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「便利」や「成長」の先に人の幸せはあるのか

本日、経営するラブグラフという会社で2億円の資金調達を行ったことを発表しました。大変多くの方にシェアしていただきTwitterのトレンド入り、ForbesとPRtimesのランキング1位を獲得させていただきました(本当にみなさまありがとうございます..)
※ラブグラフは「Love」をテーマに全国の選抜されたフォトグラファー300名と結婚や七五三といったライフイベントを残したいお客さんを繋いで写真を撮影するサービスです。

今回リリースを発表させていただいたのですが、それでも事細かに自分の考えていることを伝えるのは難しいので、リリースを発表したこのタイミングくらい自分の考えていることを語ってもいいかなと思い筆を取りました。ここから先も読んでくれる人はみんな大好き。

僕が「戦争」ではなく「Love」の写真を撮る理由

そもそも僕は起業するなんて夢にも思ってませんでした。高校は部活にも所属せず帰宅部なのに50m走6.2秒と足だけ早く、みんなより一本早い電車で帰ることしか取り柄がないような高校生でした。(そもそもこれを取り柄と呼んでいいのかは誰も知らない)

そんな僕が起業することになったのは大学で写真を始めたことがきっかけなのですが、最初からLoveをテーマにした写真を撮りたいと思っていたわけではなく、最初は社会学部でジャーナリズムを学んでいたこともあり、戦場カメラマンになって世界の悲惨な現状を伝えたいと思っていました。

しかし戦場の写真はたくさんあるけど世界中のあらゆる争いはなくらないし、戦地の写真を見た人も実際に自分がどう行動すればいいのかわからないのではないか。考えが変わるだけでなく行動も変わらなければ世界は良くならないと考えるようになりました。そうして辿り着いたテーマが「Love」です。

世界は幸せに向かっているのか

今の世の中はテクノロジーによりかつてないほど便利な世の中になったように感じます。僕もその恩恵を授かって生きているわけですが、本当にこのまま世の中が極限まで便利になった先に人の幸せがあるのかを疑問に思うこともあります。

テクノロジーは世界を便利にしたのですが、たった1つの重大な弊害をもたらしました。
「幸せの相対化による孤独」です。

テクノロジーの本質的な価値は「人間の機能拡張」にあると考えていて、身近なところで言えば電話は声と耳の拡張で、SNSで世界の絶景写真を見ることは目の拡張だと考えています。

そういう進化があり今ではインターネットを通じて世界中の情報を一瞬で知ることができるようになりましたが、インターネットを通じて知る自分より幸せな誰かと自分の現状を比較して、相対的に自分が幸せかどうかを感じるようになった人も多くなってしまいました。

今までは友達の友達までの情報しか入ってこなかったけど、今は自分に持っていないものを持っている人を探すことが簡単になってしまいました。しかしそんな人たちと比較していたらいつまで経っても幸せは訪れない。

アメリカの心理学会では既に『孤独』が『肥満』よりも公衆衛生上、深刻な驚異であることが発表されています。僕たちは既に何を手に入れるかよりも、どう生きるかに目を向けなければならなくなりました。
参照:https://www.businessinsider.jp/post-100761

「写真撮影」の会社ではなく「感性教育」の会社になりたい

かなり遠回りになりましたが、こういう背景から、僕は「世界中で孤独を感じたり、幸せの感度が鈍ってしまった人を幸せにするため」に今の会社を経営しています。

友達や家族や仕事仲間―――毎日いっしょに過ごしていると、一緒にいることが当たり前になってしまう関係に再び目を向けて、今ある幸せを再認識してほしいという思いで、ラブグラフは立ち上がりました。

重要なのは、一人ひとりが自分の身の回りにある小さな幸せに目を向けることです。その感性が身につけば、僕たちは人に優しさを与えることができて、その優しさの連鎖は世界を救うと信じています。

会社を立ち上げて4年が経とうとしています。楽なことばかりではありませんでしたが、4年前から作りたい世界が少しずつ形になってきました。ここまで来れたのも応援していただいた皆様のおかげです。ありがとうございます。

最後に僕が最も好きな8年前、BEAMS35周年の記念広告で使用されたポスターを載せてこの記事は終わりたいと思います。拙い言葉にも関わらず読んでいただいた皆様ありがとうございました。これからもどうぞよろしくお願い致します。




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