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脳腫瘍手術の退院後

 読んで下さる方へ。少しご無沙汰してしまいました。今年もよろしくお願い致します。

 2021年7月に退院してからの事を少し書いてみたいと思います。退院の日は頭にスカーフを巻いてサングラスで病院を出ました。サングラスは左目がまだしっかり開かなかったから、スカーフは開頭手術のために髪を剃られたところがちょうど分け目にあたっていて他の髪で上手く隠し切れなかったからです。私は普段は地味な服を着ているので、目立ちそうで落ち着かない気がしましたが、心はとても晴れやかで気分の良い日となりました。

 そして、仕事は入院の日から4週間の休暇を事前申請していましたが復帰する気持ちになれず、医師や会社と相談し2021年8月末まで延長することになりました。術前は、仕事にいつ戻れるのか、いつ本来のペースにできるのか等、あれこれと仕事のことばかり考えていましたが、術後は前向きな気持ちになるのに時間がかかりました。この時56歳、仕事は私にとって大切なものでしたが、ハードでもあり、継続する苦しさについて考えるようになりました。結局翌年に退職しリタイア生活に。病気はひとつのきっかけでしたが、それはそれで良かったと思っています。

 その他、年齢もあるのか、脳腫瘍の手術のダメージなのか、妙なことが起きるようになりました。
 退院後はコロナ禍が酷くなり、呼吸困難になっても入院できずに亡くなる人のニュースが増え、パルスオキシメーターを念のため買ったりした時期でした。私はニュースを見る度に、術後のICUで息苦しかったことを思い出しては息苦しいような気分になり、あまりニュースを見ないようにしようと思いながらつい見てしまって後悔していました。
 そして、退院後の初のMRIです。それまではMRIは気にしたこともなく、装置の中に入って目を開けて興味深く見ていたくらいでしたが、その日は目を開けたら圧迫感があり、その後息苦しいような感じになり、冷や汗が出始めました。何とか落ち着こうと呼吸を何度もして目を閉じて他のことを考えるようにして、何とか切り抜けました。少しずつよくなっていますが、気が重い検査になってしまいました。
 もうひとつ不思議なこととして、何かぶつぶつしたものを見ると、ぞっとするような妙な気持ちになるようになりました。豆料理、ブロッコリーの切り口が並んだもの、香辛料が目立つソース、スマホのカメラの丸いものが並んでいるもの。見ないようにして深呼吸すれば問題なく、大したことではないのですが不思議です。

 現在、手術後の体への影響はほぼ左目だけで他は問題なく、普通に暮らしています。左目はぱっちり開いていますが、瞳は右に寄っていて動かないです。術後は医師に言われて動かそうと繰り返していましたが改善せず、今も経過観察されていますが、治らないのだと思います。サングラスを幾つか買いました。前向きに楽しむことを時々考えています。
 大きな手術をしたので小さな変化は仕方なく、付き合いながら暮らしています。

 読んで頂きありがとうございました。

 

 

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