【運動連鎖】

セラピストとして成長できるようにアウトプットしていきます!
本日は【運動連鎖】についての投稿です。

運動連鎖の概念は「ある関節の運動が他の隣接する関節へ影響を及ぼす」
下肢の運動連鎖において荷重位では解剖学的、生体力学的に人の動きが拘束されるためある程度の規則性をもって身体の動きが連動する。

【下行性運動連鎖】

下行性運動連鎖は骨盤からの運動連鎖なので脛骨よりも大腿骨の動きが大きくなる。
なので脛骨と大腿骨は同じ方向に動くが膝関節は相対的に骨の運動とは違う運動になる。

骨盤前傾時の運動連鎖
    ↓

  1. 股関節:屈曲・内転・内旋

  2. 大腿骨:後方・内側・内旋

  3. 膝関節:伸展・外反・外旋

  4. 脛骨 :後方・内側・内旋

  5. 足関節:底屈・回内

  6. 前足部:回外

骨盤後傾時の運動連鎖
    ↓

  1. 股関節:伸展・外転・外旋

  2. 大腿骨:前方・外側・外旋

  3. 膝関節:屈曲・内反・内旋

  4. 脛骨 :前方・外側・外旋

  5. 足関節:背屈・回外

  6. 前足部:回内

骨盤前方回旋時の運動連鎖
     ↓

  1. 股関節:伸展・外転・外旋

  2. 大腿骨:前方・内側・内旋

  3. 膝関節:屈曲・外反・外旋

  4. 脛骨 :前方・内側・内旋

  5. 足関節:背屈・回内

  6. 前足部:回外

骨盤後方回旋時の運動連鎖
     ↓

  1. 股関節:屈曲・内転・内旋

  2. 大腿骨:後方・外側・外旋

  3. 膝関節:伸展・内反・内旋

  4. 脛骨 :後方・外側・外旋

  5. 足関節:底屈・回外

  6. 前足部:回内

※大腿骨より骨盤の動きの方が大きいので、股関節の運動は大腿骨の回旋方向とは逆の動きになる。

【上行性運動連鎖】

上行性運動連鎖は足部からの運動連鎖なので大腿骨より脛骨の動きが大きくなる。

足関節回内時の運動連鎖
    ↓

  1. 脛骨 :前方・内側・内旋

  2. 膝関節:屈曲・外反・内旋

  3. 大腿骨:前方・内側・内旋

  4. 股関節:屈曲・内転・内旋

  5. 骨盤 :前傾・前方回旋

  6. 体幹 :同側に回旋・側屈

足関節回外時の運動連鎖
     ↓

  1. 脛骨 :後方・外側・外旋

  2. 膝関節:伸展・内反・外旋

  3. 大腿骨:後方・外側・外旋

  4. 股関節:伸展・外転・外旋

  5. 骨盤 :後傾・後方回旋

  6. 体幹 :反対側に回旋・側屈

※上行性運動連鎖と下行性運動連鎖の骨の運動連鎖は同じだが、関節の動きは異なるので注意。上行性と下行性で大腿骨と脛骨どちらが大きく動くかで関節の動きは変わる。

【骨盤の前方・後方並進】

骨盤の前傾、後傾だけでなく重心移動によっても運動連鎖は生じる。
並進での運動連鎖は重心移動により足圧中心が変化するので足部からの上行性運動連鎖が影響すると考えられる。

骨盤前方並進時の運動連鎖
     ↓

  1. 前足部:回外

  2. 足関節:回内・背屈

  3. 膝関節:屈曲・外反・外旋

  4. 股関節:伸展・内転・内旋

  5. 腰椎 :伸展

  6. 胸椎 :屈曲

骨盤後方並進時の運動連鎖
     ↓

  1. 前足部:回内

  2. 足関節:回外・底屈

  3. 膝関節:屈曲・内反・内旋

  4. 股関節:伸展・外転・外旋

  5. 腰椎 :屈曲

  6. 胸椎 :屈曲


矢状面における運動連鎖は骨盤の前傾、後傾による回旋運動と前方、後方並進による重心移動の組み合わせによって推測することができる。
患者さんのアライメントを評価する際にどの運動連鎖が一番影響を及ぼしているのか判断できるようにしたい。

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