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時代を超えて引き継がれるもの

中高生の息子、娘は、ゲーム、アニメ、漫画、音楽が好きだ。私は前回音楽好きであることについてふれたが、それ以外は大体引退している。しかし、息子、娘をより理解したいため、子供達の好きなものには関心がある。

そして、私の世代から脈々と引き継がれているものと言えば、ゲームで言えばマリオだろう。ファミコンから今日のSwitchに至るまで、子供たちを魅了し続けている。
私が子供の頃、ガチャポンでマリオのミニフィギュアを当てて、大事に握りしめていたことを思い出すが、先日、映画館でスーパーマリオを観てきた息子はとても喜んでいた。世代を超えても息子と共有できるものはそれほど多くない。

また、息子、娘は、Amazonプライムビデオなどでありとあらゆるアニメを観ているが、それらの作品の多くは、ジャンプで連載されていたものである。ジャンプというコンテンツもマリオと並び、日本に留まらず、多くの世代がお世話になったエンタメなのではないだろうか。
こち亀、キン肉マン、キャプテン翼、北斗の拳、ジョジョ、スラムダンク、ワンピース、ドラゴンボール等、数えきれないヒット作品があり、私の職場のとあるヨーロッパ人もジャンプコミックのアニメで育ったという。

そして、ジャンプ作品を主として、それ以外でも、サンデー、ビッグなど、いろんな週刊少年誌があるが、私が圧倒的に好きな作品がある。それは、週刊少年キングに掲載されていた「銀河鉄道999」である。

この銀河鉄道999は、宇宙戦艦ヤマトやキャプテンハーロックなどを世に出した故・松本零士の作品で、私の幼少期に既にアニメ化し、気付いたら終わっていたのでリアルタイムでは、ほぼウォッチできていない。
しかし、中学時代、7つほど年が上である従兄が読まなくなった漫画をどっさり家に持ってきてくれて、その中の一つに銀河鉄道999もあり、ますかけ相の私の両手は、そのコミックを手にし、熱心に読んでいくことになる。宇宙、青春、人生等を題材にしたドラマチックな作品だ。少しネタバレ的だが紹介をすると、以下の通りである。

未来の地球や宇宙が舞台で、人間が体を機械に移植できるようになり、人類は永遠の生命を手にするようになる。
主人公・星野鉄郎の父は、人類の機械化に反対した人物で、機械化による人類反映を唱える人達により殺され、鉄郎は母親と貧しい生活をしていた。
機械化人がすっかり一般的になった世界で、高価な機械の体を手に入れることができない人達は、貧しくいずれ朽ちていくだけで、機械化人至上主義の中、生身の人間への尊厳性は失われていた。鉄郎は、手に入れるのが困難という銀河鉄道999号チケットをいつか手にし、機械の体をただで手に入れることができるというアンドロメダ星に行くことを夢見ていた。
そんなある日、人間狩りをしていた富裕層の機械化人に鉄郎の母が殺されてしまうも、アンドロメダ星行きの銀河鉄道999のパスをくれるという美女メーテルに出会い、2人は銀河鉄道999に乗車し、宇宙のあらゆる星で、様々な人物と出会いながら、人間として生まれたこと、機械化人として生きることを考察していくようなストーリーだ。

確か鉄郎の具体的な年齢は描かれていないのだが、中高生くらいだと思われる。この宇宙があまりにも広く、私の常識や考え方、そして思い悩んでいることがとても小さいことだということを思わされ、本当に大事なことはなんなのかを鉄郎と共に考えた。
思いもかけず、私の人格形成に影響を与えた知る人ぞ知る名作だが、この作品については、まだ息子、娘とは共有できていない。

マリオやジャンプ、銀河鉄道999の奥にある、人として人生の中で大切なものも、時を超越して引き継がれるものがあるのではないだろうか。

挿入ソング:


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