ボーカルが三人揃った、QUEEN唯一の曲
頭の中はQUEEN一色。ブライアンとロジャーが日本にいるというだけで、夢見心地な日々を送っている私です。
とはいえ、やはりフレディはいないんだなぁ、という現実を突きつけられているのも確かです。
…なんて感傷チックなことを書いていますが、私がQUEENを知った時には既にフレディはいなかったのだった。
ということで、今日はフレディがいなくなった後に出されたアルバムに入っている曲についてご紹介させてくださいね。
◼️フレディが亡くなった後に出されたアルバムについて
フレディが亡くなった約4年後にリリースされたQUEENのアルバムが「メイド・イン・ヘブン」(Made in Heaven)です。
こちらのアルバムはフレディファンには賛否あると思います。フレディが関わっていないアルバムなんて、なんだか嫌。という想い。いくらフレディの声を切り取ったって、そこにフレディはいないのだから。
しかも、このアルバムにはフレディのソロ曲をアレンジしたものも含まれており、勝手にフレディのソロ曲をQUEEN名義に変えてしまうなんて、けしからん!という想いの人もいるかもしれません。
逆にどんな形であっても、フレディの歌声をまた聴けるなんて、感無量。というファンもいると思います。
この感覚は人それぞれですよね。
フレディは生前「自分の曲は好きに使ってくれていい」と言い残していました。「ただし僕を決して退屈な存在にしないでくれ!」というフレディらしい発言も。
ブライアンやロジャーはきっとこの言葉を忠実に守ったのだろうな、と思わせる、もしもこのアルバムに思うところがある人には是非聴いてほしいのが、こちらの曲です。
残されたQUEENの三人のフレディへの想いが詰まった曲、というのは言い過ぎかもしれませんが、でもそんな風に思える曲です。
◼️三人がボーカルを取る曲
◆ Let Me Live(レット・ミー・リブ)
曲名は「Let Me Live」=直訳すると「生きさせて」
フレディが亡くなった後のアルバムに、こんな曲名。歌詞の中でフレディは、
と何度も歌います。
この曲名を見て、ドキリとしました。何故こんな曲を「メイド・イン・ヘブン」に入れたのだろう?
まさか死を間際にしたフレディが、必死の思いで書いた曲を入れたのか。「生きさせて!」と。それなら悲しすぎるではないか。
アルバムの和訳では、この「Let Me Live」の部分は「人生を奪わないでくれ」「生きていたい」と訳されています。
フレディが作った曲ならば、益々切ない。
しかし、こちらの曲はアルバムのレコーディング中にロッド・スチュアートとのジャムセッションでできた曲で、歌詞はロジャー作、フレディのボーカルは1983年に録音されていたのでした。フレディが元気いっぱいの頃です。
この背景を知ると、この歌詞でもホッとしますよね。
曲にするにはフレディの録音のパートが少ないことから、なんとロジャーとブライアンがボーカルに参加しています。
ここがファンにはたまらないところです。
数あるQUEENの曲の中で、三人がボーカルを取っているのはこの曲だけです。1983年の在りし日のフレディの声に、ロジャーとブライアンが寄り添うように参加しているのです。
ロジャーのハスキーボイスのなんて魅力的なこと。またブライアンの優しい歌声がこの曲ではとても力強くてカッコいい。そんな二人を圧倒するフレディのボーカル力!
この曲を聴くと、やはりQUEENのリードボーカルはフレディなんだと納得させられます。(ロジャー、ブライアン、ごめんなさい)
そしてこの曲の特徴は、なんと言ってもフレディが好きだったゴスペル風に仕上がっているというところです。
フレディの一番好きな曲は、ゴスペル風の曲、「Somebody To Love(サムバディ・トゥ・ラブ)」でした。当時は今のようなシステムがなかったので、QUEENのメンバーはこのゴスペルを再現するために、三人の声を何重にもダビングしていました。この力作の曲をフレディは気に入っていたのです。
そんなフレディを想ってなのか、しっかりとフレディ好みの曲に仕上げたブライアンとロジャー。そしてジョン。
残されたメンバーは、フレディと苦労して作り上げた「Somebody To Love」を思い出しながら、「Let Me Live」を作っていたのではないかな?なんて勝手に想像してじんわりとしてしまいます。
「Let Me Live」をフレディが聴いたら、さぞかし満足しただろうなぁ。
フレディのいないQUEENの二人が来日しているということで、なんだかこの曲を思い出してしまったのでした。
◆ こちらがフレディが好きだった「Somebody To Love」