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【マンガ業界Newsまとめ】ジャンプは海外イベントにも積極展開、U-NEXTもWebtoon進出「IP戦略の柱」に など|10/15-123

マンガ業界ニュースの週1まとめです。
マンガ業界向けイベントIMARTを運営する筆者が、動きの早いマンガ業界・Webtoon界隈のニュースを出来る限り一か所に集め、多くの方が短時間で1週間分の情報をチェックできることを目指しています。

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ジャンプの海外進出進行中

Anime Expo(7月)記事:ウェブトゥーンの可能性、集英社「ジャンプTOON」も参戦~「Manga Publishing Roundtable」

今週末、NYCコミコンに「MANGA Plus」が出展中。
ジャンプ+編集部スタッフが続々渡米。

副編集長、籾山氏によるブースの様子。

編集長、細野氏による取材の様子など。

ジャンプ+エース編集者、林氏による出展の様子。先日新宿で展開された『MANGA DIVE』をニューヨークでも上映。あれ、楽しいのですよね。

先週、MANGA Plusに課金機能を実装したと発表したこのタイミングで、ジャンプ+の主要メンバーがNYC-Comiconに訪れて大きく展開しているようです。

少年ジャンプの海外サイマル配信「MANGA Plus」と、ジャンプのWebtoon展開「ジャンプTOON」で、北米に向けて大きく踏み込んでいる様子が見て取れます。出版社の海外展開は現地に任されることが多かった中で、ここまで日本の本体スタッフが出ていくのは本気度合いを感じます。

米国での紙漫画販売好調を受けて、MANGA PlusやVIZ Mediaによる漫画の展開が加速化し、より大きな結果に繋がっていくか注目したいところです。


書籍、コミックに続き、IP戦略の柱として、U-NEXTオリジナルの縦スクロールマンガを配信開始。同時に縦スクロールマンガの外部調達もスタート

U-NEXTが、これまでのコミック展開に加え、オリジナルWebtoonも配信開始。プレスリリースには「IP戦略の柱」と謡っており、出版社やTV局などの出自とも違う純粋なプラットフォームとしての立ち位置から、IP展開を強く打ち出していく気合を感じます。

もともと、元祖音楽サブスクとも言えるU-SENが、「NEXT」を大きく謡って開始しており、国産映像配信プラットフォームとしてU-NEXTは最大規模。近年、映像・コミックなどにかなり力を入れており、その流れから内外への展開をはかっていると考えられそうです。

2本目の記事はダイヤモンドの株式ニュースですが、早速株価にも好影響を与える材料となっているようです。


国内News

IGポートグループの決算報告ですが、『転生貴族の異世界冒険録〜自重を知らない神々の使徒〜』が好調とのことでグループ全体の経常益にも影響を与えているようです。

同作は、原作が「小説家になろう」から「一二三書房」による出版。
漫画が本編「マッグガーデン」、スピンオフを「一二三書房」からも。
アニメはトムス系 「EMTスクエアード」とのこと。


広告マンガ大手のシンフィールド社が、「さいとう・プロダクション」と連携し『ゴルゴ13』や『鬼平犯科帳』といった作品を、企業へ提供可能になったとのこと。強いところには強そうな座組ですね。


「Appliv TOPICS」は15~69歳男女1,968人を漫画に関するアンケートを実施。

20代がもっともマンガを読んでおり、文中のグラフでは、漫画を読む方法として、無料漫画、紙漫画、電子書籍の順とあり、なんとなくマンガ好きな課金層というよりは一般層に広く調査したイメージですね。そうみるとこれはこれで面白いです。


もともとグループ内に専門学校グループVANTANを抱えるKADOKAWAですが、来年4月のタイミングで、東京と大阪にKADOKAWAマンガアカデミーを開校とのこと。1年遅れて名古屋でもスタートするそうで、1期生を募集するとのこと。

教育系の仕事をしてた頃に、就職にあたり最高の専門学校は、就職先に直結するトヨタ東京自動車大学校だという話は、教育関係者の中では良く言われていることでしたが、なにせ就職する会社直営です。この枠組みもそれくらい強いものになるかどうかですね。

今週話題になった動画ですが、ホリエモンがKADOKAWA代表取締役の夏野剛氏にKADOKAWAの好調さについて質問したところのみを切り出した動画のようです。

現在のKADOKAWAは年間5000作品を超える出版を行い、その中で良い作品をピックアップして映像化やゲーム化などのIP化を行っていることが好調さに繋がっているとのこと。

ジャンプやマガジンのような強力なマンガレーベルを持っていないKADOKAWAの戦略として、制作コストの低い文字物コンテンツを中心に多産し、数で勝負していると説明しています。

それそのものは明快な戦略だと思いますし、そのためのクリエイター確保を考えると、この教育事業は新人確保の流れまで垂直統合して多くの作品を作っていく基盤の一つと言えるかなと思います。


ガシャポン®で、マンガワンが5cmほどの漫画単行本を出すとのこと。これはちょっと面白いですね。


booklive系ポラリス10周年とのこと。


コミックナタリーでは15周年記念企画「この15年に完結したマンガ総選挙」を開催中のナタリーですが、同じレギュレーションで、所属記者が1作品選ぶ企画です。

メジャー作品ではないところで、面白そうな作品がラインナップされていて楽しいです。15年振り返ると、掘り起こしもあって良いですね。いくつか買ってみようと思いました。


最近、漫画についてタイパ系の話題の記事増えましたね。客筋が違ってきてしまっているのか、読み手側のバラエティの問題なのか。


DLSiteの「みんなで翻訳」サービスが、従来の5言語に対して9言語を追加して14言語に対応とのこと。

これは、DLSiteに掲載されるデジタル同人作品について、ファンが翻訳することについて了承をしたクリエイターの作品に限り、ファンの翻訳したものを正規の翻訳版として販売されるもので、翻訳者にも収益分配があります。

俗にファンサブと言われてきた海賊版の展開手法を正規化するもので、これが上手く行くと海賊版抑止や海外での販売向上につながるものとのして期待されています。特に売上については言及されていませんが、広がっているということは上手く行っているということなのだとは思います。


鈴木亮平さん、良いお仕事をされますよね。
漫画映像化の主人公役といえば、
シリアスだと山崎賢人
ちょっと面白い人だと小栗旬
変態だと鈴木亮平
で、間違いないというところでしょうか 笑


この記事はとても良かったです。ご一読おすすめです。


ニッパンと丹青社が取り組んでいる無人書店の記事です。
エキナカなどの人がいるところでも書店営業は難しい昨今、そこに完全無人店舗「ほんたす」を展開している経緯です。


今週話題になったTogetterです。

文脈や趣旨はリンク先を見ていただければと思のですが、この「音楽業界と全く同じミスをしている」という考え方について、10年前からギリギリ5年前くらいまでは、海賊版の隆盛などでそうなるかなという雰囲気もあったかと思います。

ただ、現在のマンガ業界は未曽有の好況を迎えており、Webtoonともども最終的には映像化他IP展開に及んでいます。大手各社がIP重視の体制にシフトしていっていることや、海外でのマンガそのもののマネタイズがWebtoonですら紙出版に向かっていることなどから、このサブスク論はちょっと古い考え方になってしまったかなと。

結局のところ、国内では十分にビジネスになっている状態を維持し、IP展開する際に内外に求められる良質な原作を多産出来る体制を維持することが、普遍的な戦い方なんだなぁというのが、最近の所感です。

そう考えると、海賊版対策を出来る限り行いながら、良質な作品を作り続け、本note冒頭にあるように海外展開を積極的に行っていくことが現時点でのベストアンサーであろうとは思います。


ちょうどこの時期、大手出版社は人事の季節ですね。小学館でもsho-comiを担当していた畑中さんが、異動されたようです。


コミックルーム石橋さんのツイートが、マンガ・リライティングバイブルという制作周りの方法論や、ストーリーに入っていて今週も面白かったです。個人的にマンガは人の世の救いだと思うのですよね。


イベント告知です。アーカイブも残ります。


今週のWebtoon新規参入・新たな動き

アニメイト系のロケットスタッフ社の動きが2つです。

Webtoonの投稿プラットフォームPLAYTOONSを運営する同社ですが、コンテペティション受賞作のインタビューを発表しています。

また、Webtoon用の背景素材アセットを発表とのことで、歌舞伎町の3Dアセットなどを発表しています。歌舞伎町、雰囲気出てますね。


この「サブスク不倫」というタイトルは、良いですよねぇ。


Webtoon制作受託推進キャンペーンとのことで、B2Bビジネスでキャンペーンを謡うのは、この界隈ではユニークですね。


AI技術を活用したWebtoon制作の開始とのこと。作品名はこれからですね。


海外News

*: 外国語の記事紹介もあります。自動翻訳など活用ください。

主に漫画原作のアニメに強いクランチロールの記事です。様々な国に展開するお話が面白いのですが、『「アニメと共にある人生」をセレブレイト(祝福)したいし、尊重したい』という表現は、なかなか味わい深いです。わかるような気がします。


冒頭で紹介したジャンプもNYC-コミコンに出てますが、韓国勢Webtoon関係も出ておりますね。


邦訳:ダークホース・コミックスがニューヨーク・コミコンのスケジュールを発表

ダークホース社などの北米勢も当然出ておりますね。


邦訳:VIZ Media、オリジナルの読み切りストーリー向けの新しい米国マンガ プラットフォームを開始

今度は、集英社などの北米展開を担うVIZ Mediaが読切を掲載するプラットフォームを開始とのこと。現地クリエイターを開拓していくというところでしょうか。


邦訳:カリュクのそれほど少女ではないラブストーリー。ウェブトゥーンから VIZ Mediaへ

ちょっと読み取りが難しいタイトルなのですが、韓国産Webtoon『Not So Shoujo Love Story,』という作品をVIZ Mediaが、グラフィックノベル、すなわち横漫画として販売するようです。こうビジネスのベクトルが色々交錯しますね。Webtoonの横漫画化みたいな形とも言えるのかしら。


邦訳:韓国の人気ウェブ漫画「Solo Leveling」が実写化されると報道

先日、ちょっとすっぱ抜き気味に記事にされていた本件ですが、正式に発表されたようですね。同作はこれで、クランチロールがアニメに、韓国で実写ドラマにということになりますね。実写はVFX凄そうですね。


邦訳:声優・佐竹宇綺がジャパンエキスポ・オルレアンに招待!

佐竹宇綺さんのニュースではありますが、同時に今月末にパリのお隣、フランスのオレルアンという街で、またジャパンエキスポがやるのですね。


「インドネシア コミコン x DG コン 2023」が開催されるそうなのですが、ホロライブが呼ばれてツアーをやるようです。


邦訳:コンテンツ ファースト、デジタル コミックのリーダーであり Tappytoon クリエイターが、オリジナルのロマンス ファンタジー ウェブトゥーンが日本で大ヒットし、大きなマイルストーンを達成
「アルタスの東風」と「愛人は逃げる」が日本のトップウェブ漫画プラットフォーム「LINEマンガ」で1位にランクイン

とのことで『アルタスの東風』と『愛人は逃げる』という作品などがLINEマンガで1位を取ったとのこと。

国産Webtoon制作企業でも、LINEマンガのランキングで上位を取ったことをプレスリリースなどするのですが、これは韓国のWebtoon勢Tappytoon作品が日本で上位を取ったという記事ですね。


「2023京畿国際ウェブトゥーン・フェア」に2万7844人来場とのことです。2019年開催の前回より2万人以上規模が大きくなっているとのこと。


AI・画像生成関連

Adobeが次々AI機能実装を発表していますね。


マイクロソフトも、Windows11上でのAI機能を出しています。


ゲーム業界では、制作ツールへのAI進出が早いですね。


こういうこともあるんですね。


今週のセール・キャンペーン・新人賞

GAコミック新刊発売記念!コミック・ノベルフェア


記事のみ紹介

「有力IPに選択と集中」なるほど。


告知関連

配信動画、作りました。司会してます。


インプレス社が『電子書籍ビジネス調査報告書2023』のWebtoonパートの執筆を担当させていただきました。

本書発刊にあたり、私からの紹介で本書を著者割引10%で販売できます。本noteご覧の皆様にはコードをお送りいたしますので、私の連絡先をご存じの方はご連絡ください。または、こちらの私の個人会社問合せフォームか、Twitter(X)のDMも解放しましたので、ご都合の良い方法でご連絡ください。

購入時に送付先など入力していただくことになりますので、私へのお問合せの際は匿名でも構いません。クローズでメッセージさえいただければOKです。主に法人向けの高価な本とはなりますが、よろしくお願いいたします。

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主に週末に週1更新ペースで書いています。たまに別途特集を書きます。マガジンTwitterのフォロー、よろしくお願いします!

現在私は、マンガ編集部やWebtoonスタジオが自社で作品の販売をできるWeb雑誌の仕組み、「コミチ+」の営業をしています。

コミチ+は、ヤングアニマルWeb、ヤンチャンWeb、ビッコミの他、来年に向けても大手出版社やWebtoonSTUDIOなどの大型受注を複数控えておりまして、絶賛エンジニア、Webディレクター(運用担当・データアナリスト等)などを募集中です。サービスがどんどん大きく広がっていく、これから滅茶苦茶楽しくなっていくタイミングです。詳細以下より。

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