところだったろうけど、逆にこの曲を聴く側にとっても新しいニュアンスだったんじゃないかと思う。間奏では異国情緒を飛び越えて近未来SF感すらある。最後はセッション風にピアノが楽しく踊りだし、フェードアウトしていくとことかも含め、ちょっとロマンティックだと思う。


『Fly me to the moon』といえば、ラテン音楽のジャンルの一つであるボサノヴァの代名詞と言ってもいいくらいの有名曲。フランク・シナトラやアントニオ・カルロス・ジョビンのヴィンテージ感ある渋い歌声と伴奏。そしてカフェテリアやバーでレコード再生されてそうな郷愁感も素敵だと思う。けれど、私には新世紀エヴァンゲリオンのEDだし、逆さまで回る綾波レイだし、高橋洋子さんや林原めぐみさんといった歌手なんだよね。だいぶ後になって「ルーツはそういう曲なんだ」って知るのだけど、色褪せない原風景と歌声。アレンジはストリングスがゴージャスだし、華やかで色気のあるもの。高橋洋子さんverと林原めぐみさんver両方引っ張ってきてみた。(海外の方が作成されたと思われる綾波ループ動画はちょっと怖い…。)

(※当初の埋め込み動画が削除されたため、終わりの文章と一致しません。2019.9.22補記)









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