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岩政大樹と那須大亮の対談を見てひとこと言いたい

先日、那須大亮さんと岩政大樹さんがカタールW杯について話す対談企画がありまして、私は思ったことがあったんですけれども、YouTubeのコメント欄に書くには、あまりに長くなりそうなので、ここに書きたいと思います。

カタールW杯を振り返って

まず始めに、スペイン、ドイツを破ってベスト16に行ったことと、でも目標としていたベスト8には行けなかったことから、サッカーファンの間でも褒める意見と多少の批判の声、色々な声があるが、岩政さんはどう思うかと質問がありました。


この質問に対して、岩政さんは、日本代表への認識の違いから意見の違いが出ていると言います。

どういうことかと言うと、
勝ちを重視している人は、今回の戦いを評価するし、日本代表を日本サッカーの象徴として見てる人は、選手の個性を生かしたような戦い方をして欲しいという見方になると、

その上で日本サッカー協会は、W杯で勝つ為にやるのか、日本サッカーの象徴としてやるのか示すべきだと仰ってて、それを示せばファンもそういう見方が出来るし、日本サッカーがこういうサッカーをやると示せば育成世代は代表を見てお互いに学びがある、という主張です。


つまり、岩政さんは、スペイン、ドイツに勝ったのを評価する人と、守備的なサッカーじゃなくボールを保持して攻撃的なサッカーをしてほしいという人は、その前提となる認識の違いからこういった意見の違いが生まれてると思うと主張されてました。

だから、日本サッカー協会が、どちらの路線でやっているのかをはっきり示せば、ファンもそれをもとに意見を言えるだろうと発言したわけです。


一見すると、すごくまともなことを言っているようですが、私はこれにひとこと言いたかったのでこの記事を書くことにしました。

ファンの意見の違いはどこから生まれているのか

まず、岩政さんはシンプルな事を難しく考えすぎじゃないかと思うんです。

岩政さんが仰るように考えている方もいらっしゃるでしょうけど、私から言わせると、ファンの意見の相違は認識の相違から来ているのではなくて、森保監督が好きじゃない人は否定的な事を言うし、森保監督に好意的な人は肯定的な事を言う、ただそれだけだと思うんですよね。笑

というのも今回、守備的なサッカーを展開したから、内容やサッカースタイルを重視する人から批判が出たわけですけど、一方で当初の目標だったベスト8は達成出来てないじゃないですか。ですから、本当に勝ちや結果を重視する人なら同様に批判が出るはずで、だから認識が違ったとしても意見の相違はさほど生まれないだろうというのが私の意見です。

それに日本サッカーの象徴とか、そんな堅苦しいことを、いちサッカーファンが考える訳ないでしょう。実際、ファンや解説者やジャーナリストからも「象徴」なんてワードは聞いたことがありません。

ですから、これは直感的な感覚論なのですが、私から見たら森保監督を好意的に見てるかどうかで結果の受け止めに違いが生じているんだと思うんです。

今大会、解説で話題になった本田圭佑さんも、元々森保監督の守備的なサッカーに批判的で、日本敗退後もこれからの日本はもっとボールを持ってアグレッシブに戦うべきと言っていました。

ネットの意見を見渡しても、元々森保監督で結果が出せる訳ないと言ってた人は、ドイツ、スペインに勝った事を評価しつつも、「弱者のサッカーは続けるべきじゃない」とか「このサッカーでは再現性がない」とか言って批評していました。

逆に、大会前から森保JAPANを応援していた人は、「よくやってくれた!」「ブラボー!」と褒め称えたり、労いの言葉をかける人が多い気がします。

ちなみに私は、森保監督に対して好意的な人間だったので、敗退後も、肯定的な意見を主に言ってます。^_^


勝つことと日本サッカーの象徴としてやること

そして、岩政さんは、「勝つこと」と、日本サッカーの象徴としてやること、つまり「日本のサッカースタイルを作ること」を分けて考えているようですけど、そこがそもそも納得いきません。

ちなみに、某サッカー解説者で現在YouTuberとしても活躍しているJ氏も同じ様に、日本サッカー協会が、日本の目指すサッカースタイルを発信して示すべきだ、そうしたら育成世代も、そこに向かって統一して育成していけるじゃないか、そして4年とか8年かけて日本サッカーを強化していくべきだ。というような発言をしているんですよね。

この意見に、私は昔から反対で、そもそもサッカースタイルというのは自ら目指すものではなくて、長い歴史を経て、振り返ったらこういう戦い方をしていた、それで結果が付いてきた、そして周りから「日本はこういうサッカースタイルだよね」と言われて、そこで初めて自覚を持つのだと思います。

ロシアW杯後、西野JAPANの戦いぶりを観たサッカー関係者から「ジャパンズウェイが見えた気がした」という声が出たように。因みに、私も、このとき初めて「日本サッカーの芽が出た」という感覚になりました。

それに、「日本のサッカースタイルはこれです!」なんて誰が決められるんですか。
方針を示して、4年、8年経って結果が出なかったとき誰が責任を取れるんですか。

日本のサッカースタイルを示すということは、そのスタイルに合わない選手は、はなから構想外になるということですよ。
加えて、選手育成に偏りが生まれることも懸念されます。
それで、日本サッカーが強くなると、本気で思っているんですか。
もっと真面目に考えてくれよ。と言いたくなります。

したがって、私の意見では、勝ちを目指す事と、日本のサッカースタイルを作る事は矛盾しないのです。

昔、4年毎に外国人監督を連れてきて、それぞれで違うサッカースタイルを指向する事を
「これじゃいつまで経っても日本のサッカースタイルが決まらない」
と批判する人がいましたが、これも、私に言わせれば、日本のサッカースタイルを作っているとも言うことが出来るのです。

日本のサッカースタイルを作りたいなら勝ちを目指してあらゆる手を尽くせばいい。
その中で生き残ったものを採用すれば、それがおのずと日本のサッカースタイルになっていくのです。

ですから、岩政さんは、「結果」と「サッカースタイル」を天秤にかけて議論していますが、そもそも全くそんなことをする必要はないのです。


1戦必勝

そして、さらに気になったのが、「日本はドイツ、スペインに勝ったけど、彼らが1戦必勝で入ったようには見えない」と言う発言。

彼らは、優勝を目指してるからそこに合わせてピークを持っていってる、対して日本は、ドイツ戦やスペイン戦に全てをかけて勝ちに行った、そこの文脈を見ないと冷静な分析はできないという主旨の発言をしています。

私は、率直に言ってこの発言を聞いたとき、この人頭大丈夫かな⁇と耳を疑いましたし、よくよく考えてもよくそんなことが言えるなと思いました。
手厳しく言っているように聞こえると思うのですが本当にそう思ったんです。

というのも、ドイツのハンジフリック監督は日本代表戦のビデオを自ら見て分析したと聞きましたし、スペインにしてもルイスエンリケ監督が勝ちに行くと公言して、実際3戦目でしたけどベストメンバーで来てたじゃないですか。

あれを見て1戦必勝じゃないと見るのはいかがなものかと。

それに、もし本当に70〜80%の力で来てたとしても、それは自らの力を過信し過ぎていた、もしくは日本の力を舐めてかかって見誤ったわけで、それも含めて実力だろうと思うわけです。

ポルトガルがモロッコに負けましたけど、「いやいやポルトガルは優勝を目指してたから、その文脈で見ないと..」とか言うんですかね笑

私は、ドイツのハンジフリック監督が、試合中に困惑した表情を浮かべたり、スペインのペドリ選手が試合後、呆然として突っ立ってたのが全てだと思いますけどね。

そして、この発言は、実は監督としても底が知れる発言で、どういうことかと言うと、岩政さんが監督を務める鹿島がグループステージで負けた時、同じようなことを言うかもしれないと言う事です。

「優勝までを考えていたから調整が足りなかった」

もし、岩政監督がそんな事を言ったら鹿島サポーターは納得してくれるのでしょうか。


「邪道」と「王道」

そして、もう一つ議題に挙げたいのが、「邪道発言」。ドイツ、スペイン戦で戦術をガラッと変えたけど、あれは言ってしまえば王道じゃなく邪道だから、あれではベスト8、4までは行けないだろう、と。

要は、4年間の積み上げじゃなく、その時たまたま上手くいったものでは、勝ち上がるのが難しい、だから4年間で王道を積み上げて磨いていき、それで勝負しないと勝てないという主旨です。

いやいや、そうは言いますけど、私は、そもそも勝つ為にした選択に邪道も何もないだろうと思うんです。

4年間やってきた4バックを捨てて、練習をほとんどしてこなかった3バックを採用することも、試合に勝つ為だったら、あり得るだろうと考えるわけです。

あれを、邪道と呼ぶのなら前回、西野監督がやった10分間のボール回しは、岩政さんに言わせたら「外道」になるんですかね笑

まあ、それはいいとして
前述した、「勝つ事」と「日本サッカーを作る事」を区別するのもそうですが、なんで「邪道」「王道」と色分けするんですかね。

仮に、あえて色分けして考えるなら、岩政さんは「王道を積み上げて、それで勝負しないと勝ち上がれない」と言いますけど、ドイツやスペインは、王道を積み上げても勝ち上がれなかったじゃないですか。

何なら、その王道を積み上げた2チームに、邪道の日本が勝ったわけで、やはり、王道、邪道と区別すること自体、無意味なことだと思わざるを得ません。

それと、繰り返しになりますが、この「邪道、王道発言」は勝負師として、監督として、向いてないんじゃないかと思わせるような発言です。

監督は、勝つ為にあらゆる選択肢から勝つ確率が高いと思うものを選ぶのが仕事であって、そこで、
「こっちの選択肢は邪道だよなー」
などと言う思考が入り込んでたら正しい選択なんか出来るわけがありません。

ですが、たとえ「王道」を選んで負けても、サポーターがそれで納得できるなら私は何も言えませんけどね。

なお、王道を貫いて負けたドイツとスペインのサポーターは、ひどく憤慨しているようですが。


ここまでで、私の言いたいことは書き終えました。

と言いたいところなんですが、もうひとことあるんです。すみません。(^^;;

サッカーエリートのズレ

それは、元プロサッカー選手を経て現在、解説者や指導に携わる、いわゆる「サッカーエリート」の人達の意見のズレ具合や違和感、もっと大きく言うとファンを含めたサッカー界全体のズレとも言いましょうか、が気になるということです。

というのも、私ような、ただのサッカー好きの素人が、たったひとつの動画内の発言でこれだけ指摘できてしまったのに対し、他方では、それらの発言を聞いて、

「岩政さん、頭いい人なんだな」
「すごい分析 さすが監督」
「感動した」

とかいうコメントをしてる人がいて、さらにたくさんのグッドボタンが押されてたんですね。

コメント欄の感想では、岩政さんは頭がよく、優秀な監督らしいのですが、今回の私の記事を読んで、みなさんそう思いましたかね。笑

私は、正直、評論家としても監督としてもダメだなーという感想でした。(ハッキリ言ってスミマセン)

考えられる可能性は、主に2つで、サッカーエリートと多数のファンがズレてるのか、私がズレてるのか笑、ですね。

でも、私の書いた文章を読んで頂けたら、多くの人はある程度まで、納得していただけると思うんですよね。

だから、私は、岩政さんやサッカー解説者でYouTuberの J氏をはじめとした、多数のファンがズレてきているのではと感じ、この先の日本サッカーの未来を少々危惧しております。

ですから、これを読んだ方は、YouTubeのコメント欄にあるような、
「岩政さん凄いなー、頭いいなー」
とすぐに納得してしまわないで、ぜひとも一度自分の頭でよく考えてから、自分の意見を形成してほしいなと思います。

その意見が、この先日本サッカーが、おかしな道に進もうとした時、ディフェンスとなって立ち塞がり、暗黒への道を阻止することができるのです。


さて、これで私の書きたいことは書き終えました。ありがとうございました。

皆さんは、この記事を読んでどう思われましたか。
「そうそう私もそう思ってた!」
でしたか、それとも

「なにを素人が偉そうに言ってんだ」
でしたか。

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私はこれからも、時々、サッカーに関する自分の意見を書いていこうと思います。

興味がある人は、是非フォローよろしくお願いします。^ ^

それでは、ありがとうございました。

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