見出し画像

最後の日

7月7日は息子の5歳の誕生日でした。

「三角の帽子かぶってハッピーバースデー歌って、ケーキのろうそくをフーってしたいなぁ」というので息子が寝静まってから飾りつけしました。

妙に凝り始めて絵とか描き始めたら止まらなくなってしまった。息子の好きなベスト3を昆虫、恐竜、魚からピックアップ。リュウグウノツカイが私のお気入りである。

そういえば高校の英語の先生の子供は2人いて2人とも7月7日生まれで、名前が世文(セブン)と太郎で、ウルトラマンが大好きなご主人がつけたって話ふんわり思い出すけど好きだな。


そして毎回感慨深くなるのが誕生日前日の7月6日。

その歳最後の日。

誕生日という新しい歳を迎える事も華やいだ気持ちでもちろん楽しいのだけれど、今の一瞬が限りなく、すぐ過去になっている事実に焦りと寂しさとなんともいえない気持ちになる。「ママぁ!見てみて!」と手を繋いでくれる今の姿。しゃがみこんでようやく目線が同じになるその背格好。大きくなったらティラノサウルスになると言ってる本気の無邪気さ。じゃあママはトリケラトプスになるよ、と言ったら「君のこと食べないから仲良くしようね」と言う優しい息子と恐竜になれる世界があればすぐにでも飛び込もうと思う。子供に依存するつもりはないが彼のフィルター越しに見える景色を常にクリアにする事ができるのなら全力を注ぎたいと思う。



と言うわけで4歳最後の日は箕面の昆虫館へ行ってきました。

ひとつ言っておきますが私は虫が大っ嫌い😭息子が見ている世界に近づく為ならと一緒に出かけるけどほとんどじっくり見ることはなく、見てるふりしてちょっと遠く見てたりする。

グールが人間の前で人間の食べ物を食べてるような感じ。

しかしここで彼を1人にしてはいけないと思うので一緒に学んでいくようにしていて。虫には興味ないけど虫が好きな息子には興味があるのでそこは追っていきたい。もはや教えてもらうと言うスタンスでついていく。

できない助手は「なるほどなるほど」の連続で隊長から情報をもらうのである。どんくさい助手を演じることで毎回たくさん教えてくれるようになった。隊長は分からないことは自ら図鑑で調べるし最近では私の知らないことまで知っている。とても悔しい。そして成長と共に少しづつ手が離れていってる感触を同時に感じて寂しくなったりとにかく助手は忙しい。


昆虫館では虫と触れ合いタイムと題してカブトムシやクワガタを触ることができる。隊長にとってはボーナスタイムだが助手にとっては恐怖タイムだ。しかし隊長といえどまだ生まれて5回目の夏。39回目の夏を迎える助手の方が人生経験豊富なのでよく理解しているが隊長は小さなバッタ以外の虫はまだ触れない。怖いのだ。しかしここはそっと見守る。小さなバッタはいけるがセミや大きなバッタは無理。カブトムシは憧れだがやはり触るのはNG。今はゲージ越しではないカブトムシとの初対面に目を輝かせている。両手は胸のあたりで握り拳となっている。緊張と興奮がこちらにも伝わってくるが、絵に描いたような戸惑いの姿に笑っちゃいけないけど笑いが込み上げてくる。控えめに言ってめちゃくちゃ可愛い。こんな姿を見られるのは助手にとってのボーナスタイムである。

できる、できないで捉えがちだが既に今、目の前の本物のカブトムシとの対面という経験だけで息子にとっては大きな進歩となる。最初は遠巻きから見ていた息子もすっかり慣れて掴めるようになっていた。他の子供たちは次々と出て行くが息子は結局最初から最後までカブトムシと戯れていた。私と違って集中力というか執着力がすごい。途中でうまく切り上げてサクサク次に進むような声かけもできるが4歳最後、今の彼の中で流れている時間は彼のものなので時間が許す限りそっとしておいた。


子供には敏感期というのがあり突然しゃがみこんでアリを見つめたり、お空を見上げたり一見大人からは無意味に感じられて「もう!早く行くよー!!」なんて急かしがちだけれど、子供は一生懸命五感を使って情報を取り入れているそうでこの時間が長ければ長いほど感受性が豊かに育つそうです。

息子はスペクトラムの特性を持っていてそれが生きにくさに変換されないように逆手にとって個性を伸ばす。


HUCのけいこさんが言ってた「特性があるくらいの方がいいんじゃないか」という言葉。ものすごく納得。これ聞けてすごくパワーがもらえた。私の座右の銘にしたい。


昆虫館を後にして向かうは箕面の滝。片道約2kmを休憩入れつつ見事に歩ききりました。道中が川沿いなので魚を見つける度に大興奮。よく目を凝らさないと分からないような魚(カワムツ)やカニをよく見つけるなぁと感心しているといきなり息子が「オオサンショウウオ〜!!!!!」と叫んだ。え?オオサンショウウオ?嘘だろ。と思ってたら本当にいました。

びっくり。元々私も自然は好きなのでわざわざ西表島とか波照間島とか行ったりして、見たことない生き物や植物探したりしてたんだけれど。箕面にオオサンショウウオとはなんだか得した気分。発見した息子は得意気で、その誇らしげな顔はどんなおもちゃを買い与えても見ることはできないような顔だったので私は更に嬉しくなった。


育児しているという感覚よりも息子と過ごす時間がいつも最高のエンタメのような感覚で私はいつも楽しみたいと思っている。「母」という概念は捨てた。そして堂々と自分のやりたい事も好きな事も見失わないように(今無職だけれど)生きていきたいなと思う。




HAPPY BIRTHDAY、いろんな経験をゆっくり積んでいこうね。

読んでいただいてありがとうございました。スキなどの反応していただけるだけで嬉しいです☺️よかったらシェアもお願いします🤲