TBSの藤井健太郎氏ほど、時間軸の使い方が上手い人を知らない

水曜日のダウンタウンという番組だけは、レギュラーのテレビ番組の中で唯一オンタイムで見るようにしている。演出の藤井健太郎氏がめちゃめちゃ好きだからだ。

芸能人素人関係なくいじり倒す悪意のある演出で有名な人だけど、実は映像メディアにおける時間の使い方が物凄く上手いっていうことに最近になって気づいた。

最近だと水曜日〜内の「リアルスラムドッグ・ミリオネア」という企画が秀逸で、これは芸能人が一週間以内に起きた(番組が仕掛けた)出来事を思い出しながらクイズを問いていくというもので、映画「スラムドッグ・ミリオネア」がモチーフになっている。
VTRを見ているスタジオのパネラーや視聴者は最初神の視点から頑張ってるな〜と楽しむ訳だけれど、VTRの一部が解答となるような仕掛けがオチになっていて、視聴者は突然クイズを問いていた芸能人達を同じ状況に巻き込まれるという構造を持っている。

他にも、回答者の高校時代の同級生の名前や、昔遊んでいたドラクエの勇者の名前を思い出して答えさせる「クイズ☆アナタの記憶」だったり、年明けに「今年結婚/離婚しそうな芸能人」「セ・パどっちが勝つ」などの解答を収録して、年末に生放送で答え合わせをする「クイズ☆正解は一年後」など、時間軸を行き来する企画がとても多い。

特に「正解は一年後」の制作裏話では「年末特番をやらなくてはいけなくなったが、予算が無いので派手なセットを組んだりはできない。特番のスケール感を出すために、物理的ではなく時間的な方向に広げることでスケール感を出した」ということを述べていて、藤井氏の時間の捉え方・使い方がすごく面白いなと感じた。

そしてこのnoteを見てくれた人にこれだけは何とかして是非見てもらいたいのが「6人のテレビ局員と1人の千原ジュニア」という千原ジュニアのライブ映像。国内のキー局にいるテレビ局員にオファーを出し、千原ジュニアを題材にしたネタを一本書いてもらうというもので、TBSからは藤井健太郎氏が演出を手がけている。

(著作権保護で直接埋め込めなかった…画像にリンク貼りました)

これが最初見た時衝撃だった。舞台上にいる千原ジュニアの後ろにはスクリーンが設置され、そこでは過去ジュニアが発言している映像を切り貼りして流せるようになっている。これはリアルタイムで切り替えられるようになっているので、舞台上で「今」の千原ジュニアと「過去」の千原ジュニアの対話が繰り広げられることになる。膨大なアーカイブから成立する会話を選択するだけでもとんでもない労力なのに、しっかり面白くなるような素材の使い方や構成が練り上げられている事に笑いながら終始圧倒されてしまった。

「過去の自分と対決する」というコンセプトを映像のサンプリングによって実現するという手法は、番組内の音楽にtofubeatsやPUNPEEを採用するほどヒップホップが好きな藤井氏らしい手法だなと感じた。

最後のオチというか決着については是非DVDを見ていただきたいが、これも「アーカイブを再生して会話する」というファーストインプレッションの衝撃を上回る秀逸な結末だった。

いやー本当に好きすぎる…誰か11月10日の水曜日のオンエア持ってないですか

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ひつじ

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