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ハイブランドがもたらす喜び


私は美しいものが大好きだ。
だけどハイブランドにはずっと手が出せなかった。

その理由と変化について書いてみたい。

私の母は小学校の参観日には
ディオールを身に纏い
颯爽と現れるような人だった。

金沢の郊外にある公立の小学校で
ディオールなんて着てくる
お母さんは他にいない。
さぞかし目立っていたと思う。

うちは別にお金持ちというわけではなく、
母はフルタイムで働いたお給料で
美しい服や靴を手に入れていた。

エレガンスのあるディオールのスーツやニット、
構築的なフォルムが特徴的な
ティエリーミュグレーのセットアップ。

どれもうっとりするほど美しかった。

だけど、私の背が伸びて
ディオールがぴったり収まる体型になった頃
こっそり着てみたら、
がっかりするほど似合わなかった。

本当に美しいものを身につけるには
それを美しく身につけるだけの
風格や成熟さも必要だということを
身をもって知ったと思う。

だからなのか、若い頃周りが
ブランドバッグをこぞって手に入れていても
全く関心が湧かず、ハイブランドからは
ずっと遠ざかっていた。

ハイブランドの靴も服も買えないのに
頑張ってバッグを1個だけ持ってるなんて
むしろカッコ悪いと思っていたし

だったらハイブランドなんて一切いらないと
思っていた。

それに変化が起きたのは一年半前。

あるきっかけがあって、
ずっと憧れだったマックスマーラの
キャメル色のコートを購入した。

洋服に10万以上もかけたことがなくて
銀座のお店に3回も試着しにいった。

3回目でやっと心が決まって
手に入れられたコート。

母のディオールがしっくりこなかった
10代だった私が40代になって、
ちゃんとマックスマーラが似合う大人に
成長できていたことが、誇らしかった。

コートを着るたびに
そんな自分を自覚できるから
自然と背筋が伸びるし、
ふるまいも堂々としたものになる。

ふるまいから自信が滲み出るからか
周りからも丁寧に扱われる。

ハイブランドを身に纏う喜びを
初めて知ることができた。

そう考えると一着だけのハイブランドは
そうカッコ悪いものではなかった。

今はまだ、2着目は手に入れられていない。

でもしかるべき時に出会えると分かっているし
その時を楽しみにとっておきたいと思う☺️

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