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働く母ちゃん、転んでもタダでは起きないよアーカイブとちょっと追記③

鬼畜な上司の印象が拭えないままお盆休みに突入してしまった…!と思いつつ、早くアップしたいなと思ってもう1週間以上経ってしまった。なので、彼女が書いていた連載を一気に2つまとめてアップしちゃう作戦。全部で10話あるので、ちょっとだけこちらの方が早く終わるかもしれない。いいの、アーカイブするのが一番の目的だから(言い訳)。

下記に記載されているメッセージを彼女からもらった時、「ついにきたかー」と思ったのを覚えている。前回にも記載した通り、私自身も当時はどう声を掛けていいのかわからず、でもそろそろなにかアクションが来るかもしれないみたいな緊張感はあったので、多分そう思ったんだと思う。

ArrowArrowでは、よく「タスクマシンと化しましょう」という会話をする。タスクマシンとはうちの造語なので簡単に説明すると、「考える時間と手を動かす時間を分け、手を動かす時間には何も考えずにタスクをこなせるくらい細分化・明文化しておくこと」を意味する。時間を無制限に仕事に使えるなら少しくらいそれらがごっちゃになってても対応できるかもしれないが、制約人材である我らには、タスクをこなそうとして「あれ、これどうなってたっけ…?」とか無駄にする1分が惜しい。そもそもお迎えの時間があるから残業が難しいし、子どもの病気や怪我でいつ保育園や小学校から呼び出しがかかるかもわからない。だから忙しい時ほど、テンパってる時ほど、ひと呼吸おいてタスクの整理をしよう、という話をする。いざ自分が対応不可になっても、他人に振れるくらいタスクが細分化・明文化されていればチームでサポートもできる。タスクの整理ができていれば、だいたいの波は乗り越えられるし、乗り越えられないと判断できれば、周りにヘルプを出すこともできるし、その中でやらないことを決めることもできる。結果、なんとかなることがほとんどだ。(※タスクの細分化・明文化にもコツがあるが、またそれは別の機会に)

ただし、この時の海野は、それをすることすら時間が惜しいと思うほどテンパっていたように思う。だから海野には「一旦立ち止まってくれ」ということを伝えて、上記のことをもう一度思い出してもらう必要があった。頑張ってることもわかる、実際めっちゃ頑張ってる、でも目的は、私たちのビジョンに一番近づくためにみんなで目標を達成することなんだ、と改めて認識してもらうことだと私はその時思った。

海野の仕事はいつも丁寧だ。クライアントとのコミュニケーションも私の何倍も上手で、自分の言葉はもちろん、相手の言葉も大事に紡ぐ人で、なにより仕事が、そして(手前味噌だが)ArrowArrowが大好きだ。そんな彼女に「一旦落ち着け」と言ってしまったら、彼女の何かを壊してしまうかもしれない。アイデンティティを否定することになるのかもしれない、そんな不安はめちゃくちゃあった。でも、私なりに悩んだけれど、そんな彼女だからこそ、変に言葉を取り繕ったりはしないと決めた。彼女がいつも私たちの言葉を受け止めてくれるように、今度は私が彼女の言葉をちゃんと受け止めたいと思った。受け止めたうえで、真摯に返そうと思った。あの時から3年経った今だったら、どんな言葉を返すかなと考えてみたけれど、おそらくほぼ同じこと言ったんじゃないかなと思う。そのくらいには私も覚悟を決めて、私は彼女に言い放った。「あなたの仕事の仕方に信頼がおけていない」と。

***

「やっぱりモヤモヤする…」
子育てしながら働くことを選択した私。

仕事の取り組み方について
「それはやらなくてもいいよ」と言われたことがどうしてもひっかかっている。
自分がどう動いてよいのかわからなくなってきている。
仕事へのモチベーションがグラグラ揺れているような気もしている。


ダメだ、もう直接聞こう。
夕方17時過ぎに私はひとつのメッセージを送った。

「今日のミーティング時の言葉を受け取った私自身は気持ち挫かれた感がありモヤモヤとしたものがあります。
私自身も復帰してどこまで自分から手をあげていいかわからなくなることは何度もあり、
そうなるとこれ以降どこまで手をあげてよいのか、手をあげたことでも結果的にメンバーに迷惑かけてしまうのではないか、それによってまたどうして動いていけばよいか等、ちょっと考えてこんでしまっています。
判断基準をもらっていいですか?」

それに対しての返信の冒頭に、
私はまた心が大きく揺らぐことに。

「私は、産後の働き方にまだ信頼がおけてないんだと思いました。いろいろ適切な言葉を探しましたが、信頼がおけてないという表現が一番しっくり来そうな気がしました。
ただ、”やってくれてない”という評価というよりは、”やりすぎちゃいそうで・やりすぎてて壊れそう、怖い”みたいな感じなんです。
こどもが風邪引くのは全然ある話なんでいいんですが、そうなることでちいさんが追い込まれていく感・抱え込んでる感が払拭できず、必要以上にタスクを任せることを躊躇してるんだと思います。」

働き方の信頼を得るとは…?

「働き方の信頼を得るというのは、私なりに考えると、
例えば娘さんが風邪引いた!っていう時抱えてるタスクをいつこなせるかっていう情報よりも、

今緊急のタスクはこれなんで誰かよろしく!とか
今は緊急タスクないんで思い切って休みます!とか
仲間に託すことがもっとできるといいんじゃないかと思います。もうすぐキャパオーバーでーす!とかも有効です。


あなたが仕事を遂行するんじゃなくて、
チームで遂行できることが優先順位高いんで、
そういうことも意識してもらえると
もっと安心して仕事振れるなって思います」


このメッセージを受けて、
ぐっと携帯を握る手が強くなった記憶がある。

「あなたが仕事をおこなうことよりも、
チームで仕事がおこなえていることの方が
優先順位が高い」

出産後の私は
「時間がない。もっと早く自分の仕事を終わらせなきゃ」
「もしかしたら明日娘体調悪くなるかも、、今日中にこれだけはやっておかなくちゃ」
「私はみんなよりできる時間が少ないんだからもっとできる選択を増やさなきゃ」
と気持ち的に「〜しなきゃ!」「〜やらなくちゃ!」と
凄く追い詰められている感覚に陥っていた。


当然いっつもパンクしそう。
娘が体調崩すと自分のメンタルもグッと落ちてる。
そしてきっと周りからみたらパフォーマンスも比例していたろう…。


落ち込んでいる気持ちと続モヤモヤした気持ちと、
それでも前を向きたい気持ちがぐるぐるしながら、
この心情を吐露するため、
夜帰宅した夫に今日1日の仕事の風景とこのメッセージをやりとりについて話してみた。

彼はまずひと言目にこういった。


【連載】3,4話目:働く母ちゃん、転んでもタダでは起きないよ(海野千尋)

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