今日の俳句 花海棠

 庭に海棠の花が咲いているが、花びらが開くにつれて、蕾の頃の紅色も次第に薄くなってきている。玄宗皇帝が「海棠の睡り未だ足らざるのみ」と、ほろ酔いの楊貴妃を海棠にたとえた、という故事から「眠れる花」ともいわれるが、まさにそんな咲き方である。


             紅色のつぼみ可愛いや花海棠

             寝足りずに開く瞼や花海棠

             膝を折り下から覗く花海棠

             小さくも花海棠に安らぎぬ

             貴妃よりも貴女が好きよ花海棠


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