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ちびまる子ちゃんを観て

こんばんは。
藤沢小春です。

私は昔からさくらももこさんのファンだった。
彼女の書いたコラムを読んで好きになり、彼女の生い立ちを知ってから見る「コジコジ」や「ちびまる子ちゃん」は面白かった。

そういう経緯で、声優のTARAKOさんが好きだった。
今日の放送は追悼回として、声優陣初代メンバーの神回「おばあちゃんの誕生日」だった。

ひろしとおばあちゃんが一緒に歩いていると、向こうから男の子とお母さんが手を繋いで歌をうたいながら歩いてくる。
その風景を見てひろしは自分が子供の頃の事を思い出して、歳とったなぁ。なんて言うシーンには涙が出た。

恐れながら、さくらももこ原作の話にはかなり泣かされている。
あのコミカルなギャグだらけの漫画の中に、実は家族愛と優しさ溢れるさくらももこの子供時代の思い出が詰まっているのだ。

大人になってから見ると、私が小学生の時住んでいたアパートの周りの景色や、若かった両親のことが懐かしく思い出される。

帰り道に通るお爺さんと柴犬の家や、放課後みんなで遊びに行った近所の駄菓子屋。
バス停までの道に大きな吠える犬がいて、怖くてその家の前を通れないから、塀と塀の間のほっそい猫の通り道を無理やり抜けていたことも思い出した。

嫌なことや恥ずかしい失態もたくさん思い出したのでそれについては今度書こうと思う。

大人になった今でも、私はすごく好きな時間がある。
夕方17時頃、空は夕焼けで橙色に照らされている。公園で遊んでいた子供たちはそれぞれ帰路につく。どこかの家の換気扇から肉じゃがの匂いがしてくる。

子供の頃の私に一気に引き戻されるような感覚に陥る。
暖かい家に帰る。
帰ったら母が笑顔で迎えてくれて、美味しそうな夕飯の匂いがする。
夜はゆっくりお風呂に浸かって、アイスを2本食べて、ひんやりする布団に潜り込んで、母が隣の布団に入るのを楽しみに待っている。

まだ眠くない。
そこには安心しきった甘えた顔の幼い私が、母を笑わせようとふざけた歌をうたっている。

まだ眠くない。
母に頭を撫でられて、そのやわらかい手を掴んで目を瞑る。

20年後、私は息子の手を握り、眠りにつく。
息子が大人になった時、時々思い出して心を温めてほしいと思う。
橙色の、肉じゃがくさい記憶。

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