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お酒を飲むと英語が流暢になる件とフィラーワードの功罪について考えてみた


お酒を飲むと英語が上手くなる?!

「私って英語 話すの上手いんじゃない?」
二十数年前、カナダに語学留学していた頃のお話。
週末にクラスメイトとバーに繰り出し、
ほろ酔い気分でわいわい楽しんでいるときに
思ったことです。
アルコールのおかげで緊張も解け、
すらすらと英語が口から出てくる!
なんだかペラペラになったような気がして、
やっぱ現地で勉強するってこういうことよね!と
嬉しくなったのを覚えています。
しかし翌週、学校に行って授業を受けてみると、
特段、自分の英語力に変化がないことに気づき、
あれはやっぱりお酒の力を借りた幻だったのかと
がっくり肩を落としたのでした。

お酒を飲むとマインドが解放される

お酒を飲むと英語が流暢になるというのは、
英語を勉強している人なら
多かれ少なかれ誰もが経験しているのでは?
これは、日本人のメンタリティーが
大いに関係しているらしいです。
確かに、お酒が入ると、文法とか発音とか、
もうどうでもよくって、とにかく
「オレの話を聞け~」状態になりますよね。
あとこれは個人差あるかもですが、
酔っぱらうと、声が大きくなる、手振り身振りが
激しくなる等、コミュニケーションスタイル自体が
現地式(?)に限りなく近づいていきます。

フィラーワードって最強かも?!

じゃあ、英語が上達するには、
究極バー通いを突き詰めればいいんじゃなね?
という話にもなりそうですが…。
留学やキャリアアップなどで
英語を学ぶ人にとっては、残念ながら
話はそう簡単ではありません(涙)。

とは言え、酔っていてもいなくても、
流暢かつ自然な感じて話すのに欠かせないのが、
いわゆる、フィラーワード(filler words)
ってやつです。これは、特に話すことがなくても、
間を埋めようと発する言葉のこと。

<代表的な英語のフィラーワード>
・You know(ほら)
・like(なんか)
・kind of(なんだか、ちょっと)
・I mean(というか)…等

まだまだ、たくさんありますが、
あとこれに、気の利いたタイミングで
That's true.(たしかに)、Really? (ほんとに?)
などのそれらしい相槌を混ぜていけば完璧!
「結構英語が話せる人」に聞こえます。
ただ「あなたはどう思う?」と話を振られた時
実力がバレるのでご注意を!!

英語に限らず、外国語を学び始めた時期に、
フィラーワードや相槌をできるだけ
たくさん収集して、実際に使ってみるのは
楽しいものです。それだけで、その文化圏の中に
いる没入感が出るし、とりあえず「しゃべれる感」も出せてしまう。
ちなみに、私もフランス語を学び始めた時には、
eh bien(えっと)、D'accord(オーケー)などの
先生の口癖をまねたり、恥ずかし気もなく、
C’est vrai ?(ほんとに?)、
C’est bizarre.(なんか変!)などを連発して
大いに楽しんでいました。

だけど…フィラーワードは諸刃の剣

後から知ったんですが、このフィラーワード、
実は諸刃の剣なんですよね~。
初心者レベルを脱して、英語のレベルが
上がっていくほど、場合によっては、
できるだけ使わないようにするのが得策。
ネイティブに言わせると、プレゼンとか
ビジネスの場で、Um… Uh…とか 、Let me see…
とか連発する人は「この人に任せて大丈夫?」と
不安になるそうです。

英語によるコミュニケーションでは、
次の言葉が思い浮かばない場合は
「沈黙」こそが正しい選択なんだとか。
英語圏で教育を受けると、スピーチなどの際に、
この「フィラーワード」を入れずに
簡潔に話すことを徹底的に叩き込まれるというのも納得です。

英語と日本語 コミュニケーションスタイルの違いとは

そう思うと、英語と日本語の
コミュニケーションスタイルには
やっぱり違いがありますよね。どちらかというと、
日本人は沈黙に耐えられないタイプ。
会話にやたらと相槌が多いのも有名な話です。
日本語的なコミュニケーションでは、
相手にいかに共感して相槌を打つか、
また、要件を切り出すまでの言い淀みを
自然に表現するかが肝だったりするので。

ちなみに、以下は中級以降の日本語学習者が
練習する代表的な会話例です。

A:あのう、今ちょっといい?
B:うん、いいよ。
A:ちょっとお願いしたいことがあるんだけど。
B:何?
A:実は、来週の月曜日、母が日本に来るんだけど、1週間ここに泊めてもいいかな。

【新板】ロールプレイで学ぶ中級から上級への日本語会話 第3課より

スタイルの違いで言うと、日本語においては、
公式な場でのフィラーワードワードは
ある程度許容されていると思います。
例えば、朝礼で長々と話す校長先生とか、
会社上司の結婚式でのスピーチとか…。
ただ個人的には、公式の場で
「え~と、あ~」「と言いますのは~」
「つまりですね~」とか連発されると、
ちょっと信用ならない政治家みたいで、
説得力が低下する感もあります。

結局 英語を話してどうなりたいかが重要

最後にここで言いたいのは、
「フィラーワードの使い過ぎにはご用心」
ということでしょうか。
自戒を込めてですが、地道なインプットを
スキップして「英語ペラペラな感じで話している」風の自分を描いている間はまだまだかと。
もちろん「バーで楽しいコミュニケーションを
取れるようになる」も立派な学習の動機づけだし、
到達するには結構努力が必要なんですが…。

何はともあれ、中身のある内容を英語で発信できるようになりたいな~と切に願います。
さて、そんなこんなで、今日も英語の勉強を始めるとしますか!

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