見出し画像

出雲神話を巡る旅のレポート7~稲佐の浜(島根県)

東京・出雲・京都の出雲神話を巡る旅(2023年5月20日~24日)
【5/21 出雲編レポート❶】

稲佐の浜の入口(2023/5/21撮影)

旅のレポート№7 稲佐の浜レポート

出雲市に着いたら、最初に稲佐の浜へ行こう

稲佐の浜は、出雲大社の正門から西へ1kmほど進むとある海岸です。
古事記や出雲風土記に出てくる、国譲りや国引きの神話で知られます。
10月は全国から神様がいなくなるので神無月と呼ばれますが、全国から八百万の神々は集まる出雲においては、10月は逆に「神在月(神有月)」となります。旧暦10月10日に、全国の八百万の神々をお迎えするのが、こちらの稲佐の浜になるのです。

そんな稲佐の浜ですが、出雲大社に行く前に行くべき場所となっています。
その理由は後ほどお伝えしますが、まずは稲佐の浜についてご案内。

稲佐の浜に立つ弁天島(2023/5/21撮影)

弁天島は、今は岩ですが、かつては島でした

弁天島がある場所は、今は砂浜になっていますが、かつて海だったので、弁天島は、「海岸にある岩」ではなく島と呼ばれているのです。かつては稲佐湾のはるか沖にあったため、沖ノ御前とか沖ノ島などと呼ばれていました。
島の上部には、神仏習合の頃までは「弁財天」が祀られていましたが、明治時代以降、仏教の弁財天ではなく、「沖御前神社」 として、豊玉毘古命(とよたまひこのみこと)が祀られています。
ちなみにこちらは、稲佐の浜のそばにある「八大荒神社」の摂社です。

弁天島のそばまで行く(2023/5/21撮影)
沖御前神社(2023/5/21撮影)

登って近くにでお参りしたいですが、さすがにそんなことはできませんので(苦笑)気持ちだけふわっと浮かせて、そばでお参りしている気分を味わいました。

神話の舞台となった砂浜(国引き)

古事記に出てくる「国譲り神話」や、出雲風土記に出てくる「国引きの神話」で知られる浜ですが、そもそも、国譲りってなんですか?(いわんや国引きって一体??)となる方も多いかと。

出雲市駅にあった国引きのイラスト(2023/5/21撮影)
奉納山の展望台から見た須佐の浜(2023/5/21撮影)

まずは国引き神話から簡単に紹介しますと、
出雲の創造神、八束水臣津野命(やつかみずおみつぬのみこと)は出雲の国を見渡してとても小さいと思ったので、海の向こうにある島を引っ張ってき手縫い合わせた、というものです。
ちなみに国引きを終えた八束水臣津野命が「おえ(おわった)」と叫んで大地に杖を突き刺すと、そこから木が茂って「意宇の杜(おうのもり)」になったという逸話もあります。
これ、テストに出るので(嘘です)覚えておいてくださいね(笑)

神話の舞台となった砂浜(国譲り)

国引きより有名な神話が、古事記に出てくる「国譲り」です。
簡単に説明すると(簡単にできる気がしませんが笑)
天照が、豊かな出雲の国を治めたいので、譲ってもらうためにお使いを出すも、なかなかうまくいかず、若干コワモテな神様タケミカヅチと足の速いアメノトリフネ(日本書紀ではフツヌシ)の二神を送り込みます。
その時に、お使いのタケミカヅチが降り立ったのが、この稲佐の浜なのです。

この弁天島のあたりから奥のほうへ15分ほど行くと、大国主とタケミカヅチが国譲りの交渉をしたと言われる屏風岩があります。

今回は時間の都合でそこまでは行けなかったので、展望台から眺めました。

奉納山の展望台から見た屏風岩(2023/5/21撮影)

うんと小さくてよくわかりませんが、展望台側に説明の看板が建てられていました。次回は屏風岩も実際に見る予定です(*^_^*)

奉納山にある展望台へ続く階段(2023/5/21撮影)
出雲大社摂社上の宮(2023/5/21撮影)

稲佐の浜から徒歩5分ほどの場所にある出雲大社摂社上の宮では、稲佐の浜からやってきた八百万の神々が集まって会議をするのです。ちなみにその全国の神様が集まる会議は「神議り(かみはかり)」と呼ばれています。

稲佐の浜の砂を持って出雲大社へ行こう

さて、出雲大社に行く前にここに来るのが正しい順序です。それはきっと、こちらの海で身を清める意味もあるのでしょう。
そんな浄化の海水ですので、早朝に海水を汲み上げて3日間釜で焚いたお塩が神門通りのみしおやさんで売っていました。
なので買って帰りました(笑)

神門通り「出雲かみしお」のお参りのお塩(2023/5/21撮影)

さて、稲佐の浜の砂ですが。
弁天島のそばにある砂を、用意していたビニール袋に入れました。

稲佐の浜の砂(2023/5/21撮影)

この浜の砂をビニール袋などに詰めて出雲大社に持参して、本殿後ろの素鵞社の社の下にある砂と交換して持ち帰ると、願いが叶うとか、運気があがるなどと言われています。

稲佐の浜マニアック情報(鉄の民)

あくまで個人的な怪しい意見と読んでください。
実はこの稲佐の浜「砂鉄」が採れます。

子供の頃、磁石にビニール袋を被せて砂をガーッとこすると、砂鉄がビニール袋にくっつく実験をしませんでしたか?
私の故郷の小樽は砂鉄が多い土壌なのか、その辺でよく砂鉄がくっつくため、調子に乗ってあちこちで探して、とれる土壌と取れない土壌がなんとなくわかりました。(子供の頃からマニアック)
そんな砂鉄。
稲佐とは、鋳成(イナリ)、つまり製鉄から来た名前とも言われますし。
古代日本では、鉄は重要で、現在の金やプラチナに匹敵する物でした。
「砂鉄が含まれる砂」を持ち帰るから富が約束されるのかな、なんて思ったりします。
ちなみに稲佐の浜で取れる砂鉄は純度も高く、特有のタタラ製法で、純度の高い「玉鋼(たまはがね)」ができるのです。その玉鋼を叩いて伸ばして日本刀を作ります。
人気漫画(アニメ)の「鬼滅の刃」で、最終選別に合格し鬼殺隊に入隊することになった炭次郎たちが、鬼を倒すための特殊な「日輪刀」を作るために選べと言われ、刀の材料の玉鋼がずらっと並べられているシーンがあります。あの、玉鋼です。それが稲佐の浜で採れるの、すごくないですか?

鬼滅の刃と島根県の関わり

少し前に放送していた「鬼滅の刃 鍛冶の里編」でたくさん出ていた鍛冶師たちが被っているひょっとこのお面にも意味があります。
あれは火男と書くのですが、ドジョウ掬いで有名な「安来節」の安来市は島根県にあります。ドジョウは生き物のドジョウではなく土壌掬いで、砂鉄を救っているのでは?という説があります。
タタラ(製鉄)をしている人たちは片目を痛めてしまうこともあり、ひょっとこが片目をつぶっていることと、タタラ(製鉄)が無縁であるとは思えないのです。
鬼滅の刃で言えば、錆兎(さびと)と真菰(まこも)一緒に(というと微妙に違いますが)修行していた時に切った岩にそっくりのものが、島根県安来市広瀬町上山佐の天馬山にありますし(ネットで検索してください)
さらに、出雲大社本殿のしめ縄は出雲に生息する植物の真菰で作られており、毎年6月1日に出雲大社で行われる 「凉殿祭(すずみどののまつり)」の別名は「真菰(まこも)神事」。
真意は作者のみ知ることですが、出雲に関りがあるのかもしれないと思うと、また違った見方ができそうですよね。

神迎の道と阿国の道

稲佐の浜から出雲大社までは「神迎の道」という神様が通られる道があるのですが、それより一本山側の道にも摂社がたくさんありまして。
ちなみにその通りは、歌舞伎で有名な出雲阿国の石碑などがあるため、「阿国の道」と呼ばれています。
その道を、出雲大社の摂社をお参りしながら歩いて行きました。

出雲空港に会った阿国像(2023/5/23撮影)

稲佐の浜近くの摂社をだいたいお参りした後、稲佐の浜の駐車場に止めてあった友人の車で、出雲大社まで行くことにします。

さあ、いよいよ出雲大社に向けて出発です。

稲佐の浜の詳細

住所:島根県出雲市大社超杵築北稲佐
アクセス:バスがありますがかなり不便なので、出雲大社から徒歩で行くのがお勧めです(*^_^*)

稲佐の浜

「稲佐の浜」遊月的まとめ

・パワスポ お勧め度合い:★5つ【★★★★★】

「八百万の神様が上陸される場所」
もうね、この一言だけで、星五つです。
地球上を探しても、なかなか八百万の神々が全国から一斉に集まってくる場所なんてないと思うのです。
旧暦の10月10日には儀式も行われるのですが、いつか必ずその時に稲佐の浜にまた来るつもりです。

実際に立った印象ですが、パワー!!というより、さわやかなエネルギーが強くてちょっと驚きました。
海の浄化が強いのかな。
とにかく島根県に来たら、絶対来るべき場所の一つです!!

ブログ(遊月の日々これ修行なり~)の記事紹介

ブログでも、もう少し長めにおもしろおかしくレポートしています(リンクで飛びます)


この記事が参加している募集

旅のフォトアルバム

サポートいただけたら嬉しいです。 写真や映像からもパワーをゲットできるので、皆様も写真を眺めて、どんどんパワーアップしてくださいね。 皆様からのリクエストとサポートをお待ちしています。