あいこがれ
あたくしには、憧れの人がいます。
彼は、あたくしのような田舎の片隅でゆらゆら毎日を過ごしてるような人間とは程遠い、
きらびやかな世界に生きている人です。
彼のことを一言であらわせ、なんて言われたら、すぐさま「太陽」と答えるでしょう。
ファンたちに「太陽」「天才」「主人公」と形容される彼は、
持ち前の才能と愛嬌で、ほしいもの全てを手に入れる。
上手くいってもいかなくても、意にも介さずころころ笑って、そのくせ時折、もの悲しそうな顔をする。
そんな人なのでございます。
彼はいつも「僕は言葉より色や匂いが先に来るんだ」、とおっしゃいます。
いわゆる共感覚、というやつなのでしょうか。
一方あたくし、そんなこと感じたこと一切ございません。
私の中はいつも考えごとでいっぱいで、
景色や香りの情報は、入れようとしないと入ってこないのです。
考えてみれば彼とあたくし、ほとんど共通点がございません。
育った環境も、考え方も、性格もなにもかもまるで違う。
きっと世界の感じ方も全く違うのでしょう。
それでも彼に大層惹かれるのです。
彼を知ってから、恋慕、崇拝、畏怖ともいえるこの感情が、ずっと私の中でうねりをあげているのです。
あたくしがその方に憧れるようになったのは、彼のnoteがきっかけでした。
初めて彼の書く文を読んだとき、そこからは色も匂いも、頬を撫でる風の音さえ感じられました。
彼はこんなふうに世界を捉えているのだな、と思ったことを記憶しております。
それは、風が吹き抜けるような感覚で、まさに彼に抱く印象と同じものでした。
快晴のようで、海風のようで、草はらのような彼の、見ている世界に少しでも近づけたら。
それが、あたくしが文章を書きはじめた理由なのでございます。
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