akari-chan @ 災害時の光 (LPA)

ライティング プランナーズ アソシエーツ (LPA) に所属する照明デザイナー集団。日…

akari-chan @ 災害時の光 (LPA)

ライティング プランナーズ アソシエーツ (LPA) に所属する照明デザイナー集団。日常のデザイン業務を越えて、災害発生時とその復興の道のりにおいて照明デザインができることを探る取り組みを進めています。災害時の照明を取り巻く現状課題の解決に少しでも近づけるように活動しています。

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最近の記事

非常時照明を日常の中に Vol.8

非常用照明で過ごす夜 #3 @H宅 <実施バックグラウンド> 体験日時:2021年2月22~25日 終日 の計4日間 ※冷蔵庫・パソコンの電源確保は通常通り。 ※既設の照明器具・エアコンは使わない。 日没時刻:17時30分ごろ 体験人数:1人 先の2回のトライアルから、防災キットの中で使いやすいアイテムがある程度わかってきました。前回のトライアルでは、充電が一晩持たなかった照明器具もあったので、連日の使用や再充電の具合が気になるというコメントもチーム内から上がりました。

    • 非常時照明を日常の中に Vol.7

      非常用照明で過ごす夜 #2-2  @K宅  緊急時を想定して一晩過ごしてみる中で、ほかにも気づいたことが多くありました。 ・多機能照明について (マルチパワーステーション2)  懐中電灯やデスクライト、ソーラーバッテリー、ラジオ、手回し発電機など、1台何役もする、防災グッズとしてよく見かける多機能照明を試してみました。暗くて説明書が読めないなどの緊急時を想定し、あえて使い方を調べずに使用しました。  便利に思える多機能照明も、多機能な反面、ボタンやモードのパターンが多く

      • 非常時照明を日常の中に Vol.6

        非常用照明で過ごす夜 #2-1  @K宅 <実施バックグラウンド> 体験日時:2021年1月9日(土)日没から翌朝まで ※冷蔵庫はONのまま、空調はOFF。 天気:晴れ 気温:最高7℃ 最低-3℃ 人数:2人(夫婦)  前日の夜に受け取ったアイテムを開封し、自宅にあった防災アイテムと合わせ、必要なものはコンセントに刺し充電しながら当日に備えます。  当日の朝、ソーラー系を充電するときに気が付きました。  私の家は、北と西側にしか窓がありません。冬場は太陽高度が低く、直射

        • 非常時照明を日常の中に Vol.5

          非常用照明で過ごす夜 #1 @M宅 <実施バックグラウンド> 体験日時:2020年12月12日(土)日没から翌朝まで ※ 冷蔵庫はONのまま。空調はOff。 天気:曇り 気温:最高15度 最低〇〇度 人数:3人(夫婦+子ども(6歳男児))  チームで組み込んだ非常照明キット一式を受け取り、日没に向けて充電を進めます。  いつでも使えるように、充電作業も日々に織り込む必要がありますね。  子どもには、今日はおうちの中でキャンプだよ、と伝えておりわくわくしています。この機

        非常時照明を日常の中に Vol.8

        マガジン

        • 非常時照明を日常の中に
          8本
        • 災害時のあかりのはなし ‐ヒアリングプロジェクト‐
          6本
        • 災害のための照明デザイン 照明デザイナーたちが考えたこと
          8本
        • ある照明デザイン事務所の震災復興照明プロジェクト
          1本

        記事

          非常時照明を日常の中に Vol.4

            購入した器具が一式揃いました。(配送業者さん、いつもありがとうございます!) 新規に購入したのはこの13点 説明書一式もファイリングして、衣装ケースBOXに非常時照明体験トライアルキットとして格納します。 会社の備蓄としていた非常食もストックのローリングとして一回の体験人数分キットに入れることにしました。 非常用トイレもこの際セットに入れたら、、という話になりましたが、ひとまずそれは今回は組み込まず、初回の非常時照明体験トライアル先へと発送します! つづく。

          非常時照明を日常の中に Vol.4

          非常時照明を日常の中に Vol.3

           非常時照明を日常の中に混ぜ合わせるために、何が一番有効でしょうか。非常時照明は気にしているし、いくつか持ってもいるけど、実際使ったことってどれだけあるかしら。。 便利そう!役に立ちそう!と思って入手したものも、実はあまり使ってみてなかったりするな、、と先のチームワークショップでも話題に上がりました。 非常時照明の特性やキャラクターの軸は、だんだんと見えてきました; ・連続点灯時間長 ・明るさの強さ ・光のキャラクター(拡散光なのかスポットライトタイプか、揺らぎ、うつろ

          非常時照明を日常の中に Vol.3

          非常時照明を日常の中に Vol.2

           みなさん、非常時のためにどんな照明を備えていますか?懐中電灯、ヘッドライト、充電式、手巻き式、ラジオも聞けて、、とにかくたくさん種類がありますよね。  多様な種類がありそれぞれに強みはありそうですが、何が自分にとって一番良いかとなると、なかなかそこまで比較検討できず備えている、または購入に二の足を踏んで備えきれず、、というところで止まってしまう気がします。  そこでまずは、私たちのチームの中で、各自がすでに備えているものを持ち寄ってみることにしました。(新型コロナにおけ

          非常時照明を日常の中に Vol.2

          非常時照明を日常の中に Vol.1

           私たちが“復興照明プロジェクト”を立ち上げる契機となったのは2011年3月11日に発災した東日本大震災です。照明デザインを生業とするプロフェッショナルとして、災害時・非常時にも私たちの職能が力になれることはあるのか、と立ち上げたプロジェクトは、有志が折に触れ集まりながら社内活動として続いてきました。      2016年にはヒアリングプロジェクトとして気仙沼に出向き、発災後や避難所のあかりの経験を聞かせて頂いたこともありました。お話を伺ったうちのおひとりに小学校4年生の

          非常時照明を日常の中に Vol.1

          災害時のあかりのはなし #5

          2016/08/16 @気仙沼 A先生 A先生は小学校の先生です。先のMさんと同じく”小泉Coolなおやじの会”として、夏祭りの再開にご尽力されていました。 現在気仙沼の小学校にお勤めのA先生は、東日本大震災発災当時、南三陸の小学校に勤務されていました。 勤めていた南三陸の小学校は高台にありましたが、地震が起きたあと、校長の判断で子供たちをつれて更に高台の学校に避難しました。津波の土埃で空が黄土色になりました。当時は小学校4年生の担任。女の子たちは泣いていました。毛布に

          災害時のあかりのはなし #5

          災害時のあかりのはなし #4

          2016/08/16 @気仙沼 Mさん お話を聞いた前日は地域の夏祭りの日でした。地域のみなさんの手で夏祭りを再開したいとご準備を進められて、石巻に収蔵頂いていたあかりカフェのキットを地域の方々で運搬、設営してお使いいただきました。その夏まつり主催の気仙沼”小泉Coolなおやじの会”のおひとり、Mさんにお祭り翌日にお話を伺いました。 2012年7月の山田大名でのあかりカフェ(初めての開催)に、娘と参加してたんですよ。 私は地域の消防団に所属しています。東日本大震災発災時

          災害時のあかりのはなし #4

          災害時のあかりのはなし #3

          2016/08/15 @気仙沼 Kさん、Hさん 気仙沼のあかりカフェなどを通して知り合った方々にお願いをして、次にお話を聞けそうな方を紹介して頂くことを続けました。皆さんご多用の中、厭わずお話を受けて下さり、私たちも非常に身の引き締まる思いでした。 Kさんは、永らく遠洋漁業の漁師さんとしてお仕事をされていました。東日本大震災発生当時は気仙沼市本吉町前浜地区の自治会代表をされていた関係で、避難所の代表をもおつとめになりました。避難所を運営されていた際の記録ノートを持ってきて

          災害時のあかりのはなし #3

          災害時のあかりのはなし #2

          2016/06/16 @気仙沼 Mさん、Tさん 2012年7月に気仙沼市本吉町であかりカフェを行った際の現地NPOメンバーだった方にご紹介いただいたMさんとTさん。東日本大震災発生時、Mさんは学習塾の先生として、Tさんは在気仙沼の美術館職員として勤務されていました。お話を伺った当時、お二人は気仙沼のまちづくり支援に携わるお仕事をされていました。 Mさん:                              津波で家を流され、実家となりの神社に避難しました。電気復旧ま

          災害時のあかりのはなし #2

          災害時のあかりのはなし #1

          2016/06/16 @気仙沼 Aさん 気仙沼でのあかりカフェ開催を通して知り合った方にご紹介いただいたAさんにお話を伺いました。Aさんは、震災の記憶をつなげていくキャンドルイベントにも従事されています。初めてお会いする私たちに、とても和やかな雰囲気で接してくださいました。 震災当時、上のお子さんは仙台におり、ご主人と下のお子さん(中学2年生)と高台の方にあるご自宅にお住まいでした。 家は高台の方なので、地震1週間後に初めて海側を見て実際の津波被害の様子を目にしました。

          災害時のあかりのはなし #1

          idea#7 災害に備えた光のまちづくり

          ・被災地に向けて“東北光のマスタープラン” の作成 ・その他の地域に向けて“減灯ガイドライン” の作成 災害の恐怖心を払拭する光環境 震災で感じた不安や恐怖心を払拭し、安心して生活するための光環境の形成。 ① 避難場所を知らせる光 空へ向けての光が、ヒトを安全な場所に導く。 ② 高所からの投光照明 津波や火災などの影響をうけ難い場所からの街への投光照明。 ③水辺の光 津波や水に対する恐怖心を払拭させるため、水中照明や護岸照明、海沿いの歩道の光などを施し、安心して水辺を歩く

          idea#7 災害に備えた光のまちづくり

          idea#6 Sunbrella

          いつも非常時に備える日常アイテム 傘は日頃ひとが外出時に持ち歩くアイテムのうちの一つです。ある人は雨の時に、ある人は日差しを遮るために使います。そしてこれらの時がSunbrellaが非常時のために電力を蓄える時です。 傘の膜材にソーラーパネルを縫い込み、それらは単に傘の模様の様にしか通常は見えません。しかしその模様が通常の傘の使用時に蓄えたエネルギーが、電源が供給されない非常時のために保持されます。 傘の縁に添ってLEDを縫い込んだり、傘の柄の上部にLED電球が据え付け

          idea#5 Kibo no Akari

          気持ちを支える光 東日本大震災の被災地では、電気やガス、水道、交通、通信などのライフラインの機能が全滅し、その後の大津波での被害を受けた場所では、すべてを破壊し人々の姿は消え、街は廃墟と化した。 多くの被災者は、避難所に避難したが、避難所の場所が何処か分からない人や、孤独に自宅で避難している人もいた。また、ライフラインの全滅により、街は暗闇となり、家族の安否が確認できないなど不安な夜を過ごした。 救助する側からは、指定避難所以外にも、多くの緊急の避難所が設置され避難所が発見