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あの日あの時、あの選択。

この時声をかけた男の子。

大学生くらいかと思ったらもう少し大人だった。


どおりであんな場所で声をかけてもLINEをくれて、会う約束もすんなりと行くはずだ。

マスクをした目元しかわからない状態だったけどあの感じだと相当モテるだろうし会えなくても良いやと思っていた。

年齢も人妻だと説明するのも面倒くさいとも思っていたから、わりときちんと返信してくれて後日スケジュールを知らせてくれた事が意外だった。


待ち合わせした駅は、今年の初めくらいまでは仕事でよく通った駅。

少し懐かしく感じる。



なんとなくLINEの感じからは楽しみにしてくれているのかなと感じた。

(まあ、据え膳だし、やれるとわかっていたらそうなるか笑)


仕事が早く終わり駅に着くとLINEはまだ未読のまま。

〝着きました″

そうメッセージすると

「僕も着いてるので今行きます!」

すぐに返事が来た。

どこにいるのか分からなかったみたいで電話がかかってきたのだけれど、話しながら辺りを見回すとすぐにわかった。

白いTシャツに細身の身体によく似合う黒のパンツスタイル、

背が高いセンターパートの髪の男の子はやっぱり目立つもの。


″こんばんは″

そう声をかけるとびっくりしたように振り向いて

ハッとしたような顔をする。

「こんばんは!」

〝待ちましたよね、ごめんなさい″

そんな風に、どう見ても私が年上なのは明らかだし、場を和ませようと色々と話してしまうのはいつものことだ。

〝どうします?″

そう聞いて、なんとなくまだ落ち着かなさそうな様子の彼とご飯を食べに行く事にした。

食べながらたくさん話した。

彼は言葉を選ぶように会話をしながら私の事詳しくは聞いてこない。

このnoteを読んでくれているリアル友人は知ってくれているけれど彼に声をかけたのは、仕事絡みだから色々と聞きたいことはあるはずなのに。

〝あのね、私結婚してるの″

なんでもない事を伝えるように笑って言ってみた。

「え、そうなんですか?!びっくりです、、」

少し呆気に取られたような表情で彼は言った。

今時の若い人って人妻と1度くらいは遊んでいたりするもんだと思ってる私は、彼にどう思われたかなぁと少し心配だったけど、特に悪い影響はなかったみたい。

お店を出て、一応形式めいたこれからどうする?なんてセリフを言ってみたりするけど、結局ホテルに向かった。

本当にいつも不思議だけど、初めて会った人同士でも、何にも言わなくてもお互いの目を見て3秒ほど見つめ合ったら、抱かれたいし抱きたいんだなっていうのがわかって、これが大人になるって事なのかなと。(て、んなわけない)


ベッドで少し離れた場所に座る彼に

〝恥ずかしいの?緊張する?″

と聞いたら

「そりゃしますよ、、」

って、Tシャツの自分の胸のあたりを触るような仕草がたまらなくて、近づいてキスをした。


最初はちょっと遠慮がちに、

段々私に応えるようにキスを返してくれる。

「エロい」

唇を離した彼は呟くように言った。


筋肉のつき方も、肌も、髪も、足の爪さえもキレイで隙がない。


美意識が高い子なのかなと思うけれど、努力を感じさせない雰囲気のナチュラルにさりげなく清潔感があるところが、逆にあざとく感じてときめく。


私を触る時も、中に入ってくる時も、堪らなくなるような溜息をつく、

それを聞いて理性が飛んだ私は、正常位で重なる彼の腰を掴んで下からどうしようもなく動かしてしまう。

気持ち良い場所に当たるように角度を変えてくれた彼をディルドのように使って、

「あぁ、、当たってる、、エロい」

と、また溜息を吐く彼がもっと欲しいと思った。


終わった後もゴムも外さず、身体を絡ませるようにずっとくっついたままキスをした。


「唇が美味しいです」

〝キスが好きなの?″

「aoiさんの唇が柔らかいからです」


、、、この返し、色男ですわ、やっぱり。



終電の時間が近づいて

名残惜しむように身体を離して外に出た。



手を繋いでくれた彼とエスカレーターに乗って、一段上から見下ろすから、思わず腰に手を回して抱きついた。

改札で私をじっと見ながら

「また会いましょう?」

そう言うそれは、本心かな?

なんて素直に言葉通り受け取れない私は

″うん、また遊ぼうね″

と軽く笑って、見送ってくれた彼に手を振った。




いつもは別れた後自分からLINEなんてしない。

だけど、勇気を出して声をかけた私に応えてくれたから、

〝今日はありがとう″

とお礼のLINEを送った。




日常ドラマティック。

人生は選択次第で何が起こるかわからない。


次があってもなくても気にならないくらい

いい夜でした。

ありがとう。




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