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ニュースつぶやき:「『H3』3号機、種子島から6月30日に打ち上げ予定」

 国産ロケット「H3」の3号機が6月30日に打ち上げ予定の話。


  JAXA(宇宙航空研究開発機構)は26日、種子島宇宙センターからH3ロケット3号機による先進レーダ衛星「だいち4号(ALOS-4)」の打ち上げを2024年6月30日に実施すると発表しました。

 観測衛星「だいち」はその名やALOS(Advanced Land Observing Satellite)の略称からもわかるとおり、主に陸域を観測する技術衛星ですの。わたくしも「だいち」からの画像を国立科学博物館で実際に目にしたことがありまして、雲を透過して地上を走査できるその能力には舌を巻いたものです。



「だいち」が一度に走査できる範囲は約70kmにもおよびますの。これは、分かりやすく言えば、千葉県の銚子市から浦安市くらいまで──チーバくんの耳の先端からベロの先くらいまで、ということです。また、「PALSAR(パルサー)」「PRISM(プリズム)」「AVNIR-2(アブニールツー)」と3種類のセンサを備え、それぞれが異なる方法で地上を走査します。

・PALSAR フェーズドアレイ方式Lバンド合成開口レーダ
 電波を放射し、地表面で反射した電波を受信するマイクロ波センサ。夜間や地表が雲におおわれている場合でも観測が可能。

・PRISM パンクロマチック立体視センサ
 可視域の波長帯を持つ光学センサ。衛星の進行方向に対して前方・直下・後方の3方向の画像を同時に取得することにより高精度の立体データを得ることが可能。

・AVNIR-2 高性能可視近赤外放射計2型
 可視域、赤外の波長を用いて陸域の植生などを観測する。また、首振り機能を備え、緊急時には衛星直下以外の観測を行うこともできる。被災地のデータも最短2日で地上に送ることが可能。

 広域を収める視野と、高い分解能が持ち味の「だいち」は今までに3基が打ち上げられましたけれども、現在運用中の「だいち2号」の後継として打ち上げられた「だいち3号」は、軌道投入に至らず失敗。今回、さらに性能を増した「だいち4号」が打ち上げられる運びとなったのです。



 近年、観測衛星や通信衛星は、小型の衛星で隊列を組んで飛行する「Constellation(コンステレーション)」スタイルが台頭しつつあります。代表的なものが、Global Positioning System、つまりGPSですわね。あれは周回する衛星群のネットワークで成り立っているものです。スペースX社のスターリンク衛星群なんかもそうですね。

Constellation……「星座」の意。転じて小型の衛星を連携させ、一体化して運用する仕組みを指す。

 対して「だいち4号」は大型衛星。一回にかかる費用、宇宙ごみになった場合の対処、いずれに進むとしても問題は残ります。

 日本の宇宙開発は果たしてどちらの道を進むのでしょうか?




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