甲田学人作品のざっくり紹介


はじめに

ねんじゅもです。
この記事はライトノベル作家/メルヘン奇談小説家の甲田学人さんの作品をざっくり紹介するコンセプトで書かれてるよ。
極力他作品を用いた喩えとかネタバレとかはないようにしてるよ

基本的に全部に言えること

・ホラー要素が強い
・主人公の癖が強い
・死亡者が多い

Missing

全13巻
 古めの伝承と都市伝説が合わさった感じの作品。
怪談を通して現世を侵食する怪異に巻き込まれる人々の話。
 一般人寄りの感覚を持った主人公・近藤武巳と、過去に怪異に巻き込まれたことで非人間的になった主人公・空目恭一のダブル主人公。
 神隠しや憑き物筋といった古い怪異から、メイインブラックみたいな組織や呪いのメールといった新しめの怪異まで、題材は様々。
 電撃文庫で発刊されていたものとメディアワークス文庫文庫から新しく出たものがある。漫画版も存在。

 依談とかそういう系列の作品好きな人におすすめかも。

断章のグリム

全17巻
 童話(+物語類型)と異能要素が組み合わさった感じで、「この作品のジャンルはメルヘンです。」と言われたら直球でメルヘンだと思える作品。集合無意識からうかびあがってくる神の恐怖と個々の人間のトラウマが合わさることでおこる怪異〈泡禍〉を鎮圧する民間異能者団体の話。
 〈泡禍〉だけではなく、〈断章〉(泡禍による怪奇現象が原因で負った怪奇現象つきPTSD、本作での異能力)や〈潜有者〉、〈異端〉(泡禍の発生源となった人、後者がSAN値0)などこの作品独自の用語が多い。
 本作主人公は一見近藤武巳のような一般人寄りに見える人物の白野蒼衣
 本作の怪異の設定と主人公の異能の関係上、怪奇現象に対する物語類型的な考察やトラウマに対する考察が必要となるので、その推理パートにそれらにまつわるさまざまな話が出てくる。
 前作よりグロい感じがある上に酷い時は町単位で壊滅していくのでこの世界の人類大丈夫か?って感じがある。
 電撃文庫から17巻発刊。
 Amazonに17巻全部まとめた電子書籍がある。
 漫画もある。全4巻で灰かぶりの話
 本当は残酷な童話ってノリの話が好きな人や永い後日談のネクロニカ好きな人におすすめかも。

夜魔

全2巻
 Missingの登場人物の神野陰之と十叶詠子が関わる話。Missingの世界観の中で、Missingメインストリームから外れた怪異譚を描いてる短編集みたいな感じ。
電撃文庫から一巻、メディアワークス文庫から一巻発売

ノロワレ


 既刊3+3巻
 呪い、呪物の蒐集の話。呪いといっても呪術廻戦のような特殊能力バトルではなく、呪いを主題とした民俗学メインのミステリやサスペンスみたいな感じ。
 主要登場人物として過去に怪異に巻き込まれて歪になった人物・真木夢人と兄に対するコンプレックスの塊な人物・真木現人が出てくる。
 前作よりも人間を軸にしたストーリーになっている。
 電撃文庫から3巻、メディアワークス文庫から一つの長編の上中下巻が出てる。

 呪術を用いたミステリということでロードエルメロイ二世の事件簿が好きな人は刺さるかも知れない。

時槻風乃と黒い童話の夜


断章のグリムのヒロインに取り憑いている幽霊、時槻風乃の生前を描いた作品らしいけどあまり読めてない。
あとで追記する。

霊感少女は箱の中

既刊3巻
 幽霊と交霊会を主題にした作品
 主人公は強い霊媒の才能を持っていて、それが原因で心霊事故にあった柳瞳佳。
 ミーディアム(霊媒)やキャビネットなどといった交霊会、スピリチュアリズム系の英語の専門用語が多い。
 電撃文庫から3巻で、続巻が出ていない

 ゴーストハント好きな人におすすめかも。

ほうかごがかり

既刊2巻
 「学校の怪談」とSCP FoundationやLobotomy Corporationのような、「怪異を収容して記録する」要素が組み合わさった感じの作品。
 夜中に『ほうかご』と呼ばれる校舎に類似した異界に連れて行かれ、怪異『無名不思議』の観察と記録をする係、ほうかごがかりにさせられた小学生達の物語。
 主要登場人物がほぼ全員小学生。主人公格は絵描きの二森啓っぽい。というかこの人と太郎さん(断章のグリムの鹿狩雅孝っぽいポジションの人)以外全員死にそう。著者いわく「子供が理不尽な試練に巻き込まれているという点がメルヘン」らしい。
 現在電撃文庫から2巻出版、電撃ノベコミ+でも連載中。
 こっちも永い後日談のネクロニカ好きな人におすすめかもしれない。

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