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ヨハン・ユスト・シューシャルト(Johann Just Schuchart :London. ca.1741-1753))破損したテナージョイントの修復記録 8

閑話休題

シューシャルトのバスーンについては、情報がほとんどないのですが、アメリカの新聞記事のデータベースに当時の記事として面白い情報をみつけたので掲載します。

(出典)
The Performing Arts in Colonial American Newspapers, 1690-1783
Text Database and Index
(by Mary Jane Corry, Kate Van Winkle Keller, and Robert M Keller)

データベースの記事によると、
シューシャルトのバスーンは独立宣言(1776年)以前、つまりイギリス第一次植民地帝国の北米植民地にあったようです。
現存するシューシャルトのバスーンはこの一本とされていますが、他にも製造していた可能性もあるので、この楽器がアメリカ大陸にあったかどうかはわかりませんが、興味深い記事なので以下に紹介します。特に「シューシャルト製の非常に良いバスーン」という記述に想像力をかき立てられます。

データベースより*******
場所:ウエストモアランド郡
引用:MG-A(G.757.024)
回答案を表示

1757年9月2日、ウィリアムズバーグ

ウエストモーランド郡ストラットフォード在住の署名者のもとから、8月28日(日曜日)に逃亡しました。チャールズ・ラブ、痩せ型の長身男性、およそ60歳。音楽、ダンス、フェンシングに堪能で、ヴァイオリンと管楽器全般を極めて巧みに演奏します。逃亡時にシューシャルト製の上質なバスーンを盗んで持ち去りました。また、古いオーボワとドイツ製のフルートが入ったオランダ製かドイツ製の楽器入れも持ち出しました。彼はバージニア製の鞍と粗い青のマントをかけた小さな白い馬に乗っており、サウスカロライナ州チャールストンに向かうものと思われます。

上記ラブを捕まえ、ストラットフォードの署名者のもとに連れ戻した者には、バージニア州内で捕獲の場合8ポンド、メリーランド州、ノースカロライナ州内で捕獲の場合9ポンド、大陸の他の地域で捕獲の場合10ポンドの報奨金が支払われます。

フィリップ・ラドウェル・リー 27世

署名:フィリップ・ラッドウェル・リー

**チャールズ・ラブ
ロンドン出身の音楽家・音楽教師

**フィリップ・ラドウェル・リー( Philip Ludwell Lee、1727年2月24日 - 1775年2月21日): 70歳 (「フィル大佐」という愛称もある)は、バージニア州の農園主および政治家であり、1756年にバージニア州北部の首にあるウェストモアランド郡のバージニア州議会議員を短期間務めた。バージニア州知事評議会議員を務める(1757年−1774年)。

補足
この広告は「メリーランド・ガゼット (アナポリス版)」の1757年9月29日号 (B0019128) に掲載されました。


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