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リラックスDAYS〜神話の世界〜

1日目の宿は
アーユルヴェーダの先生オススメの宿を
数ヶ月前から予約していた。

「料理もお風呂も何もかもオススメだから!」
「まいちゃんには絶対泊まって欲しいの!」

と言われて期待していたのだが
出発の2日前に宿から

「娘のお産が始まったので
宿泊をキャンセルして欲しい」

と電話があった。

お産が始まりそうなのは
先生から聞いて知っていた。
だから、日程を1ヶ月ずらしたのに
まさかの
そのお産も一緒にズレた!のだ。

そんなことってあるのか?
しかも、そんなおめでたいキャンセル
受けないわけにいかない。

おめでとうございます と言いながら
心の底から渋々キャンセルして
先生に相談して別の宿を取った。

当初の目的のお宿に泊まれなくても
そこにいる“おばあちゃん”に
会いにいってきて。

そう先生に言われた。

私が宿泊した地域は“雲見”という地域。
小さな海の集落。

雲見観光協会HPより拝借。
http://kumomikankou.com/sp/topics.html

小さな小さな集落だけど
ものすごく大きなパワーがあるところ。
そこにとある民宿があり
民宿の外に小さなお部屋があって
そこにおばあちゃんがいる。

留守にしているかもしれない。
眠っているかもしれない。
会えない時は会えないから
会えなかったら諦めて。

そう言われて
おばあちゃんのお部屋に向かった。

おばあちゃんは
外に椅子を出して座っていた。
そんなことは珍しいらしい。
宿には泊まれなかったけど
おばあちゃんと話をすることができた。

こんにちは!
実は今日
こちらのお宿に泊まる予定だったけど
お産が始まったとのことで
今日、泊まれなくて。
こちらのお宿によく来る私の知り合いが
おばあちゃんに会いに行って
挨拶しておいでって言われたので
新潟から来たんです!わたし!

と伝えると
そーかい、そーかいと言って
笑顔でわたしに握手を求めてきた。

握ったその手の力強いことったらなくて
しかも、その手を離さず
ずっとわたしの手を握っている。
そして何故か おばあちゃんは
涙を流していた。

おばあちゃんの話を手を繋ぎながら聞いた。
この辺りに伝わる神話のお話。
このおばあちゃんは
その神社に祀られた女神の使いの方。
なんとも神々しい方なのだ。

おばあちゃんの右手でわたしの左手を握り
おばあちゃんの左手でわたしの右胸を突く。

突かれた右胸が痛い。
かなり力強さ。
93歳とは思えない。

おばあちゃん、わたしの右胸何かあるの?
もしかして乳がんとか?

そう聞いてみた。すると

いやいや、そーじゃないよ。
あー、あんた。
悲しみや苦しみ、痛みを感じ取るんだね。
何も心配することはないよ。
時々、感じるだろう?
感じる人なんだ、あんたは。
あんたの手はね
神の使いだ。
神の使いだと思ってこれからは触れなさい。
そこから痛みは消えて全てを癒すから。
さぁ、浅間さまに登っておいで。
必ず1番上まで行くんだよ。
そこは日本一の神様がいるからな。


そうおばあちゃんは言って
わたしの背中を押した。

この地域には雲見浅間神社という神社がある。
http://www.fujisan-jinja.com/shizuoka/kumomi_sengen/index.php

ここには磐長姫という女神が祀られていて
ブスの女神だなんて言われている。
この神話のことも
上のリンクに書かれているから
興味のある方は是非飛んでみてほしい。

とにかく
おばあちゃんの胸と背中の
指2本突きが痛くて
とにかく登らなきゃと神社に向かった。

神社の入り口に簡単な地図があった。

ロッククライミング禁止?ってなに??
先生が「軽く登山だから」って言ってた。
なんか凄そう…

長い…階段

1番上にいくまでに3つの拝殿にお参り。
1番下の拝殿で祝詞をとなえ
2つ目の拝殿にお参りをする。

3つ目の拝殿までは
もはや階段なんてない。
木の根っこに足をかけて登っていく。

なめてかかっていた。
登山じゃん、マジで!
写メ撮る余裕ないよ。

ゼイゼイ息を切らして
ずんずん登っていく。

着いた…
息を切らして3つ目の拝殿にお参りした。

これで終わりなのかなと
あたりを見回すと
道じゃないけど どこかに行けそうな
通路らしきものがあった。

導かれるように向かうと

見たことないような
神々しい景色が広がっていた。

よくわからないけど
とにかく涙が止まらない。

傷つけられたこと
苦しかったこと
耐えきれなかったこと
重くて潰れそうなこと

そんなことが
すぐ近くにある
空にすぅーっと登っていく気がして
もう歩けなくなって
そのまま座り込んで
泣きたいだけ泣いた。

ひとしきり泣き終わって
スッキリした後に
急に心の中に浮かんだのは

「磐長姫はブスじゃないし妬みもしない」

よし、宿に帰って調べよう。


そう思って宿に戻り磐長姫を調べた。
行きと違って足取りは軽い。

宿に着くなり検索、検索、検索…

やっぱりそうだ!

醜い→見にくい

磐長姫は心を表し
木花咲耶姫は見た目を表す。

磐長姫は目に見えない物事の核となるもの。
木花咲耶姫は目に見える物質。

2人は姉妹で一心同体。

だから、瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)に
2人を引き離されたとき
世の中は有限の命となったのだ
と私は推測した。

誰だよ?
女性の
気持ちを踏みにじる
神話にした奴は。

少々腹を立てながら
夕食を楽しんだ。

伊勢海老生きてて
お造りが崩壊したシーンはコチラw

神話の中に入り込んだような
時空を超えた感覚が
とても心地よく
料理もお風呂大満足で
久しぶりに目覚ましをかけず
誰かに起こされることなく
ぐっすりと眠れて1日目は終了した。

泊まれなかった
おばあちゃんのお宿。
次に行く時には必ず
泊まりに行くぞ。

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