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ふーちゃんとの突然の別れ



2022年6月4日(土)、転覆病寝たきり要介護金魚のふーちゃんが息を引き取った。

前日の夜、いつものように手のひらでごはんをあげていたら、ふーちゃんが口に入れたごはんを、ぷはーと戻してしまった。あれれ、食いしんぼうふーちゃんがごはんを食べない。いや、食べるけど吐いてしまう。3回トライしたけど、ダメだった。今までそんなことがなかったから、とても心配した。寝たきりでも食欲旺盛で、自分から私の手のひらに乗ってくるくらい元気なのに。

翌朝、私が起きたときにはすでに、ふーちゃんの魂は抜けてしまっていた。ふーちゃんはあっけなく逝ってしまった。

悲しくて悲しくて、わんわん泣きたかったけど、その日に出かける用事があったので、とにかくふーちゃんを水からあげた。らんちゃんの時と同様、タッパーに濡れたキッチンペーパーを敷き、ふーちゃんを横たえ、その上からまた濡れたペーパーでお布団をかけた。どうしよう、思ったけど、タッパーのフタをして、出かける前に冷蔵庫に入れた。


帰ってきてから、改めてふーちゃんと対面した。いつも元気だったから、止まっているふーちゃんを見るのは初めてだった。ふーちゃんはいつも右下にして横になっていたから、右の胸びれはすり切れてほとんどなかった。泳げないのに一生懸命がんばってたんだよね。ふーちゃんのしっかりした大きな目を見て、涙がこぼれた。

ふーちゃんはウチに来たときからいちばん人懐こくて、食いしんぼうで、大きくて、元気だった。本格的に転覆するようになってから、私は寝返りをサポートしたり、口元にごはんを持っていったり。ふーちゃんが私の手のひらでごはんを食べるようになってから、10か月間、毎日の触れあいが私は嬉しかった。


こんなに突然、ふーちゃんとのお別れが来るとは思ってなかった。タッパーからいったんふーちゃんを出して、手のひらにのせた。赤と白のからだがきれいだった。あんなにぷっくりしていたけれど、時間が経ったら、ずいぶんしぼんでしまった。もしかしたら腎臓が悪くなっていたのかもしれない。タッパーのいちばん下に保冷剤を置いてから、また濡らしたペーパーを敷き、きれいなままの左側を上にして、ふーちゃんを寝かせた。そのまま一晩じゅう、一緒に過ごした。ふーちゃんの、お通夜。かわいいふーちゃんとの思い出を振り返って、たくさん泣いた。


翌日の日曜日、保冷剤を取り替えてから、ふーちゃんが横たわるタッパーを持って実家に行った。母が庭の一角に、らんちゃんの近くで水仙の根元に、穴を掘ってくれた。私はふーちゃんにお別れを言って、目をつぶって土をかけた。義理姉Mちゃんも手伝ってくれた。

水仙には毒があるから、実家の周りにいる野良猫たちも、掘り起こしたりしないだろう。来年は、きっと、きれいな花が咲くだろう。

ふーちゃん、安らかに。

転覆前のふーちゃん
たくさんの思い出をありがとう

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